知財判例データベース 飲食店でメニュー名に標章を使用したことが商標的使用といえるか否か

基本情報

区分
商標
判断主体
特許法院
当事者
原告(個人)vs. 被告(株式会社農心)
事件番号
2014許8861
言い渡し日
2015年09月10日
事件の経過
確定

概要

471

商品類区分第30類のおにぎり、弁当ご飯などを指定商品とする商標「爆弾飯」に対する取消審判およびその審決取消訴訟において、飲食店内で「爆弾飯」というメニューを3,000ウォンで提供した事実が認められるものの、「爆弾飯」という飲食物は流通過程に置かれるものでないため商標法における商品に該当しないため原告の商標の使用は飲食店で提供するサービス業に使用されたものとはいえても、商標的使用とはみられないとして、原告の請求を棄却した。

事実関係

被告は韓国屈指の食品企業であり、2014年1月20日付で「 」(爆弾冷麺のハングル)、「 」(爆弾麺のハングル)を商品類区分第30類に属する冷麺と麺をそれぞれ指定商品として出願したが、30類のおにぎり、弁当ご飯などを指定して登録を受けた原告の「 」(爆弾飯のハングル;以下「本件商標」)と類似し登録を受けられないと判断されたため、被告は本件商標は商標法第73条第1項第3号の規定によりその登録が取り消しにならなければならないと主張して、2014年3月4日に商標登録取消審判を請求した。特許審判院は、原告が本件商標を使用したと主張して提出した使用証拠は、本件商標が原告が提供するサービスに使用されたことを示すものに過ぎないと判断して本件商標を取り消す旨の審決を下したため、原告は特許法院に審決取消訴訟を提起した。

判決内容

  1. 商標法第73条第1項第3号の判断基準
    商標法第73条第1項第3号は「商標権者・専用使用権者または通常使用権者のいずれもが正当な理由がないのに登録商標をその指定商品に対して取消審判請求日前に継続して3年以上国内において使用していない場合」、その商標登録を取消すことができるように規定しており、同条第4項本文は、上の規定に該当することを事由として取消審判が請求された場合、被請求人が当該登録商標を取消審判請求に係る指定商品のうち1以上についてその審判請求日前3年以内に国内において正当に使用したことを証明しない限り、商標登録の取消しを免れないと規定している。ここで商標の「使用」とは、商標法第2条第1項第7号で規定している(1)商品または商品の包装に商標を表示する行為、(2)商品または商品の包装に商標を表示したものを譲渡し、もしくは引き渡し、またはその目的で展示、輸出もしくは輸入する行為、(3)商品に関する広告・定価表・取引書類・看板または標札に商標を表示し、展示し、または頒布する行為のうち一つに該当する行為をいう。
  2. 具体的判断
    原告の通常使用権者である株式会社「TOM N TOMS」(代表者:原告)が運営する「慶運宝宮」という飲食店で、2014年2月頃「爆弾飯」というメニューを3,000ウォンで提供した事実が認められるものの、商標法における商品とは商取引の目的物として流通過程に置かれる交換価値を有する有体物をいい、流通性と量産性を前提とするところ、上記の「慶運宝宮」という飲食店で提供した「爆弾飯」という飲食物は流通過程に置かれるものでないため商標法における商品に該当しない。したがって、上記飲食店でメニューに「爆弾飯」という標章を使用したことは、当該飲食店で提供するサービス業への使用とはいえても、商標的使用とみることはできない。

専門家からのアドバイス

不使用取消審判による商標の取り消しを免れるためには商標としての使用が前提にならなければならず、商標としての使用とは、商標の本質的機能といえる自他商品の出所表示のために使用されるとみられる場合であるべきで、ある標章が商標として使用されているかどうかは使用物品との関係、当該標章の使用態様(表示された位置、大きさ等)、使用者の意図および使用経緯などを総合して実際の取引界でその表示された標章が商品の識別標識として使用されているかどうかを判断しなければならない。

このような観点から、特許法院は、原告が本件商標を原告の通常使用権者が運営する飲食店で販売されるメニュー名として使用したことは、そのメニューの商品であるおにぎり、弁当ご飯に使用したものではなく、原告が提供するサービスについての出所として使用したものと判断し、本件商標はその指定商品に商標として使用されなかったと判示したところ、飲食店で販売されるメニュー名は商標でなくサービスマークとして登録を受けることが必要だという点を示唆している。

もちろん、この判決でも説示しているとおり、商標法における商品とは商取引の目的物として流通過程に置かれる交換価値を有する有体物を意味するため、飲食店で販売されるメニュー名の一つであっても、そのメニューが商取引の目的物として流通過程で交換価値を有する有体物として認められる場合であれば、つまりテイクアウトなどを通じて独自の商品としての価値を有する場合には商標としての使用と認められることもあり得るものである。

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