知的財産ニュース 国内IPサービス業界、海外に「積極的」

2012年10月29日
出所: 電子新聞

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韓国のIPサービス専門企業がアジア市場に積極的に進出している。価格競争力やきめ細かなサービスなどが海外で人気を得ている秘訣だ。マークプロは、29日、「最近、東芝やレイテック、富士オイル、クロックワーク、小林特許事務訴など日本企業の特許使用料納付代理サービスを行うことにした。三井金属とその関連会社の保有特許1000件以上の使用料納付の代行も来年から実施することで合意した。」と事業を紹介した。マークプロは、韓国の特許使用料納付市場で6割のシェアを確保しているIPサービス専門会社だ。2年前から地域ごとに合わせた特許管理サービスを武器にアジア市場に進出している。

図:グラフ
出処:特許庁2011 (単位:億円)

アジア市場のうち、日本は、李明博大統領が独島(日本名:竹島)を訪問してから「事業関係が冷え込んでいる」という見方が多い。マークロプのイ・ジェジュン常務は、「領土問題などにより日韓関係が冷え込んでいるのは確かだが、日本からの手応えもあった。韓国のIPサービスへの関心が高まっている。」と述べた。業界では、日本の特許使用料市場が韓国より6~7倍大きいと推定している。

韓国のIPサービスが海外の企業より価格競争力とサービスの品質が高いというのが主な原因だと業界は評価している。イ常務は、「海外のIPサービスを提供している欧州企業は、費用だけを優先し、仕事は二の次になっている。韓国は比較的に人件費が安く、仕事もきめ細かく処理しているという評価が口伝で広がっているようだ。」と説明した。また、「現状だと、韓国のIPサービス業界がアジア市場に進出して良い成果が挙げられる」という考え方を示した。

韓国のIPサービス会社が人気を得ている国は日本だけではない。先月、特許検索・調査専門会社のWIPSは、シンガポールに海外事務所を開所した。シンガポールを拠点に最近、IPサービス需要が増えているアジア市場でIPサービスの販路を切り開くためだ。WIPSは、オンライン特許検索サービス「WIPSグローバル・アドバンスト(WIPS Global Advanced)などの特許調査・分析、コンサルタント、技術取引とIP取引など、総合的なIPサービスを提供している。

WIPSの企画マーケティング部のパク・ウンヨン部長は、「フィリピン特許庁とWIPSグローバル・アドバンストのオンラインサービスに関するMOUを12月頃に締結すると約束しており、具体的なスケジュールを調整中だ。」と述べた。中国では、韓国系中国人の翻訳人材を活用した桃園ドットコム、ゼセなど、IP翻訳専門会社が中国市場の確保に乗り出している。

クォン・ドンジュン記者

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