知的財産ニュース 知的財産(IP)リーダーズフォーラム発足「特許が未来だ」

2012年8月27日
出所: 電子新聞

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サムスンとアップル間の特許訴訟合戦で浮き彫りになった特許産業競争力の脆弱さに対処するため、特許専門家フォーラムが発足した。電子新聞と知識財産サービス協会は、27日、ソウルの韓国技術センターにて「IPリーダーズフォーラム」を正式に発足した。 知識財産サービス協会のペク・マンギ会長が初代会長に任命された。

発足会では、知的財産(IP)専門会社と企業の特許担当者約20人が参加した。昨年準備会を開いたフォーラムを拡大・発展させ、今回に「IPリーダーズフォーラム」として公式化した。フォーラムは、今後、特許産業の活路を模索し、国内外のIP業界の交流とネットワーク構築に乗り出す。

そのため、加盟対象もIP専門会社から政府、学界はもちろん、大企業と中堅・中小企業の特許専門家まで幅広く加盟促進を図る。ぺク会長は、「知的財産分野を活性化させ、競争力を高められる様々な事業を実施し、IP産業の成長に貢献していきたい」と述べた。

フォーラムは、まず、IP産業動向の分析、新規ビジネスの発掘を通じて民間・公共機関・学界の連結に取り組む。これまで分析・検索・翻訳などに限定されていたIP産業の裾野を広げ、全ての産業分野を知的財産の立場から判断する見方を提示する。さらに、企業がグローバル特許に対する対応戦略を確立できるよう、IP産業のトレンドを共有する場も設ける。

定期的な会議などを通じて、韓国のIP市場と産業の相互発展を模索し、ネットワークの拡大に向けた諮問を行う。加盟者間の情報交流を強化し、産業界の声が政策に反映できるよう、IP産業全体の発展策も提示する。

フォーラムは、IP競争力強化に向けた専門化育成事業も推進する。アップルとサムスンの特許紛争で表面化した韓国のIP管理能力の不足は、結局、競争力のある専門人材が不十分が背景にあるということがフォーラムの見方だ。フォーラムは次世代IP専門家を育成するため、セミナーなどの教育プログラムを運営する計画だ。

国内に止まらず、海外IPトレンドにも積極的に対応する。加盟者が持っている米国・日本・中国などの国際ネットワークを活用して動向を把握し、グローバルネットワークの強い学界とも協力していく予定だ。ぺク会長は、「韓国は、単純産業経済から知識基盤産業に発展していく。官民が一丸となって未来の知的財産の舵をとり、大切なアドバイザーとしての役割を果たしていきたい。」と述べた。

クォン・ドンジュン記者

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