知的財産に関する情報(The Daily NNA【韓国版】より)韓国における知的財産権表示について

2019年12月11日

The Daily NNA【韓国版】掲載(File No.135)
特許法人ムハン 代表弁理士 千 成鎮(チョン・ソンジン)

最近、韓国特許庁は知的財産権の表示指針を公表しました。知的財産権と関連して虚偽表示を行った場合には、虚偽表示罪として処罰されます。特許権、実用新案権、デザイン権、商標権のいずれにおいても虚偽表示罪が規定されていますが、その内容は互いに類似するため、本稿では特許を中心に説明します。

特許表示に関する韓国特許法の規定

韓国特許法では、特許表示と関連して、物の特許発明である場合には、その物に「特許」および特許番号を表示すること、また特許出願中の場合には「特許出願(審査中)」および出願番号を表示すること、物に表示できない場合には物の容器又は包装に表示できることなどを規定しています(第223条)

また、特許されていない物、特許出願中でない物について、特許表示又は特許出願表示をしたり、これと混同する表示を行う行為を禁止しています(第224条)。これに違反した者は3年以下の懲役又は3,000万ウォン以下の罰金に処することとしています(第228条)。

知財権虚偽表示の例

韓国特許庁が刊行した「知的財産権の表示指針」(以下、指針という)には、知財権虚偽表示の類型が具体的に挙げられています。

  1. 製品に適用されない知財権登録(出願)番号を表示したり、又は存在しない知財権登録(出願)番号を表示したりする行為
  2. 知財権登録が拒絶された製品であるにもかかわらず、知財権表示をする行為
  3. 存続期間満了などによって権利が消滅したにかかわらず、知財権表示をする行為
  4. 知財権出願中の製品に対して知財権登録表示をする行為(出願中の場合には「出願」、「審査中」などの表示をしなければならない)
  5. 知財権名称の異なる知財権表示をする行為(例:実用新案登録を受けたが、特許表示をする場合)
  6. 知財権出願中でないにもかかわらず、知財権出願表示をする行為
  7. 韓国特許庁ロゴ又は業務標章の無断使用
    (特許庁のロゴや業務標章などは、原則として無断で使用することはできません)

韓国での知財権表示方法

指針では、以下の表示方法を推薦しています。

種類 表示方法
物の登録特許 特許第10-000000号
方法の登録特許 方法特許第10-000000号
登録商標 商標登録第40-000000号
登録デザイン 登録デザイン第30-000000号
物の特許出願 特許出願(審査中)第10-0000-000000号
方法の特許出願 方法特許出願(審査中)第10-0000-000000号
商標出願 商標登録出願(審査中)第40-0000-000000号
デザイン出願 デザイン登録出願(審査中)第30-0000-000000号

また、韓国では、2017年にインターネット特許表示制度が導入されました。これにより、製品に「特許+インターネットサイトアドレス」を表示し、該当インターネットサイトに特許番号を記載するなどの方法を利用することができます。製品に特許番号を表示する場合には、特許番号の削除、追加などが難しい場合がありますが、インターネット特許表示を利用すれば、これが容易になります。

知財権虚偽表示に対する処罰

知財権虚偽表示に対する行政取締りについて、指針によれば、1、2回目の摘発時までは摘発事項の指摘及び行政指導を行い、3回目の摘発時には検察に刑事告発をすることになります。なお、知財権虚偽表示罪は親告罪ではないため、誰でも(第三者が)告発することができます。

おわりに

韓国特許法によれば、特許権者が自身の特許関連製品に特許を表示する義務はなく、特許表示の有無が特許権者の権利行使に影響を与えることはありません。そのため、韓国での特許表示は、権利行使の目的というよりはマーケティングの目的で用いられることが多いと言えます。ただし、このように特許表示をする場合、虚偽表示は処罰されますので、注意が必要です。

今月の解説者

特許法人ムハン 代表弁理士 千 成鎮(チョン・ソンジン)
94年弁理士試験合格(首席)。95年ソウル大学工科大学院コンピューター工学科卒業。95年~99年サムスン電子に研究員勤務。2000年~02年金&張法律事務所に勤め、02年に特許法人ムハンを共同設立。現在、特許法人ムハン代表弁理士。韓国情報工学会、韓国弁理士会(KPAA), AIPPI, APAA 活動。
(監修:日本貿易振興機構(ジェトロ)ソウル事務所副所長 浜岸広明)

どうなる韓国 新・知財最前線は今

本記事はジェトロが執筆あるいは監修し、The Daily NNA【韓国版】に掲載されたもので、株式会社エヌ・エヌ・エーより掲載許諾をとっています。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:土谷、曺(チョウ)、柳(ユ)
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195

ご相談・お問い合わせ

現地日系企業の皆様

最寄りのジェトロ事務所にご連絡ください。

マイリスト マイリストを開く 追加

閉じる

マイリスト
マイリスト機能を使ってみませんか?
ジェトロ・ウェブサイトのお好きなページをブックマークできる機能です。
ブックマークするにはお好きなページで追加ボタンを押してください。