知的財産ニュース LCD用反射型偏光フィルム、国産化活発

2012年4月17日
出所: 韓国特許庁HP

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韓国特許庁は、LCD(液晶ディスプレイ: Liquid Crystal Display)用反射型偏光フィルム(Reflective Polarizer)と関連した技術の特許出願が増加傾向にあると明らかにした。

反射型偏光フィルムは、あらゆる方向に振動しながら入射する自然光のうち、片側方向に振動する光のみ透過させて、他の方向に振動する光は反射する光学フィルムである。モバイル機器の増加と家電製品の低消費電力化に伴う低電力LCDの核心部品として、LCDの低い光効率を解決して輝度1)を高めるのに必須だ。

これまでLCD光学フィルム市場では、米国の3M社が特許権を保有しているDBEF(二重輝度向上フィルム, Dual Brightness Enhancement Film)が反射型偏光フィルムとして殆ど唯一の選択肢だった。しかし、最近は国内企業を中心に輝度向上性能および価格面で競争できる代替製品の開発がなされている。

反射型偏光フィルムの特許出願現況を見ると、1994年から2003年まで18件に過ぎなかった出願件数が2004年から増加して2011年までで総計232件が出願され、そのうち半数に近い160件が去る5年間に出願され顕著な増加傾向を見せている。これを出願人別で見ると、国内出願人の出願件数が2011年まで総計188件と全体の出願件数の80%を占めており、国内部品メーカーの反射型偏光フィルム分野の技術開発が活発であることが分かる。

反射型偏光フィルムの技術別出願現況では、「多層型」のDBEFの特許を回避することができる「ナノワイヤグリッド型」が121件(52%)で、「コレステリック液晶型」が42件(18%0、「複屈折ポリマー分散型」が35件(15%)、「多層型またはその他の構成」が34件(14%)を占めている。

特許庁の担当審査官は「これまでLCD用反射型偏光フィルム市場は高価なDBEFが支配していたが、国内企業の着実な技術開発で代替フィルムが商用化段階にあり、反射型偏光フィルム市場で国内部品素材企業の躍進が期待される」と述べた。


注記

1) 光源の単位面積当たりの明るさの程度

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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