知的財産に関する情報(The Daily NNA【韓国版】より)特許異議申立(日本)と特許取消申請(韓国)の統計比較

2019年09月11日

The Daily NNA【韓国版】掲載(File No.132)
特許法人WOOIN 日本弁理士 禹明哲(ウ・ミョンチョル)

韓国の特許取消申請制度(2017年3月施行)は、特許登録後6カ月以内に特許取消を申請することができる制度で、日本の特許異議申立に類似するものです。両制度は、特許処分の審理を通じて特許の早期安定化を図るという共通の目的を持ちます。2019年に、日韓両特許庁より両制度に関する統計資料が発表されました。そこで、両制度の傾向を把握するため、本稿ではこれらの統計について紹介するとともに分析結果を紹介いたします。

1. 特許異議申立と特許取消申請の統計

特許異議申立と特許取消申請の統計は、以下の図1および図2の通りです。

2. 特許異議申立と特許取消申請の統計の分析

特許異議申立と特許取消申請の統計データを比較すると、特許異議申立の年間申立件数(約1,005件/年)は、特許取消申請の年間申請件数(139件/年)の約7倍であったことが分かります。一方、取消率に関しては、特許異議申立(12%)よりも、特許取消申請(24%)が2倍高かったことが分かります。
また、特許異議申立において維持決定がされた事件(2,148件)の内、訂正が実施された事件(1,269件)の比率は59%でしたが、これに対応する特許取消申請の統計データは開示されていません。そこで、韓国特許情報ネット(KIPRIS)を用いて、維持決定がされた特許取消申請を無作為に10件抽出して調査したところ、訂正が実施された事件の比率は80%(8件)でした。特許取消申請においては、取消理由の解消における訂正の利用が高い傾向にあるのではないかと思われます。なお、上記10件の特許取消申請における平均審理期間は約14カ月でした。

3. 結び

韓国の特許取消申請制度は現在施行の初期段階にあり、日本の特許異議申立制度と比較すると、申請件数が少ないと言えます。しかしながら、取消率が相対的に高く、特許権者は防御方法として訂正を頻繁に利用している現状に鑑みますと、特許取消申請制度が安定的に定着するとともに利用が活発化され、申請件数が今後増加することが展望されます。

今月の解説者

特許法人WOOIN 日本弁理士 禹明哲(ウ・ミョンチョル)、東京工業大学大学院総合理工学研究科修了(2001年)、日本弁理士試験合格(2013年)、日本弁理士会(JPAA)会員
(監修:日本貿易振興機構(ジェトロ)ソウル事務所副所長 浜岸広明)

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本記事はジェトロが執筆あるいは監修し、The Daily NNA【韓国版】に掲載されたもので、株式会社エヌ・エヌ・エーより掲載許諾をとっています。

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