知的財産ニュース 相互引用約束で引用数を引き上げる大学学報、質の低さで「ゴミ起源」と言われる

2013年4月11日
出所: 中国青年報

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国内で発行されている9000種類以上の雑誌に人文科学雑誌が2800種類を超えており、およそ4分の1を占める。さらに人文科学雑誌の半分は大学の発行する学報。しかし、論文の産出数と影響力は反比例だ。「中国学術雑誌総合引証報告」の統計によれば、大学学報の平均インパクトファクター(IF)は0.1102で、学術雑誌全体の平均値0.2227の半分にも及ばなかった。

論文総数は米国を抜き世界一になったが、引用率ランキングでは100位以下。南京大学の叶継元·教授が2006年に行なった調査で、当時の人文科学雑誌2700種のうち、過去7年に一度も引用されなかった雑誌は約500種もあったことがわかった。一方、引用率を高めるために、過去に掲載した論文の引用回数を発表要件として作者に強要したり、相互引用を約束したりする学報もある。

このような「循環」で生まれた高引用数の論文には実に質が低いものも少なくない。論文評価の体系に混乱がもたらされ、「大学学報は最大のゴミ起源」と揶揄する有識者もいる。

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