知的財産ニュース サムスン・アップルの世紀の特許訴訟…裁判所は結局

2012年7月24日
出所: デジタルタイムズ

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豪州裁判所は勧告を決定…ドイツではギャラクシータブ10.1Nの販売を認め

サムスン電子とアップルに対し、米国連邦裁判所での本案訴訟が始まる前に積極的な合意を求める声が高まっている。両社の特許訴訟合戦が不毛な消耗戦になっているという指摘によるものだ。

豪州のメルボルン連邦裁判所で24日に開かれたサムスンとアップルの特許侵害本案訴訟において裁判官は、両社が積極的な仲裁を行ない、合意案をまとめることを勧告決定した。

裁判官は、「両社の訴訟合戦は目に余るものがある」と述べ、このような勧告決定を言い渡した。

アップルは、サムスンがタブレットPCのデザインを模倣したとして訴訟を起こし、サムスンは、アップルが自社の3世代(3G)無線伝送技術の特許を侵害したとして反訴した。

裁判官は、裁判所に出席した両側の弁護士に「他の会社がこのような紛争を起こしていたら両側が合意するよう、直ちに仲裁命令が言い渡されただろう。」と指摘した。豪州裁判所が仲裁を通じた解決を勧告しただけに、両側は調整に入ると見られる。

豪州裁判所の仲裁勧告決定は、サムスンとアップルの間で繰り広げられている訴訟合戦が不毛な消耗戦になっていることを指摘したもので、30日の米連邦裁判所の本案訴訟が予定されている現時点で示唆するものが多いといえる。

現在、サムスンとアップルは、韓国をはじめ米国、ドイツ、イギリス、豪州、日本などの9ヵ国で特許訴訟合戦を繰り広げている。そのうち米国、豪州などの5ヵ国で本格的な本案訴訟が始まっている。しかし、どの国も一方的な勝利は認めていない。

イギリスなどのヨーロッパ主要国では、アップルのデザイン特許権を認めようとしない雰囲気があり、サムスン電子の通信特許に対してもFRAND(企業の特許が技術標準になった場合、他者がロイヤルティーを支払って利用する規定)条項を根拠に、サムスンの一方的な勝利を認めていない。

一方、ドイツの控訴裁判所は、24日のアップル対サムスンの特許訴訟で、アップルに敗訴命令を言い渡した。ドイツの控訴裁判所は、サムスン電子のギャラクシータブ10.1Nがアイパッドのデザインを侵害したとは言えないとして販売再開を認めた。

金ユジョン記者

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