知的財産ニュース 地域中小企業対象のデザイン価値向上事業

2012年6月6日
出所: 韓国特許庁HP

3592

韓国特許庁による地域中小企業対象デザイン価値向上事業が、デザイン権確保と売上げ増加に大きな成果を見せ、中小企業界から好評を博している。

10年度に支援を受けた光州(カンジュ)広域市にあるエスオーエスは、LED技術を活用して、授乳時に適正温度が維持できる乳児用哺乳瓶と関連したデザイン開発の支援を受けた。

その結果、特許国内・外2件、デザイン国内・外3件、商標国外2件など、7件の知的財産権を確保した。

開発された製品は、オーストラリアと年2万個の売上契約を締結し、現在中国、日本、カナダと契約準備中。国内流通メーカーと年3万個の契約により、前年に比べ昨年の売上額が5倍以上増加の約6億ウォンの売上げを記録した。

大邸(テグ)の自動車ワイパー生産業者のKCWも、10年度に特許庁のデザイン価値向上事業支援を受け、従来のワイパー製品に比べ部品数を減らし、原価節減と製造工程縮小による生産効率性を高めることができた。

この会社は、昨年9件の特許と28件のデザイン権など、39件の知的財産権を創出する効果を上げ、昨年の海外売上げも585億ウォンと前年比48%伸びた。

このように、地域中小企業を対象としたデザイン価値向上支援事業が成果を収め、特許庁は昨年の34億ウォン(地方自治体マッチングファンド含む)より増加の48.5億ウォンで編成し、139の地域中小企業を支援することにした。

特許庁の独自分析による昨年の結果を見ると、中小企業129社の製品デザインおよび包装デザインなどを支援し、これにより企業の知的財産権出願78%、売上額26%、雇用規模8%の増加など、地域経済の活性化に貢献したことが分かった。

李・ヨンデ韓国特許庁産業財産政策局長は「デザイン価値向上支援事業は、知財権の専門家が事業プロセスに参加して、中小企業のデザイン経営に必要なサービスをOne-Stopで提供し、他の支援事業より高い90%の事業化成功率を見せている」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195