知的財産ニュース 拡大する中国高速鉄道市場、基幹部品はすべて輸入に依存=中国メーカーも開発急ぐ

2013年10月10日
出所: 毎日経済網

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中国で急速に整備されている高速鉄道網。車両も海外の技術を吸収、消化した「国産」車両と発表されている。しかし、時速160km以上の高速列車に使用されているベアリングはいまだ100%輸入品に頼っている。

国務院は今年7月、中国鉄道の固定資産投資を年初の6500億元から6900億元に増やすことを決めた。今後2年間の年間平均投資額も7000億元と、2009年の水準を回復した。その中で、高速鉄道への投資の恩恵を受けている中国企業は多くない。車輪や車軸、ベアリングなどの基幹部品は輸入に頼っているからだ。

「かつて客車の90%、貨車の60%は馬鋼の車輪が使われていた。今、高速鉄道を動かしている車輪はすべて輸入品だ」。老舗の車輪メーカー馬鋼の幹部はこう嘆いている。

車輪だけではない。車軸も、日本、スウェーデン、ドイツのメーカーのものが使われている。鉄道用電子部品を供給している外資系企業関係者は「高速鉄道の電気部分の技術は、中国企業はまだまだ遅れている」と明かした。外国企業が中国企業と合弁企業を設立する動きも活発だが、外国企業はコア技術の移転には積極的でなく、基幹部品は依然として輸入頼みになっている。

もっともこうした状況にも変化が生じつつある。高速鉄道建設の加速をにらみ、中国メーカーも核心技術の研究開発にこれまで以上に力を入れている。ベアリングメーカーも技術開発を進めており、従来は製造できなかった製品を生み出し続けている。

中国北車の関係者は「車体の自主生産実現後、当社はエアースプリングなど車両関連技術の自主生産を目指している」と語る。

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