知的財産ニュース サムスン‐アップル、通信特許の審理が本番入り

2012年8月6日
出所: デジタルタイムズ

3659

来週から米国で本案訴訟が始まる
「陪審員制度、サムスンに不利」という懸念の声も

サムスンとアップルの特許訴訟が本格化しているなか、来週からは、サムスンの通信技術をアップルが侵害したかどうかが争点になりそうだ。しかし、サムスンの特許主張は、専門家ではなく一般人で構成された米国の陪審員制度下では「劣勢」を強いられるという声が浮上している。

7日の外国メディアの報道によると、早ければ来週から米国における特許本案訴訟で、サムスンの通信技術の特許侵害の有無が問われる予定だ。

序盤ではアップルのデザイン特許侵害の有無が集中的に問われていたが、来週からはサムスンが主張している特許技術特許侵害についての検討に入る。

サムスンが侵害事実を主張している通信技術特許は、制御情報信号の伝送時の誤謬を軽減させる符号化技術など、全て4件だ。その技術は標準特許であり、どのスマートフォンメーカーも採用している技術だ。

アップルは、通信技術の特許侵害事実を否定しているほか、該当の技術が「フランド(FRAND:企業の特許が技術標準になった際、他企業がロイヤルティを支払って使用できる規定)」条項により、排他的な使用権を主張できないと主張している。

問題は、米国の訴訟が一般人で構成された陪審員の判断によって決定されるということだ。現在、米国の本案訴訟に選ばれた陪審員は、男性7人と女性3人で、都市の勤労者、社会福祉者、エンジニア、ビデオゲーム開発者、無職など、様々な職業に属している。専門家の間では、通信技術特許侵害の場合、技術的な知識が必要であるため、一般人がそれを十分に理解できるか疑問視する声もある。

通信業界の関係者は、「米国の陪審員制度がアップルのデザインについては民主的な方法に成り得るかもしれないが、サムスンの通信特許のような技術的な紛争には不適切ではない可能性がある」と懸念を示した。

一方、サムスンとアップルは、6日の米国連邦裁判所で行なわれた審理において、デザイン特許の攻防を続けた。米国ペンシルベニア大学のPeter Bressler教授は、アップル側の証人として出席し、「サムスン電子の幾つかのスマートフォンとタブレットPC2台がアップルと酷似している。」と陳述した。一方、サムスン電子の最高戦略責任者(CSO) Justin Denisonは、「我々(サムスン)は、ただ市場で競争したかっただけだ。可能な限り、多くの消費者に最新の商品を提供しようとしただけだ」と主張した。

金ユジョン記者

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195