知的財産ニュース スマートフォンの文字入力、より便利な方法はない?

2012年8月27日
出所: 韓国特許庁

326

タッチジェスチャーを使った文字入力方式関連特許出願が急増

最近、スマートフォンでより簡単で素早く文字を入力する方式関連の特許出願が急増している。キーボードを押して文字を入力する従来の携帯端末とは違い、スマートフォンでは、様々なタッチジェスチャーを使って文字を入力する方式が多数出願されているのだ。

※タッチジェスチャーとは、タッチスクリーンに入力するためのタッチ動作を意味し、タッピング(Tapping)、スライディング(sliding, ドラッグ)、つかみ(pinching)など、様々なジェスチャーがある。

韓国特許庁によると、タッチジェスチャーを使った文字入力方式の特許出願は、2006には4件だったのが徐々に増加して2008年50件、2009年36件、2010年81件、2011年46件に達している。アイフォン3Gが登場した2008年と、ギャラクシーS、アイパッド、カカオトークが登場した2010年に出願件数が急増した(参考資料1)。

タッチジェスチャーを使った文字入力方式の6年間の特許出願を出願人別にみると、内国人が94.9%(223件)と圧倒的に多い。内国人がハングル(韓国語)の独創的な構成原理を活用して文字入力方式を発明し、出願しているのだ。

※タッチジェスチャーを使った文字入力方式の内国人のうち、個人の割合は52.5%(117件、ここ6年間)であり、全体特許出願の内国人のうち、個人の割合は24.8%(2011年)

特許出願されたタッチジェスチャーを使った文字入力方式は、キーボードを効率よく配置して入力ミスを減らす方式と、入力される文字当たりのタッチ数を最小化して入力スピードを高める方式だ。例えば、キーボードに子音だけを配置し、母音は、ドラッグして入力する方式、キーボードのドラッグ方向に沿って基本字から派生される子音を入力する方式、立体的な多面体を回転させることで母音を入力する方式などがある(参考資料3)。

韓国特許庁の関係者は、タッチジェスチャーを使った文字入力方式がスマートフォンのアプリケーションなどで常用化しつつあり、この分野の特許出願が急増しているだけに、今後、従来の方式を画期的に改善した文字入力方式が登場する可能性があるという見通しを示した。

参考資料1:タッチジェスチャーを使った文字入力方式の出願件数

年度

タッチジェスチャーを使った文字入力方式

文字入力方式の全体

内国

外国

合計

内国

外国

合計

2006

3

1

4

200

24

224

2007

17

1

18

262

23

285

2008

48

2

50

286

38

324

2009

33

3

36

258

36

294

2010

79

2

81

302

13

315

2011

43

3

46

234

20

254

合計

(割合)

223

(94.9%)

11

(5.1%)

235

(100.0%)

1,542

(90.9%)

154

(9.1%)

1,696

(100.0%)

6年間、文字入力方式の年平均増加率が2.5%なのに比べ、タッチジェスチャーを使った文字入力方式の年平均増加率は63.0%に達しており、その割合(タッチを活用/文字入力全体)も2006年1.8%から2011年18.1%に大幅増加した。

タッチジェスチャーを使った文字入力方式の特許出願の推移

参考資料2:タッチジェスチャーを使った文字入力方式の内国出願人別の出現現況

年度

個人

中小企業

大企業

大学・研究機関

内国人合計

2006

1

2

3

2007

8

1

8

17

2008

20

11

14

3

48

2009

10

7

14

2

33

2010

52

6

15

6

79

2011

26

5

10

2

43

合計

(割合)

117

(52.5%)

30

(13.5%)

63

(28.3%)

13

(5.8%)

223

(100.0%)

タッチジェスチャーを使った文字入力方式の特許出願の内国出願人別の分布(06~11)

参考資料3:タッチジェスチャーを使った文字入力方式の事例

ドラッグによる母音、または子音の入力

多面体の回転による母音の入力

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195