知的財産ニュース 著作権法の改正の主な内容

2012年7月5日
出所: デジタルタイムズ

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電子教科書の伝送を許容…スマート教育が現実に

著作権法改正案の主な内容

電子(デジタル)教科書の転送を許容

教科用図書と免責利用範囲を「掲載」から「利用」に拡大

免責対象となる教科用図書の範囲は施行令において規定

試験問題の公衆送信を許容

試験問題の免責利用の範囲を「複製、配布」から「複製、配布、公衆送信」に拡大

信託範囲の選択制導入

著作権信託管理業者は、権利者から要請された場合、著作物等の利用と関する権利の一部を除いては信託を受けられるように規定

信託管理業者が権利者の意思に反して包括信託する場合には課金を科するよう規定

職権調整制度の新設

韓国著作権委員会の調整部は、調整価額1000万ウォン未満、一方の当事者が調整案を理由なしに拒否した場合、職権に代わって決定を下すことができるよう規定

捜査(一般著作物)・
鑑定(プログラム著作物)の際の
制限規制を明確化

捜査のための「複製」を一般著作物の免責行為に包含

「鑑定のための複製」をプログラム著作物の著作権免責行為に包含

公演権の制限規制を整備

映像著作物に関する公演権制限範囲を「反対給付されない場合」から「非営利の目的、反対給付されない場合」に調整

許容範囲は施行令で決める

スマート時代を迎え、著作権環境も急激に変化しています。新しい技術やサービスの登場に伴い、著作権利用環境も大きな変化が起きており、ただ保護すべき対象であった著作権も一つの産業として位置付けられつつあります。一方で、関連の法・制度はまだ現実を十分に反映していないという声もありますが、それが産業全般において著作権がらみの紛争が増加している理由にもなっています。

電子教科書の伝送を許容…想像していた教室の風景が現実に

幸いなことに政府もその問題を認識し、著作権法の整備に乗り出しました。文化体育観光部は、新らに著作権法の改正案立法を予告しました。8月6日まで各界の意見を収集し、改正案を最終確定して9月の国務会議を経てから10月に国会提出する予定です。今月の12日にはそのための公聴会が開かれます。

今回の改正案の大きな特徴は、スマート教育の活性化に向けて学校などにおいて著作物を利用する際のハードルを低くして、より手軽に利用できる著作権環境が整ったことです。

まず、電子教科書のオンライン伝送が可能になります。現著作権法は、教科用図書の場合、「公表された著作物を掲載することができる」としか規定してないため、電子教科書のオンライン伝送などには制約となっていました。文化部は、関連規制を見直し、様々な形態の教科書に様々な著作物を掲載できるようにする計画です。

試験問題のオンライン上の伝送や放送も可能になります。現著作権法では、試験問題に著作物を複製・配布することは、権利者の許諾なしでも可能ですが、それをオンラインで伝送・放送することはできませんでした。しかし、法律が改正されれば、オンライン評価などのために著作物を利用する場合にも、権利者の許諾なしに使用できるようになります。想像していたスマート教室が現実になるわけです。

著作権分離信託導入、紛争体制整備も

著作権信託制度も見直されます。新しい著作権法の改正案には、著作権者が自分の著作物に対する権利を部分的に信託できる「信託範囲の選択制」の導入も盛り込まれています。著作権は一つの権利のように見えますが、実は、複製権、配布権、転送権などの様々な権利がからんでいる権利の束だと言えます。著作権を権利別に信託できるようにすることで、著作権信託の過程で著作権信託管理業者と著作権者間の契約の耐用性を確保するというのが文化部の狙いです。

今回の法改正で信託範囲選択制が導入されれば、著作権の権利関係がより明確になり、著作権者の創作活性化にもつながると期待しています。しかし、一部の著作権信託団体は、信託範囲選択制が現行の著作権市場を一層混乱にさせかねないと主張し、導入に強く反対しています。文化部は、昨年にも同制度の導入を推進しましたが、著作権信託団体の反発で白紙になりました。

今回の改正案には、急増している著作権紛争を効果的に解決できる紛争体制の整備も盛り込まれています。それは、著作権職権調整制度の導入です。現行の著作権法にも紛争解決案としての調整制度がありますが、強制力がないため実効性に限界があるとの指摘がありました。著作権法が開催されれば、調整の当事者が合理的な理由なしに調整を拒否する場合や調整目的の価額が1000万ウォン以下の場合などは、職権調整が可能になります。実行されれば、著作権関連の訴訟濫用などによる副作用を減らせるうえ、調整の実効性も高まると文化部は期待しています。

韓ミンオク記者

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