知的財産ニュース キャンプの品格、知的財産で高める

2012年9月12日
出所: 韓国特許庁

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機能性のテントから移動型住宅まで、キャンプ関連の知的財産の出願が急増
テントのデザイン、オートキャンプが増加し、リビングスペースを含めたリビングシェル(Living Shell)型デザインが人気

キャンプ人口120万人となった今、キャンプを楽しむためには野外で寝る不便さを我慢しなくてもいい。キャンプの寝室が進化している。

キャンプ関連特許出願:53件(2007年)→104件(2011年)、2倍増加

韓国特許庁によると、キャンプにおける衣食住のうち、「住」関連の用品の特許出願件数は、2007年には53件だったのが2008年54件、2009年64件、2010年65件、2011年104件と毎年増加しているという。

特に、2009年1000億ウォン規模で始まったキャンプ市場が2011年には3000億ウォン規模に急成長し、2011年の特許出願件数も前年比1.6倍に増加した。今年は、キャンプ市場の規模が4000億ウォンに達すると見られており、2012年上半期の出願件数は、既に5年前(07年)の年間出願件数水準の45件だ。

キャンプでの代表的な寝室、テント関連の発明を見ると、床からの湿気問題を解決するためにテントを空中に浮かばせた「フローティングテント」からテントを投げるだけで設置される「ポップアップテント」、スプリングを用いて傘のように自動的に設置される「ワンタッチテント」まで、多様な機能性テントが出願され、簡単で便利に寝所を確保可能になっている。

図:フローティングテント、ポップアップテント、ワンタッチテント

最近では、車を利用した「オートキャンプ」が人気を得ており、車両のループに取り付ける「車両ループ取り付け型テント」、キャンプカー(caravan)の機能を改善した「側面パネルが拡張できるキャンプカー」のように車を利用したキャンプ用品が多くなっている。また、小型の貨物車に載せて運ぶ「スペースを拡張できる移動住宅」を利用すれば、宿泊施設にも負けない安楽なキャンプが楽しめる。

図:車両ループ取り付け型テント、側面パネルが拡張できるキャンプカー、スペースを拡張できる移動住宅

テント関連デザイン出願:12件(07年)→54件(11年)、4倍増加

また、テント関連のデザイン出願も増加している。1972年1件を皮切りに1975件3件、1979年19件、2007年12件、2008年13件、2009年35件、2010年40件、2011年54件、2012年7月末現在42件が出願された。

テントがレジャー用として本格的に使用され始めた1970年代に比べ、最近では、キャンプ人口の増加につれ、テント関連デザイン出願も急上昇している(テントデザイン出願動向を参照)。

また、最近、車両を利用し、家族単位でキャンプに行くオートキャンプが増加し、単純なドーム(DOME)型テントより「大型化」したリビングシェル(LIVING SHELL)形態のテントが人気を得ている。

空間が二分化されているテントからリビングとキッチンなど、空間が分離された大型テントまで様々な商品が発売されている。登録されたテントデザインは、空間の実用性を最大化し、安楽で安定的なテントの機能を生かしたテントが主流となっている。

韓国特許庁によると、これからのテントデザインのトレンドは、用途を最大化する一方、その機能性を高めていく素材だという。移動性を高めるための軽い素材、自然のなかでも住居空間としての安定感と安楽さが感じられるデザイン、それこそ最先端技術と移動型住居スペースが融合されたテントに発展していくという。

このように急上昇しているキャンプの人気にクリエイティブな発明アイデアが加わり、キャンプの風景も多様化しており、今後、さらに快適にキャンプを楽しめられると期待されている。

韓国特許庁建設技術審査課のイ・ギワン課長は、「余暇の時間にキャンプを楽しむキャンプ人口が増加しており、キャンプ関連の特許出願も増加するとみている。これまで不便だった野外での睡眠も品格が違う快適なキャンプに変わろうとしている。」と説明した。

また、韓国特許庁デザイン1審査課のチュ・ジョンギュ課長は、「これからのテントデザインのトレンドは、用途を最大化し、その機能性を高めていく素材分野になるだろう。移動性を高めるための軽量素材、自然の中での住居スペースとして安定と快適さを考慮したデザイン、最先端技術と移動型住居スペースが融合されたテントに発展していくとみられる。」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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