知的財産ニュース サムスン電子、米国の企業向けスマートフォン市場でアップルを狙う

2012年9月17日
出所: 電子新聞

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サムスン電子が米国の個人向けスマートフォン市場でアップルとブラックベリーが2分している企業向け市場にも参入する。米国では、アップルとの特許訴訟で不利な判決を渡されているが、攻撃的な領域の拡大で対抗していくという戦略だ。

サムスン電子は、今月初めに米国の通信キャリ「アベライゾン・ワイヤレス」と「Tモバイル」を通じてモバイルオフィス専用の「SAFE(Samsung Approved for Enterprise)」機能を搭載したスマートフォン2種を発売したと17日に発表した。

SAFEは、サムスン電子が6月に米国の企業向けスマート市場を狙って初めて発売したモバイルオフィス端末セキュリティ認証規格だ。

SAFEは、企業内で個人スマートフォンの使用を許容するBYOD(Bring-Your-Own-Device)政策が拡大されている最近の動きに合わせて開発された。モバイルデバイス管理(MDM)、仮想的なプライベートネットワーク接続(VPN)、AES-256暗号化、Microsoft Exchange ActiveSyncなど、331のモバイルオフィス管理・セキュリティ機能を支援する。

サムスン電子は、昨年7月に米国5大通信キャリアを通じて、「ギャラクシーS3」を発売し、それに合わせて初めてSAFEを適用した。今月にはベライゾン向けの「ギャラクシー・Stella」、Tモバイル向け「ギャラクシーSリレー4G」に続き、SAFE機能適用の機種を増やした。サムスン電子は、今後、米国で発売されるスマートフォン主力機種にSAFEを採択する方針だ。

SAFE適用端末の米国での発売拡大は、アップルを真正面から狙い撃つ戦略だ。これまで、米国の企業向けスマートフォン市場は、アップルとブラックベリーが2分していた。

ブラックベリーが企業向け電子メールサーバー機能で初期市場を先占し、アップルが広範囲なユーザー基盤を武器に市場でのシェアを拡大してきた。米国のモバイルオフィス市場において2社のスマートフォンプラットフォームが占める割合は、2010年の一時は9割に迫っていた。

現在は状況が変わった。モバイルオフィス導入がブームとなった2009年~2010年から2年が過ぎ、端末機の買い替え周期が到来したのだ。アップルに主導権を奪われたアンドロイド陣営もサムスン電子を筆頭に米国での市場シェアを拡大している。市場調査機関のIDCは、来年、アンドロイドが世界企業向けのスマートフォンOS市場で1位になると予想した。

これに合わせてサムスン電子は、アップルやブラックベリーなど、従来のスマートフォン代替需要にマーケティングを集中させる計画だ。サムスン電子は、「SAFE2スイッチ」プログラムの稼働を最近始めた。競合会社のスマートフォンやサムスンの旧型機種をサムスンSAFEスマートフォンに買い替えると、最大300ドルを補償する制度だ。

SAFE支援機種の発売を拡大する同時に、他の端末機を使用しているユーザーを取り込む策を行ない、短期間で企業向けスマートフォン市場のシェアを拡大していく計画だ。

サムスン電子は、既に個人向けスマートフォン市場に続き、企業向け市場が次のターゲットだと公式に発表した。米国サムスンモバイルの副社長は、6月にSAFEを紹介し、「ここ1年でサムスン電子は、携帯電話、スマートフォン市場で競合他社を追い抜き、世界1位となった。これからは、企業向け市場に注目していきたい。」と述べ、モバイルオフィス市場への強い意志を示した。

IDCによると、米国を含めた北米地域の企業向けスマートフォン市場の規模は、昨年の3808万台から増加基調を続け、2016年には1億台を突破すると予想されている。

イ・ホジュン記者

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