知的財産ニュース サムスン、今月中旬頃にJMOL申請…証拠収集に時間がかかる

2012年9月3日
出所: 電子新聞

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サムスン電子がアップルと米国特許訴訟の陪審員評決に対する異議申し立てを早ければ今月中旬には申請すると予想されている。異議申立ての日程が予想より遅れているのは、異議申立ても膨大な資料と証拠を準備しなければならないためだ。

サムスン電子は、先月24日に陪審員の評決が出された後、評決に異議を申し立てる評決不服法律審理(JMOL)を申請するという立場を示した。しかし、評決が出されて10日近くが過ぎてもJMOLを申請していないことが確認された。

特許専門家は、サムスン電子が今月中旬にはJMOLを申請すると予測した。JMOLの申請のために資料の準備と他の証拠の収集に時間が要るためだ。JMOL申請が新しい裁判を準備するのとほぼ同じ水準の準備作業が必要だということが専門家の分析だ。

JMOLは、連邦巡回裁判所の控訴とも密接な関係があり、準備する事項が多い。

サムスン電子は、カリフォルニア地方裁判所の最終判決が出された後、連邦巡回裁判所に控訴する可能性が高いとみられている。連邦巡回裁判所は、控訴審でサムスン電子とアップルの特許侵害を再び裁判するのではなく、カリフォルニア地方裁判所の裁判過程や判決に問題がなかったのかを裁判する。サムスン電子としては、控訴審の際にアップルの侵害主張に対する新しい弁論や証拠を提示するのは不可能だ。

クオリア国際特許法律事務所のソ・ホソン弁理士は、「追加証拠の提出や新しい弁論主張のためには、カリフォルニア地方裁判所にJMOLを申請しなければならない。JMOL申請のための資料準備やその他の証拠収集に時間が必要なので、早くても今月中旬以降に行なわれるとみている。」とコメントした。

サムスン電子は、JMOLで今回の陪審評決の有効性を集中的に反論する見通しだ。

実際に、陪審員は、サムスン電子がアップルの特許を侵害していないと評決した製品に賠償額を記入するなどのミスを犯した。一部の外国メディアは、陪審員が700の争点を僅か22時間で処理するなど、「陪審員の手引書」をきちんと履行しなかったという疑惑を提起した。また、評決を主導した陪審員長がスマートフォンの特許を保有していたという主張も提起されるなど、陪審員の評決過程における多くのミスを指摘すると分析されている。

アジュヤンホンのイ・チャンフン米国弁護士は、「陪審員評決がなぜ間違っているのかの分析と証拠を徹底に収集してJMOLを申請することは、新しい裁判を準備するほど時間がかかる。問題となった評決の有効性などが活用できるだろう。」と説明した。

キム・インスン記者

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