知的財産ニュース アップルのタブレットPC向けLCD、サムスンの供給量76%減少

2012年9月21日
出所: デジタルタイムズ

3774

アップルのタブレットPC向けLCD(液晶ディスプレイ)パネルにおけるサムスンの割合が最近、大幅削減されたことが明らかになった。これは、スマートフォンをめぐる訴訟をきっかけにアップルがサムスン部品の依存度を減らしている、という観測と相まって注目されている。

市場調査機関ディスプレイサーチの21日の発表によると、アップルのタブレットPC「アイパッド2」と「新しいアイパッド」に採用された9.7インチのLCDパネルの先月の出荷量は、526万1000台と集計された。9.7インチのLCDを採用するタブレットPCは、アイパッドが唯一だ。

このうち、サムスンディスプレイは、68万3000万台と13%を占めていた。5月に最大288万4000台(41.3%)まで増えたことに比べると、3ヵ月で供給量が76%も急減したのだ。一方、LGディスプレイの出荷量は、同期間に255万4000台(36.6%)から382万8000台(72.8%)と50%増加した。アップルが供給先をLGに転換しているものだと分析できる。

サムスンは、タブレットPC市場首位のアップルへの供給量が減少し、タブレットPC向けLCDパネル(7インチ以上)市場で大きくシェアを落とした。4月に41.2%(311万6000台)まで上がっていたシェア率は、前月の半分水準である20.4%(297万5000台)にまで落ち込んだ。一方、サムスンと首位争いをしているLGは、同期間のシェアが23.0%(173万6000台)から36.4%(531万5000台)に上昇した。

業界では、米国の特許訴訟結果を前後に浮上し始めたサムスン部品の縮小説と関係があるとみている。アップルは、先週から発売した「アイフォン5」の初期物量にモバイルD-RAMやNAND型フラッシュなど、サムスン電子の部品の割合を減らしているものだと知られていた。

しかし、サムスンだけでなく、日本のシャープや台湾のチメイもタブレットPC向けLCDの供給量が減少した代わりに台湾のハンスターと中国のティアンマが新たな供給メーカーとして登場し、アップルが部品取引先の多角化を図っているという見方も出ている。

イ・ホンソク記者

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195