知財判例データベース アイスクリームの商品形態、外部看板、店内のインテリアなどを模倣した行為をトレードドレスを侵害する一般的不正競争行為として認定した事例
基本情報
- 区分
- 不正競争
- 判断主体
- ソウル中央地方法院
- 当事者
- 原告A vs. 被告B
- 事件番号
- 2014ガ合524716
- 言い渡し日
- 2014年11月27日
- 事件の経過
- 未確定
概要
439
類似したデザインの透明カップに盛られたソフトクリームの上に、蜂の巣がそのままの状態でトッピングされた被告の商品形態は、単に原告のアイデアを真似ただけでなく、アイデアが具体的に実現された原告の商品形態をそのまま模倣しているので、不正競争防止法上のデッドコピーに該当し、外部看板、アイスクリーム・コーン及び蜂の巣の陳列形態などの「原告の店舗構成要素」は原告店舗のトレード・ドレスを形成しており、このようなトレード・ドレスは「相当な投資又は労力により作成された成果等」であるため、これを模倣する行為は、不正競争防止法上の一般不正行為に該当する。
事実関係
原告は、蜂の巣アイスクリーム(自然な状態の蜂の巣をそのまま切ってソフトクリームの上にトッピングしたもの)を製造販売するフランチャイズチェーン本社であり、多数の直営店及び加盟店をオープンして短期間に韓国内で旋風的な人気を博した。一方、被告も多数の直営店及び加盟店を開いて類似のアイスクリームを製造・販売し、店のインテリアも原告のものと多くの共通点を有していたことから、原告は被告を相手取って不正競争行為差止申立訴訟を提起するに至った。
判決内容
- 不正競争防止法第2条第1号リ目所定の不正競争行為(デッドコピー)を認定
法院は、両商品はいずれも黒色のロゴが印刷されている透明カップに100g~120gのソフトクリームが螺旋状に盛られており、その上に蜂の巣がそのままの状態で一定の大きさで載せられている点で類似の形態であると判断した。被告は、原告の商品形態はソフトクリームの上に蜂の巣を載せるというアイデアに過ぎないと主張したが、法院は、被告はこのようなアイデアを模倣しただけでなく、アイデアが具体的に実現された原告の商品の形態をそのまま模倣しているとして、原告の主張を認めた。

- 不正競争防止法第2条第1号ヌ目[1]所定の一般的不正競争行為を認定
原告は多数の店舗を運営しながらいずれも共通したデザインからなる看板、メニュー、ロゴなどを使用し、アイスクリームを盛るコーンやアイスクリームの上にトッピングする蜂の巣も各店舗とも同じ形態で陳列していた。一方、被告も多数の店舗に共通する同様のコンセプトを有していた(原告と被告が使用したインテリアのうち、代表的なものは以下の表の通りである)。
法院は、原告商品だけでなく、原告の店舗を構成するミルクを連想させる乳牛のロゴが表示された外部看板、アイスクリーム・コーン及び蜂の巣の陳列形態などの「原告の店舗構成要素」は、原告の主力商品がミルク風味の強いソフトクリームに蜂の巣を結合したものであることを強調していると同時に、原告店舗だけの独特の雰囲気を形成する要素であると認めつつ、その構成要素全体として原告店舗のトレード・ドレスを形成していると判断した。このようなトレード・ドレスは同条項で要求する「相当な投資又は労力により作成された成果等」に該当するとしながら、被告が原告の店舗構成要素を模倣して同じように使用することは不正競争行為に該当すると判断した。

専門家からのアドバイス
開発費用をかけて新製品を市場に投入したにもかかわらず、競合社が同じようなコンセプトの製品、いわゆる「Me too商品(後追い商品)」を販売する場合、時間とお金を投じて製品を開発した先駆者としては、これを排除ないし抑制できる方法を模索するのが普通であるが、商標権や意匠権といった明確な権利侵害ではない場合は、後追い商品を排除する決め手はなかなか見つからないのが実情である。
不正競争防止法は、これまで不正競争行為の類型を認めるにおいてイ目からリ目まで限定的列挙主義をとってきたが、2013年7月30日の同法改正時には新たに多様な類型の不正競争行為に適切に対応するために不正競争行為に係わる補充的一般条項が新設され、第2条第1号ヌ目として一般的不正競争行為を追加規定した。本判決は、このような不正競争防止法上の一般条項を適用した最初の判決であるだけでなく、看板、メニューなど店舗のトレード・ドレスに対しても不正競争防止法上保護される成果物であると明示的に認めた最初の判決であるという点で大きな意味があり、後追い商品への対応方法を広げる心強い先例となろう。
注記
-
不正競争防止法第2条第1号ヌ目
その他(編集者注:「イ目~リ目に規定された行為以外に」という意味である)他人の相当な投資や労力により作成された成果等を公正な商取引慣行又は競争秩序に反する方法により自身の営業のために無断で使用することにより、他人の経済的利益を侵害する行為
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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