知的財産ニュース 教育条件付きの起訴猶予処分者の侵害対象著作物、映像と語学や文学の著作物順に
2012年7月19日
出所: 韓国著作権委員会
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韓国文化体育観光部(長官:崔クァンシク)と韓国著作権委員会(委員長:柳ビョンファン)は、2012年上半期の「著作権教育条件付き起訴猶予」[1]処分の対象者が著作権を侵害したのが映像、語学や文学の順になったと発表した。
委員会が2012年度上半期の著作権教育条件付き起訴猶予処分の対象者1,530人にアンケート調査を実施した結果、侵害された著作物は、映像著作物が49.0%、語学や文学の著作物が41.8%となり、前年同期に比べて映像著作物は33.0%減少し、語学と文学の著作物は30.0%上昇した。また、侵害の流通ルーツは、ウェブハードが48.8%、P2Pが28.1%と、前年同期比それぞれ11.4%増、25.9%減となった。
注記
[1] 著作権教育の条件付き起訴猶予制:著作権侵害の範囲が限定されている違反者に対し、著作権教育を受けるという条件で起訴を猶予する制度
区分 | 2011年(1~6月) | 2012年(1~6月) | 増減率 | ||
---|---|---|---|---|---|
音楽 | 24件 | 1.9% | 22件 | 1.4% | 0.5% |
映像 | 1,056件 | 82.0% | 750件 | 49.0% | -33.0% |
語学や文学 | 151件 | 11.8% | 640件 | 41.8% | 30.0% |
写真 | 2件 | 0.2% | 26件 | 1.7% | 1.5% |
デザイン | 14件 | 1.1% | 39件 | 2.5% | 1.4% |
PCプログラム | 24件 | 1.9% | 25件 | 1.6% | -0.3% |
その他 | 14件 | 1.1% | 28件 | 1.8% | 0.7% |
合計 | 1,285人 | 100.0% | 1,530件 | 100.0% | - |
区分 | 2011年(1~6月) | 2012年(1~6月) | 増減率 | ||
---|---|---|---|---|---|
P2P | 694件 | 54.0% | 430件 | 28.1% | -25.9% |
コミュニティ | 36件 | 2.8% | - | - | - |
ブログ | - | - | 229件 | 15.0% | - |
ウェブハード | 482件 | 37.4% | 747件 | 48.8% | 11.4% |
ホームページ | 11件 | 0.9% | 13件 | 0.8% | -0.1% |
トレント | 20件 | 1.6% | 71件 | 4.6% | 3.0% |
マーケット | - | - | 2件 | 0.1% | - |
その他 | 42件 | 3.3% | 38件 | 2.6% | -0.7% |
合計 | 1,285件 | 100.0% | 1,530件 | 100.0% | - |
また、告訴者は、法務法人、個人の著作権者、著作権権利団体の順となり、個人の著作権者の割合が前年同期比17.1%増加したことが明らかになった。学歴別には大卒、高卒の順となり、大卒者の著作権侵害率は58.2%であった。年齢別に見ると、20代、30代の順となり、前年同期比50代は3.3%、60代は0.6%増加した。
一方、アンケートの応答者のうち、著作権に関する教育を受けた経験のある者は、2%と、著作権教育条件付き起訴猶予処分の対象者の大半が著作権についての知識がない状態で著作権を侵害したことが分かり、著作権侵害の教育が急がれている。
委員会の柳ビョンハン委員長は、「告訴状の却下制度による未成年者の保護、持続的な教育・PRなどの効果が複合的に影響し、著作権教育条件付き教育の依頼件数が低迷している。青少年や成人向けの著作権教育が十分とは言えず、著作権教育を持続的に拡大していく必要がある」と説明した。
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