知的財産ニュース メキシコの特許取得、3.5年から1ヵ月に短縮

2012年3月26日
出所: 韓国特許庁HP

3517

韓国特許庁とメキシコ特許庁が、来る7月1日から特許審査ハイウェイ(PPH:Patent Prosecution Highway)を施行することに合意した。今回の合意で、韓国とPPHを締結した国家は11ヵ国となった。メキシコとのPPH施行は、南米国家中では初。PPHは、協定を締結した相手の国家で特許決定がされれば、早期に審査を受けられるように優先審査選択権を与える制度だ。一種の両国間「特許高速道路」を置くことに例えることができる。

韓国特許庁は「李・スウォン特許庁長とロドリゴ・ロケ(Rodrigo Roque)メキシコ特許庁長が去る23日(現地時刻)、メキシコシティ,メキシコ特許庁で特許庁長会談を行ない、韓-メキシコ特許審査ハイウェイ施行に合意する一方、『韓-メキシコ間知識財産権協力に関する包括的了解覚書』に署名した」と26日明らかにした。

メキシコは、韓国が11番目に特許出願を多く行なっている国家だ。今年は両国修交50周年になる年であるため、今回のPPH施行で経済、文化交流の拡大に続き、知的財産権分野においても緊密な協力が期待される。

国内で特許決定を受け、PPHを利用して海外で出願する場合、通常20ヵ月以上かかる特許審査期間が、数ヵ月以内に短縮される。また、PPH特許出願の場合、相手国の特許決定を活用するため、一般出願に比べ登録率が高いことも特長的だ。

今回のメキシコとのPPH施行で、韓国の出願人がPPHを利用してメキシコに出願する場合、特許の獲得期間が3年以上(平均3.5年→1ヶ月)に短縮される。また、韓国はカナダ-米国-メキシコに連結するアメリカ地域の主軸国家とPPHを施行することで、グローバルビジネスを広げる韓国企業の特許戦略樹立に資すると見られる。 韓国は、米国とは2008年から、カナダとは2009年からPPHを施行している。

今回の会談で両国の特許庁は、知的財産権制度および動向に対する情報交換と知的財産権セミナーの共同開催を通じて、中小企業と一般市民の知的財産権に対する認識を向上することにした。

また、韓国特許庁がAPECの協力事業として推進中の知的財産を活用した開発援助方案に対して議論し、今後APECレベルの多様な議題と協力事業に対して両庁が共助できる方案を模索することにした。

この他、両国の特許審査制度および審査実務に対する理解を高めるための共同先行技術調査プログラムを推進することにした。知的財産権行政の発展のために、情報化分野の協力事業を発掘・推進するための実務レベルの議論を行うことにも合意した。

李・スウォン特許庁長は「有望な新興輸出市場で、中南米進出の足がかりの役割をするメキシコと特許審査ハイウェイに合意し、韓国企業が短期間に迅速に知的財産権を確保することに対し、実質的なサポートをすることができるようになった」と話した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195