知的財産ニュース 香港紙:中国のイノベーション能力は過大評価されている

2013年1月6日
出所: 新華網

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香港「南華早報」誌が1月4日に世界知的所有権機関(WIPO)の発表したデータを引用して報道したところによると、中国国家知識産権局の2011年に受理した特許出願件数が52万6000件余りで、米国特許商標庁の50万3582件を上回り世界最多となった。2000年以降、中国の特許出願数は何倍にも膨れ上がっており、中国政府の目標数値である「2015年に200万件突破」も夢ではない。特許出願件数の急増で中国のイノベーション能力が証明されたともみられているが、実はその能力は過大評価されたと同紙が指摘している。

国籍別にみれば、2011年に中国人権利者の世界各国に提出した特許出願が43万6千件で、特許出願件数が最も多かった日本の47万2千件を下回っている。また、登録件数については、中国国家知識産権局は2011年に50数万件の出願を受理したが、登録件数が17万2千件だけ。しかもこの内35%が外国権利者からの出願だった。

世界全体でみると、2011年に特許出願数は中国が世界一だが、実際に特許を取得した数は日本が30万件で世界一であり、20万件の米国が2位、中国は3位だ。EU(欧州連合)加盟国を1つの集合体とみなせば、中国は4位に後退する。つまり、中国の特許出願は数が多いだけで、中身が伴わないものが多いということだ。

また、中国はデジタル通信分野で大量の特許出願を提出したが、太陽エネルギー、風力、地熱分野での特許出願が世界全体のわずか10%、燃料電池分野での特許出願がたったの3%に過ぎないように、先端技術分野でのイノベーション能力の不足が伺える。

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