知的財産ニュース サムスン、欧州でまた「意味のある勝訴」

2012年9月24日
出所: デジタルタイムズ

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ドイツ裁判所、アップルの特許1件も認めず
他の地域における判決に注目

サムスン電子が日本に続き、ドイツのマンハイム裁判所でも意味のある勝利をおさめた。両社のホームグラウンドではない地域、欧州でアップルの特許権が1件も認められなかったことで、今後の訴訟への影響に注目が集まっている。

マンハイム裁判所は、21日、アップルがサムスン電子のギャラクシーシリーズを相手に提起した6件の特許侵害本案訴訟のうち、5番目の「マルチ入力方式に関する特許」について侵害していないと言い渡した。

これで、アップルは、ドイツの裁判所に提起した本案訴訟については、1件の特許も認められなかった。アップルは、ドイツでサムスン電子を相手に全て6件の特許訴訟を提訴していた。その6件のうち1件の「ロック解除」特許は認められず、残りの4件の判決は、サムスンがドイツの特許庁に提起した特許無効審判の結果が出るまで自動的に留保されている。

これに先立ち、マンハイム裁判所は、3月にサムスン電子が侵害を主張する通信特許3件全てについてもアップルが特許を侵害していないと判決した。つまり、原審では「引き分け」の結果となった。

しかし、今回の判決は、アップルに一方的な勝利を認めた米国と、両社の特許侵害を認めながらサムスンに有利な判決を下した韓国とは相反する結果ということで注目される。両社と直接の利害関係のないドイツ裁判所では、標準技術と関連した排他的な特許使用について両社ともに認めなかった。ドイツは、欧州の知的財産権と法律の中心地として「大陸法」に基づいており、同様に大陸法を採択している欧州国にも影響を及ぼす可能性が高いとされる。

先月、日本裁判所に続いて欧州まで、理解当事者でない国の裁判所では、両社の判決を認めない判決が出され、米国と韓国が自国に有利な「ナショナリズムの判決」を下したという見方が広がっている。特に、陪審員が「角丸長方形」デザインと「マルチタッチ技術」など、標準技術についても最も幅広い特許を認め、10億ドル(1兆2000億ウォン)という一方的な評決を下したことに対し、専門性の議論も拡大するとみられる。

先月31日、東京地裁は、アップルが「メディアプレイヤーコンテンツとパソコンの情報を同期化する方式」に関する特許をサムスン電子が侵害したとして提起した特許侵害及び損害賠償請求訴訟で原告敗訴判決を下し、サムスンに軍配を上げた。

サムスン電子は、「今回の判決は、アップルの知的財産権を侵害していないことをはっきり示した判決だ。これからもドイツ市場に革新的な製品と技術を提供する一方、モバイル業界の発展にも貢献していきたい。」とコメントした。

パク・チソン記者

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