知的財産ニュース 新日本製鉄、「ポスコが侵害した特許の証拠を必ずつかむ」

2012年6月25日
出所: 電子新聞

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新日本製鉄が、3年近くの緻密な準備の末にポスコを相手取って営業秘密と特許侵害の訴訟を起こしたことが分かった。新日本製鉄に有利な捜査記録を確保するために、去る2009年に韓国の裁判所に訴訟を起こした事実が明らかになった。

25日に裁判所及び業界によると、新日本製鉄は去る2009年7月30日に大邱地方裁判所に捜査機関処分に対する準抗告を提起したことが確認された。準抗告とは、検事と司法警察官の一定の処分に不服を訴え、管轄の裁判所に取消及び変更を求める制度である。新日本製鉄は、大邱地検に対し2007年に発生したポスコ技術流出事件の捜査記録の公開を申請したが拒絶され、この手続きを取った。去る2009年12月に一部引用したと判決が下されたが、両社の抗告により最高裁判所に移り2年以上係留された。

新日本製鉄がポスコ技術流出事件の記録を追跡するのは、ポスコが自社の電磁鋼板製造技術を不正に取得した証拠や資料を確保するためである。当時、当該事件の裁判過程において、ポスコが新日本製鉄の技術をこっそり持ち出したという主張がポスコの元研究員の口から出た。新日本製鉄は、準抗告を通じてポスコの不正技術取得を裏付ける確実な根拠を探し出そうとしているのである。

日本経済新聞など日本のマスコミによると、新日本製鉄は去る1990年代、ポスコが高性能電磁鋼板製品を市販し始めた時から自社の技術を利用したと疑念を抱いていた。そして去る2007年、大邱地検がポスコの技術を中国企業に流出した容疑でポスコ元研究員を拘束、裁判過程で手掛かりが見つかったと日本のマスコミは報道した。

去る22日、ポスコの照会公示により確認された新日本製鉄の去る4月の民事訴訟の提起は、長期間にわたる緻密な準備の末に行われたことを傍証する。刑事記録にかなり敏感な内容が含まれているものと思われ、最高裁判所の判断によって大きな影響が及ぶと予想された。新日本製鉄が準抗告を通して有利な資料を確保することができれば、韓国で追加的な損害賠償訴訟を提起する可能性も排除することができないからだ。

新日本製鉄は、ポスコが高性能電磁鋼板製造技術を盗んだとして去る4月、東京地方裁判所に営業秘密侵害禁止訴訟を、米国に特許訴訟を起こした。新日本製鉄は日本での訴訟に986億円(1兆4137億ウォン)を請求。米国での訴訟は請求金額を特定しなかった。ポスコは「原告の請求が棄却されるように積極的に対応する計画だ」と明らかにした。

ユン・ゴンイル記者

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