知的財産ニュース 陪審員「サムスンがアップルのデザインを侵害、10億ドル賠償すべき」
2012年8月25日
出所: デジタルタイムズ
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アップル、米国で圧勝
サムスンの通信特許は認められず
サムスンとアップルの特許訴訟でアップルがホームの米国で圧勝した。米国の陪審員は、デザイン特許侵害など、アップルが求めた大半の内容を認めたのに対し、サムスンが求めた特許通信は退けた。陪審団は、サムスンが10億5185万ドル、ウォンで1兆200億ウォンにのぼる巨額の賠償金をアップルに支払うことを命じた。
米国時間の24日、米カリフォルニア州北部地方裁判所で9人の陪審員は、全会一致で決定された評決をコウ・ルーシー裁判官に渡した。コウ裁判官は、両側の弁護人が出席しているなか、それを発表した。陪審員は、まず、サムスンがアップルのバウンス・バック特許を、一部の商品においてスクロール、マルチタッチ・ズーム、ナビゲートの特許を侵害したと判断した。バウンス・バックは、画面端部までスクロールさせた際、少し画面をスクロールアップする機能であり、スクロールは、指で写真を速いスピードでめくる機能だ。そして、マルチタッチ・ズームは、2本の指で画面を拡大・縮小する機能を意味する。それに加えて、サムスンのスマートフォンとタブレットPCの一部商品について黒色の表面と表面のベゼル、アイコンなどのデザイン特許3件も侵害したと述べた。ただ、「ギャラクシーTab10.1」は、「アイパッド」のデザインを侵害していないと判断した。陪審員は、「サムスンが少なくとも5件の特許を意図的に侵害した」と指摘した。
陪審員は、このような特許侵害により、サムスンがアップルに10億5185万ドルの賠償金を支払うべきであるとした。一方、陪審員は、サムスンが主張した移動通信標準関連の特許とモバイル機能関連の特許を、アップルは侵害していないと判断した。そのため、アップルがサムスンに賠償する必要もないと述べた。米国裁判部は、こうした陪審員評決を受け、1ヵ月内に公式の判決を言い渡すとみられる。米国の陪審制度では、裁判部が陪審員評決を覆すことは得難いという。
この日、陪審員の評決は、韓国裁判所が前日、サムスンの特許技術侵害を一部認め、アップルが求めたデザイン特許を全て退けた内容とは正反対のものとなっている。結局、サムスンとアップルのホームである韓国と米国で行なわれた特許訴訟は、各国の裁判所が自国企業に軍配を上げた形となった。
今後、韓国と米国での特許訴訟の結果が現在、イギリスや日本、ドイツなど、9ヵ国・地域で同時進行している特許訴訟にどのような影響を与えるかに注目が集められるだろう。
金ユジョン記者
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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