知的財産ニュース サムスン、アップルに押されても突破口はある?

2012年8月30日
出所: 電子新聞

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アップルに完敗したことでサムスン電子は、特許の迂回戦略を明らかにした。

短期的にはソフトウェアのアップデートを通じ、アップルのソフトウェア特許を回避する一方、長期的には「アンドロイド対抗馬」を育成する方針だ。年末に基本OS「バダ」に続き「Tizen」を導入する。ウィンドウズ8を適用した新製品も発売する。

29日の外国メディアによると、サムスン電子は、販売差し止めの可能性がある8機種のスマートフォンについて、米国の通信キャリアと協力し、迂回策を講じていると報じた。

サムスン電子は、グーグルとともにマルチタッチスクロール、バウンスバック、タップツーズームの3つのユーザー・インタフェース(UI)特許を迂回する案を設け、通信キャリアを通じてアップデートすると見られる。デザイン特許を侵害したと認められたモデルは、したがたないが、UI特許侵害モデルは、ソフトウェアのアップデートで回避できる。販売差し止めが確定した際に備えた事前準備だ。バウンスバック技術には対処済みだ。

サムスン電子の関係者は、「ソフトウェアのアップデートで特許を迂回する方策は、他の判決でも出たカードであるため、考慮しているのは確か」だとコメントした。

アップルは、27日、裁判所に「ギャラクシーS4G」、「ギャラクシーS2(AT&T)」、「ギャラクシーS2(スカイ・ロケット)」、「ギャラクシーS2(T-モバイル)」、「ギャラクシーS(ショーケース)」、「ドロイド・チャージ」、「ギャラクシープリベール」8機種について、米国内の永久販売差し止めを申請した。

サムスン電子は、中長期的にOSの選択幅も大幅に広げる。アンドロイドに依存しすぎているリスクを分散する狙いだ。独自のOS「バダ」に加え、ウィンドウズフォンとTizenを採択したスマートフォン新製品を相次いで発売する計画だ。

31日にドイツのベルリンで開かれる家電展示会(IFA)で、ウィンドウズフォン8のOSを採用したスマートフォンとスマートパッド「アティブ(ATIV)」を披露する。サムスン電子は、ウィンドウズフォンに「オムニア」の代わりに「アティブ」という新しいブランドまで構成し、マルチOSラインアップを強化させた。

TizenのOSを採用したスマートフォンも年末に発売する。Tizen基盤の携帯は、ネイティブアプリ方式を採用したスマートフォンとは違って、HTML5基盤だ。普及型ラインアップとして発売されたバダフォンとは違い、プレミアム級の仕様を備えたという。

アトラスコンサルタントのチャン・ジュンヒョク副社長は、「サムスン電子がマルチOS戦略を取っても、自ら「脱・アンドロイド」できる状況ではない。ウィンドウズフォンとTizenが画期的なイノベーションを創出し、消費者が選択するようにならないと、アンドロイドの依存度は低減できない。」と説明した。

キム・インスン記者

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