知的財産ニュース インテル、韓国のPCT利用件数が急増、背景は半導体特許競争

2012年10月20日
出所: 電子新聞

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インテルの韓国政府の特許協力条約(PCT)サービス利用件数が大幅増加した。韓国政府の評価能力への信頼だとも言えるが、半導体部門において韓国企業との特許競争が激しくなっていることが背景だと分析されている。

韓国特許庁によると、今年8月まで韓国PCTサービスを利用した海外企業上位10社は、インテルが1284件と圧倒的に多かった。2・3位のHP(473件)、マイクロソフト(384件)などに比べて3倍ほど多い。こうした傾向が続く場合、今年には2000件に迫ると予想されている。

PCT国際調査は、企業がPCTを出願する際の手続きとして義務化されている。国が協定を結んだ国だけに申請できる。韓国が協定を結んだ国は、米国・豪州・シンガポール・チリなど13カ国だ。韓国と協定を結んだ米国メーカーからの依頼が多い。インテルが今年に韓国のPCT国際調査サービスの依頼を増やしている正確な理由はまだ把握されていない。韓国特許庁の関係者は、「サービスの手数料が低く、こちらでは、韓国の特許はもちろん、日本の特許情報の検索もよくできているからではないか。」とその理由について説明した。

一方では、韓国との半導体部門における特許先取の競争の影響だと分析している。IPCubeパートナーズのミン・スンウク代表は、「韓国の大企業が非メモリー半導体部門に事業領域を拡大し、新技術分野(外国企業との)特許登録のイシューが増えている。」とコメントした。韓国のPCT国際調査における手数料は1101ドルで、米国の2080ドル、欧州連合(EU)2426ドルに比べて低い水準だ。中国は、主要国と協定を結べず、自国企業のみが利用している。

インテルのサービス依頼の急増で韓国特許庁の今年のサービス輸出実績は、大幅拡大すると予想されている。

キム・ジュンベ記者

韓国のPCT国際調査サービスを利用した10大外国企業(単位:件)

順位

企業名

業種

2009

2010

2011

2012.8

1

インテル

半導体

157

269

806

1,284

2

HP

PCなどの電子装備

564

545

647

473

3

マイクロソフト

PCソフトウェア

563

359

670

384

4

油田開発サービス

287

348

324

252

5

半導体の製造装備

322

254

268

167

6

エネルギー機械

11

50

113

160

7

化学

140

150

183

156

8

電子及び情報技術

298

232

214

125

9

インターネット

80

66

132

104

10

半導体

101

75

82

99

※資料:特許庁

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