日本からの輸出に関する制度

ペットフードの輸入規制、輸入手続き

インドネシアの食品関連の規制

1. 製品規格

調査時点:2025年8月

ペットフードのうちキャットフードについては、インドネシア国家規格(SNI)にSNI 9155:2023「キャットフード」(有料、関連リンクより購入可能)があり、品質要件としてタンパク質や脂質、ミネラル、ビタミンの含有基準値が次のように示されています。

  1. タンパク質:幼児期/成長期(年齢12カ月まで)用は最低30%、成猫用(年齢12カ月超)は最低26%
  2. 脂質:幼児期/成長期用、成猫用とも最低9%
  3. マクロミネラル:
    • カルシウム:幼児期/成長期用は最低1%、成猫用は最低0.6%
    • リン:幼児期/成長期用は最低0.8%、成猫用は最低0.5%
    • ナトリウム:幼児期/成長期用、成猫用とも最低0.2%
    • マグネシウム:幼児期/成長期用は最低1%、成猫用は最低0.6%
  4. ビタミン
    • ビタミンA:幼児期/成長期用は最低6,668 IU/kg、成猫用は最低3,332 IU/kg
    • ビタミンD:幼児期/成長期用、成猫用とも最低280 IU/kg
    • ビタミンE:幼児期/成長期用、成猫用とも最低40 IU/kg
    • ビタミンK:幼児期/成長期用、成猫用とも最低0.1mg/kg
    • ビタミンB1(チアミン):幼児期/成長期用、成猫用とも最低5.6mg/kg

注:1,2,3についてはいずれも100グラム中に含まれる最低値の割合(%)で、4については1キログラム当たりに含まれる最低値の国際単位(IU/kg)またはミリグラム(mg/kg)で表示されています。

ただし、SNI 9155:2023について、調査時点では任意適用であり、強制適用はされていません。

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2025年8月

ペットフードに対する残留農薬/動物用医薬品規制は、調査時点ではありません

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2025年8月

ペットフードは、細菌と重金属の規制対象となります。細菌混入の許容範囲は、農業大臣規則2023年第17号に、ウエット・ペットフード、ドライ・ペットフードとも、次のように定められています。

サンプル量1単位250g

  1. サルモネラ属菌(サンプル数5、サンプル数の超過は認められない)
    下限値は適用なし、上限値は陰性/25g中
  2. b. 腸内細菌科(サンプル数5、超過が認められるサンプル数2)
    下限値は1×10の1乗コロニー/g
    上限値は1×10の2乗コロニー/g
  3. c. 生菌数(同上)
    下限値は1×10の2乗コロニー/g
    上限値は1×10の4乗コロニー/g
推奨される判断基準
サンプル数が、超過が認められるサンプル数までの場合で、
検出された細菌数が下限値に満たない場合→製品承認
検出された細菌数が許容範囲内の場合→製品承認
サンプル数が、超過が認められるサンプル数を超えており、検出された細菌数が上限値を超えている場合→製品却下

なお、ペットフードのうちキャットフードについては、インドネシア国家規格(SNI)9155:2023『キャットフード』(有料、関連リンクより購入可能)に、細菌の混入許容値が次のように示されています。

  1. ドライ・キャットフード:サンプル量1単位250g
    • サルモネラ菌(サンプル数5、サンプル数の超過は認められない)
      適正なプロセスを経たと認められる上限値は陰性/25g中
      細菌最大値は適用なし
    • 生菌数(サンプル数5、超過が認められるサンプル数2)
      適正なプロセスを経たと認められる上限値は1×10の2乗コロニー/g
      細菌最大値は1×10の4乗コロニー/g
  2. セミモイスト/ウエット・キャットフード:サンプル量1単位250g
    • サルモネラ菌(サンプル数5、サンプル数の超過は認められない)
      適正なプロセスを経たと認められる上限値は陰性/25g中
      細菌最大値は適用なし
    • ウエルシュ菌(サンプル数5、超過が認められるサンプル数1)
      適正なプロセスを経たと認められる上限値は1×10の2乗コロニー/g
      細菌最大値は1×10の4乗コロニー/g
    • プレート総数(サンプル数5、超過が認められるサンプル数2)
      適正なプロセスを経たと認められる上限値は1×10の3乗コロニー/g
      細菌最大値は1×10の5乗コロニー/g

また、SNI 9155:2023『キャットフード』には、重金属汚染の規制値が次のように定められています。

  1. カドミウム(Cd):幼児期/成長期(年齢12カ月まで)用、成猫(年齢12カ月超)用とも2mg/kg
  2. 鉛(Pb) :同上5mg/kg
  3. ヒ素(As) :同上10mg/kg
  4. 水銀(Hg) :同上0.3mg/kg

このほか、SNI 9155:2023『キャットフード』では、アフラトキシンの上限値が、幼児期/成長期用(年齢12カ月まで)、成猫用(年齢12カ月超)とも20µg/kgに定められています。

ただし、SNI 9155:2023『キャットフード』について、調査時点では任意適用であり、強制適用はされていません。

4. 飼料添加物

調査時点:2025年8月

ペットフードに対する添加物規制は、調査時点ではありません。

5. 製品包装(製品容器の品質または基準)

調査時点:2025年8月

ペットフードの包装については農業大臣規則2021年第15号により、原産国で包装されてラベル表示を有していること、特別かつ安全ならびにペットフードを汚染しない性質の原料で作られた包装であること、が条件となっています。

なお、ペットフードのうちキャットフードについては、インドネシア国家規格(SNI)9155:2023『キャットフード』(有料、関連リンクより購入可能)に、キャットフードの包装には、耐水性があり、内容物を汚染することなく、内容物の品質と安全性を落とさず、保存や輸送時に壊れたりしない原材料を使用することと規定されています。具体的には、包装の種類を次のように定めています。

  1. ドライ・キャットフード
    • 一次包装:プラスチック、アルミホイル、紙、ガラス
    • 二次包装:カートン、耐水性のある麻袋、プラスチック
    • 製品の品質と安全性の条件を満たす前記以外の原材料
  2. ウエット/セミモイスト・キャットフード
    • 一次包装:アルミホイル、缶、パウチ/プラスチック・レトルト、ガラス
    • 二次包装:カートン
    • 製品の品質と安全性の条件を満たす前記以外の原材料

ただし、SNI 9155:2023『キャットフード』について、調査時点では任意適用であり、強制適用はされていません。

6. ラベル表示

調査時点:2025年8月

農業大臣規則2021年第15号により、ペットフード(キャットフードを除く)のラベルには少なくとも次の事項を、インドネシア語と英語で表示することが定められています。

  • 輸出先の国名“Indonesia”
  • 輸出事業所の名称と住所
  • 輸出事業所の登録番号(Establishment Number)
  • 製造日
  • 内容量、種類および特徴
  • ロット番号と消費期限
  • 注意文“Hanya digunakan untuk keperluan Makanan Hewan Kesayangan”(『ペットフードとしてのみ使用可能』の意)

※大臣規則において、表示の文字(大きさ、フォント)、原材料表示、アレルゲン、遺伝子組み換え原料の表示、ロット番号、内容量の許容誤差(閾値)、製造日および消費期限の表示方法についての規定は特にありません。

なお、ペットフードのうちキャットフードについては、インドネシア国家規格(SNI)9155:2023『キャットフード』(有料、関連リンクより購入可能)に、ラベルは壊れにくい素材で作成され、次の事項を、見やすい場所に、インドネシア語を使用して、読みやすく記載あるいは印刷しなければならないとされています。

  1. 商標
  2. 製造者、輸入者の名称と住所
  3. ペットフードの種類(幼児期/成長期用(年齢12カ月まで)/成猫用(年齢12カ月超))
  4. 栄養成分(タンパク質と脂質)
  5. 構成/原材料
  6. 内容量
  7. 推奨される1日の摂取量
  8. 保存方法
  9. 製造コード
  10. 消費期限

ただし、SNI 9155:2023『キャットフード』について、調査時点では任意適用であり、強制適用はされていません。

7. その他

調査時点:2025年8月

なし

インドネシアでの輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2025年8月

農業大臣規則2021年第15号により、ペットフードの輸入にはインドネシア農業省から輸入推薦状を取得することが義務付けられています。輸入推薦状の申請は、次の書類を添付し、農業省管轄下の農業許認可・作物多様化保護センター(PPVTPP)を通じて農業省畜産・家畜衛生総局あて、オンライン(SIMREK PKH)で行うこととされています。

  • 一般輸入業者事業者番号(API-U)として有効な事業者基本番号(NIB)
  • 納税者番号(NPWP)
  • 会社代表者の身分証明書
  • 会社の設立証書と直近の会社定款変更証書
  • 蔵置場を占有している旨の説明書とその証明書類
  • 施設番号(NKV)と蔵置場の評価結果
  • 州政府からの推薦状
  • 原産国の認定試験所が発行した分析証明書
  • 原産地証明書
  • 原産国の当局が発行した衛生証明書
  • ハラール認証(あれば)
  • 輸入推薦状に関わる法的問題を抱えていない旨の証明書
  • 提出した書類が正しく、正当である旨の誓約書

条件を満たしたと認められた申請に対し、畜産・家畜衛生総局は農業大臣名義で輸入推薦状を発行します。発行された輸入推薦状はPPVTPPに回され、PPVTPPが通関ポータルサイトのインドネシア・ナショナル・シングル・ウインドウ・システム(INSW)を通じて商業大臣に提出するとともに、申請者へも通知します。輸入推薦状には少なくとも次の項目が記載されます。

  1. 推薦状の番号
  2. 推薦状の有効期間
  3. 事業者の名称とNPWP、および住所
  4. 冷蔵倉庫(コールドストレージ)の所在地
  5. 申請書の番号と日付
  6. 原産国
  7. 事業所(establishment)の名称と番号
  8. 製品のHSコードと説明、HSコードごとにキログラム(kg)で示された数量を含む
  9. 動物公衆衛生の技術条件
  10. 搬入地
  11. 使用目的

輸入推薦状の有効期間は発行日から6カ月です。

なお、農業大臣規則2021年第15号は、輸入推薦状を取得した事業者に対し、発行日から3カ月以内に商業大臣の輸入承認(PI)を申請することを義務付けています。一方、農畜産物の輸入規制を定めた商業大臣規則2025年第18号(商業大臣規則2025年第31号による改正)には、ペットフードの輸入にPIの取得を義務付ける規則はありません。商業省へのヒアリングにおいても、ペットフードの輸入にPIは不要である旨の回答が得られました。ただし、農業省への確認によれば、PIは不要であっても、農業省の輸入推薦状の取得は引き続き必要とされているとのことでした。

このほか、インドネシア検疫庁規則2024年第1号(インドネシア検疫庁規則2025年第5号で変更)により、ペットフード(品目の定義で挙げたHSコードに該当するペットフード)の輸入には動物検疫が課されており、検疫により問題がないことが証明された旨の証明書(文書コードKH.2)を取得した後に、国内の関税地域へ搬出できます。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2025年8月

ペットフード(「品目の定義」で挙げたHSコードに該当するペットフード)を輸入する際の手順は次のとおりです。

  1. インドネシアの輸入者は、農業省から輸入推薦状を取得する。
  2. 動物検疫(※品目の定義で挙げたHSコードに該当するペットフードが対象)
    1. 輸出国にて輸出者は、動物検疫証明書と分析証明書を用意する。
    2. 輸出国にて輸出者は、インドネシア検疫庁のポータルサイトPRIOR NOTICEを通じて積載船舶の出航前までに、安全性検査のための事前通知(Prior Notice)を提出する。
    3. インドネシアにて輸送業者は、積載船舶の到着2日前までに船卸港の検疫官に対し、インドネシア・ナショナル・シングル・ウインドウ(INSW)システムを通じてアプリケーション「Quarantine Manifest Information」へ運送手段船荷証明書を提出する。同証明書には少なくとも次の項目が記載される。
      • 輸送機関の名称
      • HSコード
      • ペットフードの種類と数量
      • 原産国
      • コンテナ番号
      検疫官はこの運送手段船荷証明書を基にリスク分析を行い、検疫対象のペットフードの分類とカテゴリーを決定する。分類とカテゴリーは、検疫対象物の種類と原産国での動物疫感染ステータスに従って、搬入禁止と低・中・高リスクのいずれかに決定される。農業大臣規則No.12/Permentan/OT.140/3/2015によると、原産国の動物疫感染ステータスに問題がない限り、ペットフードのカテゴリーは低リスクに分類される。
    4. インドネシアの輸入者は、貨物の到着2日前までにオンラインにて検疫検査申請を行って貨物の到着を申告し、船卸港の検疫官にペットフードの引き渡しを行う。
    5. 船卸港の検疫官は、提出された申請書類が正しく、不備がないか、審査する。
    6. 船卸港の検疫所管理者は、検疫官と輸入者またはその代理人に、コンテナの準備完了をオンラインにて通知する。
    7. 船卸港の検疫官は、コンテナ準備完了の通知から1時間以内に検疫検査を開始し、提出された書類と検疫対象のペットフードが適合しているか、検疫対象のペットフードが法令で定められた衛生条件を満たしているか、検査する。検疫に要する時間は、低リスクに分類されたもので24時間以内。検疫検査には、輸入者またはその代理人が立ち会うことが望ましい。
    8. 検疫所から検疫により問題がないことが証明された旨の証明書(文書コードKH-2)が出たら(低リスクに分類されたものは1日で発行)、貨物を検疫所から搬出することができる。この証明書はINSWシステムにアップロードされる。
  3. 輸入関税および租税を納付
    輸入品のHSコードを特定して関税率表でその関税率を確認し、必要な租税と一緒に金額を計算した後、関税総局の通関サービス利用者オンラインで請求明細書を取得して銀行などで納付し、関税・租税納付書(SSPCP)を取得する。
  4. 輸入申告
    輸入申告書(PIB)に次の書類を添付し、船卸港の税関に提出して申告書登録番号を受ける。
    • 関税・租税納付書(SSPCP)
    • インボイス
    • パッキングリスト
    • 船荷証券
    • 輸入推薦状
    • 原産国の当局が発行した衛生証明書(輸入推薦状の番号を記載)
    • 分析証明書
    • 原産地証明書
  5. 書類審査
    船卸港の税関が申告内容や添付書類、輸入関税の計算等を審査。
  6. 搬出許可(SPP)を取得

これらの検査を経て船卸港の税関から搬出許可が出た後、貨物を引き取ることができます。

なお、航空貨物輸送においても同様の手続きを行います。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2025年8月

農業大臣規則2021年第15号により、ペットフードは、インドネシアに搬入された際に動物検疫(「品目の定義」で挙げたHSコードに該当するペットフードが対象)を受けることが規定されています。農業大臣規則No.12/Permentan/OT.140/3/2015(農業大臣規則No.05/PERMENTAN/KR.020/3/2017で変更)によると、検疫手順は次のとおりです。

  1. 輸送業者は、輸入港到着の遅くとも2日前までに、輸送機関の名称と、検疫が必要な輸送品のHSコード、種類と数量、原産国、コンテナ番号などを記載した運送手段船荷証明書を、船卸港の検疫官宛てに、インドネシア・ナショナル・シングル・ウインドウ(INSW)を通じてアプリケーション「Quarantine Manifest Information」へ提出します。
  2. 検疫官は、(1)の運送手段船荷証明書のリスク分析を行い、検疫が必要な輸送品の船卸が禁止されるものではないかどうか、船卸が可能であればリスクレベルは高・中・低のいずれかを決定し、この結果を輸送業者と輸入者あるいは代理人に通知します。ペットフードのカテゴリーは、原産国の動物疫感染ステータスが問題ない限り、低リスクに分類されることになっています。
  3. 一方、輸入者あるいはその代理人も、貨物の到着の2日前までに、インドネシア検疫庁のサイトを通じて検疫申請書を提出します。そして、この検疫申請書を印刷したものに、原産国の当局から発行された衛生証明書、必要な場合は委任状も添付して、船卸港の検疫官に提出します。
  4. (3)の申請と書類について検疫官は、書類に不備がないか、正しい書類であるかなどを審査します。書類に不備があった場合、検査は保留となり、不備がない場合に限り船卸承認フォームが発行されます。
  5. 貨物が到着したら、輸入者は輸入貨物引き渡し表明書を作成して、輸入品を検疫官に引き渡します。
  6. コンテナが検疫所に移動され、検疫準備ができたことが、輸入者あるいは代理人へオンラインにて通知されます。
  7. 輸入者あるいは代理人の立ち合いのもと、書類検査、コンテナ/梱包検査、官能検査からなる検疫検査が実施されます。官能検査で必要と認められた場合はラボラトリー試験に回されることもあります。
  8. (7)の検疫検査において、条件が満たされ、ノーリスクと判定された貨物に対し、安全確認証明書(文書コードKH-2)が発行されます。

なお、航空貨物輸送においても同様の手続きを行います。

4. 販売許可手続き

調査時点:2025年8月

政令2021年第29号により、ペットフードを輸入する事業者が、ペットフードの小売販売も行うことは認められません。ペットフードの輸入事業者は、輸入したペットフードを、ペットフードの小売業者へ卸さなければなりません。

ペットフードの販売に際して製品登録を求める規則は、調査時点ではありません。

5. その他

調査時点:2025年8月

農業大臣規則2021年第15号はハラール認証を受けたペットフードと同認証を受けていないペットフードの混載輸送を禁じています。

その他

調査時点:2025年8月

ハラール認証

ハラール認証は、ハラール製品保証実施庁(BPJPH)に認定された国内外の認証機関が審査し、発行します。ハラール認証を受けた製品は、次に掲載したハラール・ラベルの表示が必要です。逆にハラールでない製品は、ハラールでない旨を製品に表示することが義務付けられています。
なお調査時点では、ペットフードはハラール表示義務化の対象ではありませんが、ハラール免除製品にも含まれていません。今後の規制動向を注視する必要があります。