知的財産ニュース アップル「ポスト・特許戦争」は生体認識で行う

2012年10月3日
出所: 電子新聞

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最近、指紋認識ソリューション会社を買収し、次世代技術の確保に本腰を入れているアップルが実は、2年前から内蔵型認証システムの特許を多く出願していたことが明らかになった。次世代のスマート機端末には、セキュリティのために生体認識ソリューションが基本登載させることが予想されているなか、アップルのこうした動きは、競合会社の技術開発を始めから封鎖する目的があると分析されている。特に、アップルと未曾有の特許合戦を繰り広げているサムスン電子は、その対策が急がれている。

最近、電子新聞が入手したアップルの公開特許公報(出願番号10‐2010‐7008899)によると、アップルは2010年「電子装置内の内蔵型認証システム」というタイトルで51項目の特許を韓国に出願した。

この特許は、2008年9月に国際協力条約(PCT)に出願(国際出願番号PCT/US2008/075738)された。スマート端末の内蔵型認証システム全般に関する内容だ。認証のための入力メカニズムと情報の識別、ユーザーの認証段階に特許範囲を指定している。指紋の認識はもちろん、手のひら、手の模様、手の甲の模様、血管のパターン、網膜パターン、虹彩パターン、耳道(Ear canal)パターン、DNA序列など、多くの生体認識認証方式を包括的に情報識別範囲として追加した。韓国の特許専門家は、「特許を出願しても、審査を受ける必要があるのですぐに特許権が得られるわけではない。ただ、出願の順番によって審査が行なわれるため、同一技術についての競合会社の特許出願を阻止することはできる。」と説明した。

アップルは、特許の獲得のため、生体認識センサーを搭載した次世代端末モデルの図面を提出した。アイフォンには、待ち受け画面のロック装置である「ロック解除」の中央に、マックブックにはキーボードとタッチパッドに認識センサーをそれぞれ適用したのが特徴だ。業界の専門家は、「最近、指紋認識センサー専門会社AuthenTecを買収したこととも無関係ではない。アップルは、次世代製品の全般に生体認識センサーを搭載し、競合会社への技術攻勢を強化する」という見通しを示した。

サムスン電子を始め、富士通やデル、HP、レノーバなどの競合会社は、その対策が急がれている。アップルが先占した特許技術と全く違う技術を急いで探し出すか、もう1度の特許合戦を余儀なくされかねなくなった。決済や個人認証の機能が次世代スマート機器に続々と適用されている状況だ。生体認識の技術をアップルが独占してしまうと、新モデルの開発に支障をきたしかねない。最近、AuthenTecの国内代理店が従来の取引先に来年から指紋認識センサーの供給を中断するというメールを送り、取引中止を告知した。

ユン・ヒソク記者

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