知的財産ニュース 違法ソフトの取締りウイルスソフト会社が違法コピー「衝撃」

2012年9月4日
出所: デジタルタイムズ

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ALYac(アルヤク)で有名なイーストソフト(EST soft)
MSウィンドウズサーバーを違法コピーして使用したことが摘発され
和解金10億支払い…ソフトウェア著作権協議会の理事社活動など裏腹な態度「非難」

ソフトウェアの違法コピー防止活動を行なってきた国のウイルス対策ソフトウェア会社が他社のソフトを違法コピーして使用してことが摘発され、巨額の和解金を支払ったということで衝撃を与えている。

3日、検察と協会によると、イーストソフト(代表キム・ジャンジュン)が昨年、韓国マイクロソフト(代表キム・ジェイムス)のソフトを違法コピーして使用していたことが文化体育観光部の特別司法警察(特司警)に摘発された。

イーストソフトが使用していた韓国MSの違法コピーソフトは、ウィンドウズサーバーやSQLサーバーなど、サーバー製品であり、特司警が摘発した侵害金額だけで約12億に達するという。この事件は、ソウル中央地方検察に移牒し、両側の合意によってイーストソフトが韓国MSに約10億ウォンを支払うことでまとまった。

今回の事件でソフトウェア企業がソフトウェア企業の製品を違法コピーし、当企業のモラルに致命的な悪影響を及ぼしたということが業界の分析だ。イーストソフトは、韓国ソフトウェア著作権協会の「理事社」として活動し、違法ソフトの根絶キャンペーンなどに積極的だったため、さらに大きな衝撃となっている。ソフトウェア著作権保護活動を行う協会の理事として表では著作権保護を唱え、裏では違法コピーソフトを使用する偽善的な態度を取っていた。

イーストソフトは、ウイルス対策ソフト「ALYac(アルヤク)」などの多数のセキュリティソリューションを保有しており、企業向けALYacソフトを違法コピーして使用している企業の取締りで少なからぬ収入を得ていた。また、普段から他社が自社のソフトを違法コピーしているとして文化体育観光部の著作権取締まりチームにソフトウェアの取締りの拡大を要請していたと特司警は説明した。

これに対し、イーストソフトの関係者は、「韓国MSのライセンス方式に沿って、システム増加関連のサーバーライセンスを毎年正式に購入してきた。MSライセンス購入コンサルタントを担当していた会社のライセンス体系の理解不足により、一部問題が発生したが、その後、韓国MSとの協議を通じて必要な数量を購入し、この問題は解決済みだ」と解明した。

これと関連して高麗大学サイバー国防学科のキム・スンジュ教授は、「違法コピーしたソフトウェアを使えば、その時はコストが削減できて楽なのかもしれないが、セキュリティパッチやアップデートがされず、危険なハッキングにやられる可能性があるため、より問題となっている。経済的な面とセキュリティをともに考慮しても違法コピーの使用は根絶されるべきだ。」とコメントした。

一方、韓国ソフトウェア著作権協会によると、昨年、こうした違法ソフトが摘発されたのは1093件であり、侵害金額は354億ウォンに達するほど、ソフトウォアの違法コピー問題は、劣悪な国内ソフトウェア環境をさらに悪化する要因になっている。

シン・ドンギュン記者

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