知的財産ニュース 三星-アップル訴訟戦「膠着状態」続く

2012年3月4日
出所: デジタルタイムズ

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三星電子とアップルが係争中のグローバル訴訟戦が引き分けとなり、「膠着状態」に陥った。両社とも実質的な所得を上げることができないまま、既に投入された莫大な費用により、たやすく抜け出すことのできない長期戦が続く模様だ。

4日業界によれば、ドイツ,マンハイム裁判所で三星電子とアップルがお互いを相手に提起した特許侵害本案訴訟が全て棄却された。

三星電子とアップルは、全て最強の武器として主張してきた核心特許が無力化され困惑している。三星電子はドイツの裁判所に提起した3件のうち最後の「無線インターネットでデータを送信する際にミスを減らす技術」が、アップルはモトローラを相手に勝訴した「スライド式ロック解除」技術が、去る2日同時に棄却された。

勝利を確信していた2つの技術が全て棄却され、両社は訴訟戦略を改めなければならなくなった。世界の裁判所が、市場で莫大な規模を占めている両社のうち、どちらか一方の肩を持つことが負担になっているということが再確認されたためだ。

このような結果によって、両社は実質的な勝訴のための戦略よりは、特許権の主張を拡大してクロスライセンス交渉で有利な立場を確保するための長期戦に突入するだろうという予測が提起されている。

世界全体で10ヵ国、30件余りに拡大して莫大な費用を既に投じた点も両社が訴訟戦から簡単に抜け出すのが難しい理由だ。特許権を最も包括的に認めると言われているドイツの裁判所でのこのような棄却判決は、他の国の判決にも影響を及ぼすと思われる。

従って、両社の特許訴訟戦は、世界的にもどちらか一方の一方的な勝利なく膠着状態が続くだろうという観測だ。アップルは、ドイツだけで三星電子を相手に5件の追加訴訟を提起したのを含み、ドイツだけで約10件程度の訴訟が残っている。両社の主要関係者も「訴訟戦が簡単に終わることはない」と述べた。

チキンゲームの方向に向かっている両社の訴訟戦は、友好的でない世論の中でも暫く攻防を続けると見られる。

パク・チソン記者

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