知的財産ニュース SKT、LTE・WiFiの特許プールでパテント・トロールに対抗

2012年11月11日
出所: 電子新聞

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グローバル移動通信キャリアが特許のメガ・コンペティション時代に備え、特許経営を積極的に展開するという方針を明らかにした。特許のロイヤルティ確保と技術のリーダシップ強化という共同の目的を実現するため、次世代の通信特許プールの構築に乗り出すという。

看板の通信キャリアは、4世代(4G)「LTE特許プール(Patent Pool)」の構築にとどまらず、「WiFi特許プール」の構築に関する議論も始めた。3世代(3G)の特許プールである「WCDMA特許プール」と「CDMA2000特許プール」に続き、2010年議論が始まってから2年ぶりに4G「LTE特許プール」が発足したのだ。特許プールは、特定の製品または、標準特許を保有した特許権者が共同で過去の技術中心の特許競争から、デザインを始めとする知的財産全般における競争に急シフトし、「特許プール」の存在感は日増しに高まっている状況だ。

通信キャリアとしては、保有特許を利用して安定的に収益を挙げ、独自では確保が難しい特許を比較的に安く利用したいという利害関係が背景にあると分析されている。また、特許競争力も倍増させることが可能だ。特許プールへの参加は、技術・サービスの革新をもたらし、パテント・トロールの攻撃に共同で対応し、特許紛争に抜け駆けして対応するための多角的な布石だ。

韓国通信キャリアではSKテレコムのみが参加している「LTE特許プール」は、AT&T、テレフォニカ、NTTドコモ、KDDI、テレコム・イタリア、クリアワイヤ、DTVGライセンス(DIRECTVの子会社)の7社と、ZTE・HPなどの製造会社10社が創立メンバー(Founding Licensor)として参加している。LTE特許プールに「特許権者」として参加したということは、相当な水準の特許競争力を備えていることを意味する。

SKテレコムは、国内の登録特許4667件、米国に255件、中国に125件など、多数の特許を海外に登録している。SKテレコム法務室のパク・ヨンジュ室長は、「LTE特許プールの創立は、グローバル移動通信キャリア同士のLTE特許障壁を無くし、共有と開放を通じて革新的なサービスと製品を発売するために協力しようというコンセンサスから始まった。」とその背景について説明した。

これとは別途に、約10社のグローバル通信キャリアは、「WiFi特許プール」の構築も進めている。来年の上半期をメドに「WiFi特許プール」構築に向けて協議を行っている状況だ。

キム・ウォンベ記者

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