知的財産ニュース 中堅・中小企業向けの特許プール構築

2012年7月22日
出所: 電子新聞

3643

Intellectual Discovery(ID)は、22日、来月1日から25の優秀な知的財産(IP)ポートフォリオと中堅・中小企業向けの特許プールを構築すると発表した。

韓国知識経済部の「創意資本基盤造成事業」を推進しているID(代表・許キョンマン)は、今月で1次年度の事業を取りまとめ、来月1日からは2次年度事業に入る。戦略産業分野を中心にIPの購入・特許出願などを通じて25の優秀IPポートフォリオを構成するという。従来の22分野に加えてセキュリティーやスマート端末機の部品、ディスプレイ部品などの3つの新規分野を追加する。ポートフォリオをパッケージングして特許権利をさらに強化するなど、市場のニーズを反映して新たに編成した「IPプール(Pool)」を韓国企業に提供するという。

また、中堅・中小企業向けの「SME(Small Medium Enterprise)」プールも構築する。SMEプールとは、中堅・中小企業の特許競争力強化に向け、企業の需要をもとに構築した特許プールであり、テレマティクスやワイマックス、ユーザエクスペリエンス(UX)、LED、スマートビークルなど、10大の中心技術分野で構築される。

優秀なIPを確保するため、今年の下半期からは約100件のアイデアを購入し、IP研究開発(R&D)を直接手掛ける。IDは、起業資金444億ウォンとブリッジ資産運用機関からのIP専門ファンド500億ウォン、創業投資会社IDベンチャーズからの投資組合資金500億ウォンなど、子会社から集めた1444億ウォンの資本をベースに大型IPの購入に乗り出す。

IDベンチャーズは、創意資本基盤造成の1次年度事業に500億ウォンを投資し、約800件の優秀特許を確保した。IPポートフォリオの構築で、海外企業から特許侵害された韓国企業3社の紛争対応特許を探り出し、権利を取り戻した。侵害訴訟の恐れがある技術分野の海外特許を購入し、海外IPプールも構築した。

IDの許キョンマン代表は、「創意資本事業に向けたインフラを構築し、国内企業を支援する事例をつくった。23日の創業2周年という節目に、国家IP競争力の一層の強化につながるビジネス産業を発展させていきたい」と述べた。

創意資本基盤造成事業=アイデア・特許権を確保し、補強とパッケージングを通じてIPポートフォリオを構築した後、特許を利用したい企業にライセンシングをして収益を得る事業。知識経済部が2015年まで5000億ウォンを投資する。

権トンジュン記者

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195