知的財産ニュース 未来のエネルギー、風をつかまえろ

2012年5月11日
出所: 韓国特許庁HP

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化石燃料の使用量増加により急増する温室ガス、石油供給の不安定性に持続する原油価格問題で国家全般にわたって経済的負担が加重され、再生エネルギー1)に対する関心と重要性が日に日に高まっている。

このような再生エネルギーのうちの一つである風力エネルギーは、無公害な風を利用するため公害物質の節減効果が高く、大規模風力発電団地の場合は発電単価も既存の発電方式と競争可能な水準であるため、新エネルギー発電技術として大きな脚光を浴びている。

このような風力エネルギーは、翼を利用して風が持つ力を電気エネルギーに変えるものでブレイド、増速機、発電機、タワーおよび電力変換装置などの要素技術を持ち、このうち翼、即ちブレイドの形状および種類によって風力エネルギーの効率が大きく左右される。

韓国特許庁によれば、風力エネルギーに使用されるブレイド関連の特許出願は1990年代以降最近まで着実に増加傾向を見せており、これを5年単位別で見ると、1992~1996年まで10件、1997~2001年まで42件、2002~2006年まで129件、2007~2011年まで331件と去る20年間で著しい増加傾向を見せている。

ブレイド関連技術の出願現況を技術分野別で調べると、ブレイドの形状設計関連技術が48%と多数を占め、ブレイドの物性関連技術が24%、ブレイドの製作関連技術が16%、ブレイドのデザイン関連技術が8%を占めている。但し、ブレイドの大きさとともに回避できない重量問題(eg.ドイツEnercon社のブレイド直径:114m,ブレイド重さ:500ton)を解決するために、ガラス繊維のような超軽量新素材の研究も注目されている。

一方、国内のブレイド製造メーカーでは、ヒョソン重工業およびドゥサン重工業など10社余りあるが、これらの企業はブレイドに関する基礎研究だけでなく、ブレイド製造技術のハイクオリティー化のために米国、ヨーロッパなど先進国の大型ブレイド製造メーカーらと共同研究も多角的に摸索中だ。

特許庁関係者は「ブレイド関連技術は重工業基盤技術を活用した国産化を通じて、技術自立の可能性が高い複合技術として関連産業での波及効果が非常に大きい」とし、「合わせて、ブレイド製造技術が安定化して本格的に量産されれば、現在の陸上風力発電中心の風力発電機モードが、海上風力発電だけでなくハイブリッド風力発電システムまでその活用領域を広げ、それと関連した特許出願も増加すると思われる。」と付け加えた。


注記

1) 再生エネルギー:既存の化石燃料を変換させて利用したり、太陽光・水・地熱・降水・生物有機物体などを含む再生可能なエネルギーに変換させて利用するエネルギー

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