知的財産ニュース 中小企業庁、初の「エンジェル投資会社」選定

2012年11月22日
出所: 電子新聞

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韓国政府が選定する「エンジェル投資会社」が来週に誕生する。この会社がスタートアップに投資すれば、政府が同じ金額をマッチング投資する。よみがえるエンジェル投資市場を活性化させる起爆剤として、大きな役割を果たすことが期待されている。

中小企業庁は、エンジェル投資会社5社を選定したと21日に発表した。来週までに最終確定して発表を行う。政府によるエンジェル投資会社の選定は、今回が初めてだ。今年のモデル運営を経て、来年に追加選定を行うかどうかを決める。

対象となる5社は具体的に、スタートアップアクセラレーター(Start Up Accelerator)2社と技術事業化会社3社だ。アクセラレーターは、米国シリコンバレー式でスタートアップ育成環境をサポートする。起業ブームとともに、スタートアップ育成機能を果たすアクセラレーターが多く出現しているなか、育成と投資を並行できるように支援する。Yコンビネータ・500スタートアップ・プラグ&プレイなど、シリコンバレー・アクセラレーター・ビジネス方式を採用する。

技術事業化会社は、特許などの知的財産(IP)の事業化を支援する企業だ。これは、サムスン電子とアップルによる特許係争の影響が反映されている。優秀アイデア・特許保有スタートアップに投資する。アイデアを国内外に特許出願するか、スタートアップ保有特許の事業化に貢献する。

エンジェル投資会社は、1社(被投資スタートアップ)当たり2000万ウォンから最大2億ウォンを投資する。この投資にエンジェル投資マッチファンドが同額を投資する。例えば、Aエンジェル投資会社が1億ウォンを投資すれば、政府ファンドも1億ウォンを投資する。結局、スタートアップは2億ウォンを受け取る構造だ。政府は、1社当たり最大10億ウォンをマッチング支援するという。A社が1億ウォンずつ投資すれば、10社のスタートアップが2億ウォンずつマッチング投資を受けることになる。

これに先立ち、韓国政府は、ファンド・オブ・ファンズを運営している「韓国ベンチャ投資」社を通じて430億ウォン規模のエンジェル投資マッチングファンドを発売した。中小企業庁ベンチャ投資課のイ・ビョングォン課長は、「エンジェル投資のブームを形成するために、エンジェルの対象に個人(エンジェル投資家)に追加し、スタートアップに投資する専門会社を対象とした。」と述べた。

エンジェル投資家が発売するエンジェルファンドの動向をみると、今月11月ベースで13に56億1000万ウォン規模だ。これは、ベンチャブームが真っただ中だった2000年以降の最高値だ。

キム・ジュンベ記者

来週に選定予定のエンジェル投資会社の概要(出処:中小企業庁・韓国ベンチャ投資)

区分

内容

選定対象企業

アクセラレーター2社、技術事業会社3社が予定

投資対象企業

予備起業家や起業初期段階の会社で企業価値50億ウォン以下

投資形態

独自の資金で新株(普通株及び優先株)に最小2000万ウォンを投資

投資義務の維持期間

1年(ただし、M&A時は除外)

マッチング投資比率

1対1が原則(最大1倍数以内)

マッチング投資限度

エンジェル投資会社1社当たり10億ウォン(投資1件当たり2億ウォン)

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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