知財判例データベース [.co.kr]ドメイン名に関するドメイン名紛争調停委員会の決定を不服として裁判所に提訴した事例

基本情報

区分
ドメイン,不正競争
判断主体
ソウル地方法院東部支院第1民事部
当事者
金ヘスク(原告、反訴被告)VS カジャ酒類貿易株式会社被告(被告、反訴原
事件番号
2002カ合4656、5970
言い渡し日
2003年10月10日
事件の経過
控訴

概要

62

[kaja.co.kr]ドメイン名に係るドメイン紛争調停委員会の移転決定を不服として同ドメイン名の登録者がその移転登録義務の不存在等の確認を求めて裁判所に訴えを提起し、これに対して被告が当該ドメイン名の使用差止等を求めて反訴を提起した事件で、裁判所は、周知著名な他人の標識をドメイン名として登録、使用した行為は、不正競争防止法上の営業主体の混同行為として不正競争行為に該当するとし、原告の請求を棄却した。

事実関係

原告は疎外「カジャ貿易株式会社」と「カジャ酒類百貨店」チェーン店契約を締結し、「カジャ酒類百貨店落星垈店」を運営しながら、1997年9月5日に[kaja.co.kr]ドメイン名(以下「本件ドメイン名」)を「カジャ酒類百貨店落星垈店」の名義で登録した。2001年5月23日に疎外カジャ貿易株式会社の酒類チェーン店事業を引き受けた被告は、原告にチェーン店契約の解約を通告したが、原告は同解約通告を受けた後も引き続き本件ドメイン名の登録を維持し、これを住所とするウェブサイトを通じて被告の営業活動と同じ酒類販売業を運営した。被告は2002年4月23日に原告を相手取ってドメイン名紛争調停委員会に本件ドメイン名の移転を求める調停を申請し、これに対して同委員会は2002年6月10日に本件ドメイン名を被告に移転せよとの決定を下した。原告は同委員会の決定を不服として2002年6月27日に本件ドメイン名の移転登録義務の不存在等を求める訴えを裁判所に提起し、被告も2002年8月13日に原告を相手取って本件ドメイン名の使用禁止等を求める反訴を提起した。

判決内容

裁判所は、本件ドメイン名の要部である「kaja」が被告の登録商標である「KAJA」及びそのハングルの発音である「カジャ」、「カジャ酒類百貨店」と同一または類似し、原告のウェブサイトを通じた営業活動が酒類販売業であって被告の営業活動と同一であるだけでなく、原告がチェーン店契約が解約された後も引き続き国内に広く知られた被告の「kaja」標章と同一または類似の「kaja」標章を本件ドメイン名に使用することによって、被告のインターネットウェブサイトにアクセスしようという一般消費者が原告の本件ドメイン名を住所とするウェブサイトを被告のウェブサイトと誤解してアクセスする可能性が高いと判断し、原告が本件ドメイン名を使用してウェブサイトを運営した行為は不正競争防止法第2条第1号ロ目所定の「国内に広く認識された他人の姓名・商号・標章その他の他人の営業であることを標識する標識と同一または類似のものを使用し、他人の営業上の施設または活動と混同を生じさせる」不正競争行為に該当すると判示した。これにより、裁判所は被告の本件ドメイン名の移転要求が信義誠実に反する権利濫用であると主張した原告の請求を棄却し、原告に対し、[kaja.co.kr]を原告のドメイン名として使用することを禁止し、同ドメイン名の登録抹消手続を履行することを言渡た。

専門家からのアドバイス

本件は、韓国のドメイン名紛争調停委員会の発足以降、同委員会の調停決定を不服として裁判所に提訴して、それに対する初の司法的判断がなされた点で意味がある。本件において裁判所は韓国のドメイン名紛争調停規程の拘束力や適法性に対する別途の審査なしに、ドメイン名の登録及び使用行為が不正競争防止法に当たるかどうかについて判断している。

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