知的財産ニュース 電気自動車の無限疾走、二次電池関連の特許出願が大幅増加

2012年4月19日
出所: 韓国特許庁HP

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最近、バッテリーの重量と瞬間パワーおよび持続時間などが大きく改善された大容量、高効率の電気技術などが開発されたことにより、ハイブリッド・電気自動車に活用される二次電池関連技術の特許出願が急増している。

韓国特許庁によれば、ハイブリッド自動車市場が米国を中心に新しく形成された2008年以降、二次電池関連の特許出願は総計3,278件で年平均21.9%と大幅に増加しており、国家別では韓国が2,533件(77%)と最も多い割合を占め、次に日本626件(19%)、米国56件(2%)、ヨーロッパ40件(1.2%)、中国18件(0.6%)、台湾5件(0.2%)の順である。

出願人別では、三星SDI(688件,21%)、LG化学(648件,19.8%)が最も多く、次にSBリモティブ(223件,6.8%)、パナソニック(114件,3.5%)、SANYO(83件,2.5%)、三星電子(62件,1.9%)、ソニー(58件,1.8%)、トヨタ(54件,1.6%)、SKイノベーション(39件,1.2%)などの順であることが分かった。

関連技術別では、ハイブリッド・電気自動車に適用されるリチウムイオン電池(LIB)/リチウムポリマー電池(LIPB)が各々1,367件(58%)、672件(29%)と継続して出願が増加しているのに対し、従来の車両用バッテリー市場の大部分を占めていたニッケル水素電池(Ni-MH)およびニッケルカドミウム電池(Ni-Cd)は、各々158件(7%)、138件(6%)と徐々に減少している。

このような二次電池に対する特許出願の急激な増加は、原油急騰と地球温暖化による環境規制の強化によって親環境自動車の開発が各国の緊急課題となっており、ハイブリッド・電気自動車に対する期待がそれだけ大きいことを意味している。

また、三星SDI、LG化学、SKエナジーなど国内二次電池メーカーは、国内・外の完成車メーカーと二次電池供給契約を締結するなど、相互に緊密な協力関係を構築して世界1位に向けた二次電池産業の競争力は一層強化されるものと期待される。

米国との自由貿易協定(FTA)が正式に発効され、電気自動車に対する需要が2015年に678万台、2020年には1,000万台の年平均30%と急激に増加すると予測(2)されており、国内の二次電池メーカーは生産・製造技術を超えて、相対的に経済力が脆弱な陰極材および電解液など核心素材に対する先制的な特許戦略が切実だ。

  1. 二次電池は、外部の電気エネルギーを化学エネルギーに変えて保存しておき、必要な時に電気を発生させる装置を言い、充電が可能なため充電式電池(Rechargeable battery)とも言う。種類としては鉛蓄電池、 ニッケルカドミウム電池(NiCd)、ニッケル水素電池(NiMH)、リチウムイオン電池(Li-ion)、リチウムイオンポリマー電池がある。
  2. 「電気自動車市場の現況および展望」(韓国輸出入銀行海外経済研究所産業投資調査室: 2011.12.5.)

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