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2013年8月12日
出所: 毎日経済新聞

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中国のネオジウム磁石企業が米国で日立金属を提訴する構え、「特許を不合理に独占」


 中国でレアアース磁石の一種、ネオジウム磁石を生産する中規模の企業10数社が手を結び、日本の日立金属に挑戦状をたたきつけた。日立金属がネオジウム磁石に関する特許を「不合理に独占している」として、米国で訴える準備を進めているという。

訴えに参加する中国企業、愛発科中北真空(瀋陽)有限公司の孫宝玉董事長は11日、「自ら勝ち取りに行けば勝算は大きいだろう。行かなければ生き残れない」と話した。

同社など10社余りが協力して連盟を立ち上げ、各社が150万米ドルを出資して、海外での訴訟のために2000~3000万米ドルを用意する。企業数は20社まで増える可能性があるという。

事件の発端は、2012年8月、日立金属が中国、米国など企業29社を相手にネオジウム磁石の製法について、特許を侵害しているとして米国際貿易委員会(ITC)に提訴したことだ。中国企業は煙台正海磁材、寧波金鶏、安徽大地熊新材料と香港創科実業の4社が被告となった。

ネオジウム磁石はレアアースの川下製品のひとつで、モーターや風力発電機、自動車部品などに幅広く応用されている。中国のレアアース永久磁石生産量は世界一で、2012年には8.96万トンだった。国内にはネオジウム磁石メーカーが200社ほどあり、その多くが中小企業だ。

日立金属のネオジウム磁石に関する基本特許は、14年に有効期間が満了して失効する予定。これに合わせて市場争奪戦の活発化も見込まれている。

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