知財判例データベース 実用新案登録の無効審判を請求できる利害関係人の範囲を判断した事例

基本情報

区分
実用
判断主体
大法院
当事者
原告 v. 被告
事件番号
2004フ3300
言い渡し日
2006年06月16日
事件の経過
確定

概要

129

登録実用新案と同じ技術分野に属する実用新案を出願、登録し、その権利を保有している者も当該実用新案登録の無効審判を請求できる利害関係人に該当する。

事実関係

原告は、修正液塗布具及び類似種類の液状物質塗布機具などを開発して関連実用新案登録を所有し、関連製品を原告が代表理事として勤めている会社で製造、販売してきたところ、上記原告の製品が被告のマニキュア容器関連の実用新案権を侵害するという理由で原告の修正液塗布具関連の実用新案に対する登録無効審決を受けた。これに対して原告は、被告の実用新案は進歩性を欠くという理由で登録無効審判を請求したところ、被告は、原告は本件登録考案と同種の物品を製造、販売する会社の代表理事に過ぎず、本件登録考案の侵害と関連した内容証明も原告個人ではなく上記会社に発送されたものであるため、本件登録考案の無効審判を請求できる利害関係人ではないと争ったが、特許審判院及び特許法院はいずれもその主張を排斥した。

判決内容

実用新案登録の無効審判を請求できる利害関係人とは、当該実用新案の権利存続によりその権利者から権利の対抗を受けたり受けるおそれがあってその被害を被る直接的で現実的な利害関係がある者を言い、ここには当該登録実用新案と同じ技術分野に属する実用新案を出願、登録しその権利を保有している者も含まれる。

本事案で、原告は被告の本件登録考案と同じ技術分野の登録考案を保有していたところ、被告により本人の修正液塗布具関連実用新案権が登録無効審決を受け、また、自身が開発した未登録の修正液塗布具が本件登録考案を侵害するかどうかに関して争いが発生する等の不利益に遭遇しており、今後も自身の液状物質塗布機具に関する登録考案が被告の本件登録考案と類似しているという理由で登録無効審判が請求されるおそれも有している。このような事情を総合してみると、原告は本件登録考案の権利存続により被害を被る直接的で現実的な利害関係がある者として、本件登録無効審判を請求できる利害関係人に該当すると言える。

従って、被告の本件登録考案が公知された先行考案の一部構成を採択、結合したものとその構成が実質的に同一であり、該当技術分野で通常の知識を持った者が上記の比較対象考案から極めて容易に考案できる程度のものであるため、その進歩性が認められないという趣旨で判断した原審の登録無効判決は正当である。

専門家からのアドバイス

無効審判は利害関係人又は審査官に限り請求することができるが、この場合、利害関係人は実用新案権者からその権利の対抗を受けるおそれがあるために現在損害を被るか後日損害を被るおそれがある者であると理解されている。このように利害関係人の範囲がある程度広く認められるのは新規性や進歩性が欠如した実用新案権は法により積極的に保護する理由がないためであるが、上記の判決もこのような趣旨で原告が被告の登録考案を侵害したという内容証明の直接対象者ではないとしても実質的に利害関係人に該当すると判断したものである。

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