知的財産ニュース K-POPブームで「レコードや芸能業」商標出願が増加

2012年11月28日
出所: 韓国特許庁

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前年同期比 2010年48%、2011年45%と急増

韓国のドラマやK-POPの世界的人気に支えられ、レコードや音楽講演業、映画制作業、テレビジョン番組制作業などの芸能業関連商標の出願も相次いでいる。

韓国特許庁によると、2005年から2009年までレコードや芸能業関連の内国人による出願は、年平均2400件で大幅な変動はなかったのが、2010年3328件、2011年4825件と大幅に増加した。今年10月末現在も4185件が出願され、昨年の同月比358件も増えており、この水準だと12月末まで約5300件の出願が予想されるという。

また、韓国の芸能プロダクションの場合、レコードや芸能業にとどまらず、化粧品、衣類、アクセサリー、文房具、食品など様々な分野に出願している。これは、現在のドラマ、映画、K-POPから始まった韓流ブームが韓国商品への購入に結び付かれているのが背景にあるという意見だ。

特に、多くのK-POPスターが所属しているSMエンターテインメント、JPYエンターテインメント、YGエンターテインメントの場合、少女時代、SUPER JUNIOR、WONDER GIRLS、2PM、BIGBANG、2NE1などのグループ名が商標出願の相当部分を占めている。グループ名を「ブランド化」して商品の価値を高め、他人から商標権を保護するための方策だと分析されている。

最近、世界的な人気を呼んでいる歌手PSYのようにK-POPは、YouTube、Facebook、Twitterなどのインターネットやモバイルを通じて世界に同時多発に広がっているため、韓国の枠を超え、海外進出を考慮した国際商標出願の必要性が高まっている。

しかし、一度の出願で諸国に出願した効果が得られる「マドリッド国際出願システム」を利用した商標出願は僅か2件と非常に低い水準だ。JYPエンターテインメントが2008年に歌手「ピー(Rain)」関連の商標を米国、イギリス、中国、日本、オーストラリア、シンガポールに出願し、最近では、YGエンターテインメントが「2NE1」という商標を欧州、日本、オーストラリア、シンガポール、ベトナムに出願し、現在審査中にある。

韓国特許庁の関係者は、「海外で効果的に商標権を取得、保護するためには、出願の手続きが簡単でコスト削減が可能な「マドリッド国際出願システム」を積極的に活用する必要がある。」とコメントした。

「マドリッド国際出願システム」の情報は、韓国特許庁のホームページ(http://www.kipo.go.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)と顧客相談センター(1544-8080)で提供している。

参考

1. レコードや芸能業関連の韓国商標出願の現状

年度別における国内出願の現状(単位:件)

※2005年~2009年までの累積件数:12134件
※2005年~2009年の平均:2427件

前年同期比出願増加の現状

期間

2011年1月~10月

2012年1月~10月

前年比

増加件数

増加率

件数

3827

4185

358

9.35%

2.韓国の芸能プロダクションによる国内商標出願の現状

分野別の出願現状

分類

関連分野

件数

3

化粧品

88

9

レコード・映像・電機通信

339

14

貴金属・アクセサリー

92

16

文房具

138

18

カバンなどの革製品

135

21

家庭・生活用品

84

25

衣類・靴など

161

28

娯楽機器・体育用品

120

30

食品

99

32

飲料

94

35

卸・小売業

84

41

芸能業

200

その他

※1類当たり80件以下

369

合計

2003

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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