知的財産ニュース グローバル経済危機にもかかわらず、韓国の特許・商標の国際出願増加

2012年1月20日
出所: 韓国特許庁HP

3438

昨年のグローバル経済危機にもかかわらず、韓国の特許と商標の国際出願は増加したことが分かった。

韓国特許庁が集計した資料によれば、国際特許出願に関する特許協力条約(PCT,Patent Cooperation Treaty)を通した2011年度海外特許出願は10,412件で、2010年の9,639件に比べ8.0%増加したことが分かった。

これは、ヨーロッパの経済危機などによる世界経済の不確実性とグローバル市場での特許紛争など、企業環境が日に日に悪化しているなかで韓国企業らが海外での特許・商標などの知的財産権を確保するために、未来に向けた投資を強化していることを示す結果だ。

出願主体別に見ると、企業や研究所が8,454件で81.2%、個人は1,958件で18.8%を占めた。企業や研究所の中ではLG電子が1,253件と最も多く、次に三星電子が752件、LG化学が314件などとその後に続いた。

出願言語別では、2009年から韓国語が国際公開語として施行された後、国際公開用の英語翻訳文の作成のための時間と費用が節減されたため、韓国語による国際出願が徐々に増加し、2011年には8,394件と全体出願の80.6%を占めた。(※韓国語(80.6%,8,394件),英語(19.4%,2,018件))

一方、外国の出願人が韓国特許庁に申請したPCT国際調査も持続的に増加、審査サービスの海外輸出がより一層活発に行なわれていることが明らかになった。

2011年に外国の出願人が韓国特許庁に申請した国際調査は15,717件で、前年(13,877件)に比べ13.3%も増加した。このうちインテル、マイクロソフト、ヒューレッドパッカードなどを含む米国企業が96.5%(15,168件)を占め、海外でも韓国特許庁の高い審査水準を認めていることが分かった。

商標の国際出願に関する制度である「マドリード議定書」を通した国際商標出願件数は、2010年の405件に比べ32.3%増の536件を記録、国際出願商標の各国に対する指定件数も2010年3,309件から2011年3,792件と14.6%増加した。

2011年度にマドリード国際商標出願制度を利用して、外国に大量に出願した韓国企業はセルトリオン(13件)、三星電子(9件)、熊津(ウンジン)コーウェイ(9件)の順で、国際出願商標の各国家別指定件数は米国(343件)、中国(312件)、日本(309件)、ヨーロッパ連合(215件)の順だった。

また、2011年度に韓国に出願した外国出願人のマドリード国際商標出願件数は2010年度8,017件から30.0%増の10,420件で、国家別では全体の10,420件のうち米国(1,655件)、ヨーロッパ連合 (1,163件)、ドイツ(1,097件)、日本(988件)の順。企業別では、スイスのノバティス(医薬品)が62件、ドイツの自動車会社BMWが54件、スイスのアバクロンビー(衣類・ファッション・ビューティー製品)49件の順。これに対してアン・ジェヒョン特許庁顧客協力局長は「グローバル経済危機にもかかわらず、韓国特許と商標の国際出願が継続して増加しているのは、韓国企業らが新しい技術と優れたブランドの先行獲得を通した国際競争力強化のための努力を活発にしているという証拠だ」と話した。

※EU加盟国がヨーロッパ共同体商標を出願(登録)した後、それを基にして韓国に出願した場合

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195