関係法令

食品安全国家基準「包装済み食品栄養ラベル通則」の公布に関する公告

【法令名称】
食品安全国家基準「包装済み食品栄養ラベル通則」の公布に関する公告
【発布機関】
衛生部
【発布番号】
衛生部公告2011年第24号
【発布日】
2011-10-12
【施行日】
2013-01-01

法令紹介

主旨と目的

「食品安全法」と「食品安全国家基準管理弁法」等の要求を貫徹する(文頭)。

内容のまとめ
衛生部は本法令にて食品安全国家基準「包装済み食品栄養ラベル通則」(GB 28050-2011、以下「『通則』」という)を公布した。「通則」について下記の通り、簡潔に紹介する。

適用範囲(「通則」「1範囲」)
  • 包装済み食品栄養ラベル上の栄養情報の記載と説明に適用する。
  • 保健食品及び包装済み特殊用途食品の栄養ラベル表示に適用しない。
包装済み食品栄養ラベルに対する基本要求(「通則」「3基本要求」)
  • 真実、客観的でなければならず、虚偽情報を表示したり、製品の栄養機能或いはその他機能を誇張したりしてはならない。
  • 中国語を使わなければならない。同時に外国語を併記する場合、その内容は中国語と対応しなければならず、また外国語の文字が中国語の文字より大きくなってはならない。
  • 栄養成分表は「升目表」の形式で表示し(特殊事情はこの限りではない)、升目のサイズは任意で、包装の基線と垂直になり、「栄養成分表」を表題としなければならない。
  • 食品栄養成分含有量は具体的な数値で表示しなければならず、数値は原料計算或いは製品測定で得ることができる。
  • 様式について、食品企業は「通則」付録の中から選択することができる。
  • 消費者に提供する最小販売単位の包装につけなければならない。
包装済み食品栄養ラベルの必須表示内容(「通則」「4必須表示内容」)
  • 熱量、主要栄養素(「通則」「2用語と定義」2.4に基づき、たんぱく質、脂質、炭水化物とナトリウムを含む)の含有量数値及び栄養素等摂取目安量(NRV)に対する%。
  • 熱量と主要栄養素を除くその他栄養成分に対して強調表示或いは栄養成分機能表示を行う場合:栄養成分表において当該栄養成分の含有量及び栄養素等摂取目安量(NRV)に対する%を表示しなければならない。
  • 栄養強化剤を添加した場合:栄養成分表において強化剤添加後の食品における当該栄養成分の含有量数値及び栄養素等摂取目安量(NRV)に対する%を表示する必要がある。
  • 食品配合原料に含まれ、または生産過程に水素化と(或いは)部分水素化油脂が使われている場合:栄養成分表においてトランス脂肪(酸)の含有量も表示しなければならない。
栄養成分の表示方法(「通則」「6栄養成分の表示方法」)
  • 熱量と栄養成分の含有量は100グラム(g)当たりと(或いは)100ミリリットル(mL)当たりと(或いは)1食分当たり食品可食部中の具体的な数値で表示しなければならない。
  • 食分で表示する場合、1食分当たり食品の量を表示しなければならない。食分の量は食品の特徴或いは推奨量により定めることができる。
  • 製品の品質保証期間内に、熱量と栄養成分含有量の許容限度は「通則」表2「熱量と栄養成分含有量の許容限度」の規定を満たさなければならない。
栄養ラベル必須表示が免除される包装済み食品(「通則」「7栄養ラベル必須表示が免除される包装済み食品」)
  • 生鮮食品。
  • エタノール含有量≥0.5%のアルコール飲料。
  • 包装総表面積≤100cm2或いは最大表面積≤20cm2の食品。
  • 即時製造販売の食品。
  • パックされた飲料水。
  • 一日の食用量≤10g或いは10mLの包装済み食品。
  • その他法律法規の基準で栄養ラベルを表示しなくてもよいと定められている包装済み食品。
栄養ラベルの必須表示を免除される包装済み食品はその包装において何らかの栄養情報が表示される場合、本基準により実施する。
「通則」の表と付録 (一)表:
  • 表1:熱量及び栄養成分名称、順番、表示単位、四捨五入の決まりと「0」の定義
  • 表2:熱量及び栄養成分含有量の許容限度
(二)付録:
  • 付録A:食品ラベル栄養素等摂取目安量(NRV)及びその使用方法
  • 付録B:栄養ラベルの様式
  • 付録C:熱量、栄養成分含有量表示及び比較強調表示の要求、条件と同義語
  • 付録D:熱量及び栄養成分機能表示基準用語

日系企業への影響
「通則」は中国で公布された最初の食品栄養ラベル国家基準である。「通則」の公布前、衛生部は2007年に部門規則の「食品栄養ラベル管理規範」(以下「『管理規範』」という)を打出していた。その後、衛生部は2010年4月に「包装済み食品栄養ラベル基準」(以下「『基準』」という)を公布し且つパブリックコメントを募集した。意見募集案の説明においては、「『基準』(意見募集案)は新基準に該当し、基準施行後『管理規範』を代替する」と明確にされていたが、最終的に公布された際には、基準名称は「基準」から「通則」へと変更され、同時に基準の具体的な内容も「基準」(意見募集案)をベースに大きな修正と簡略化を行った。なお、「基準」(意見募集案)の全体構造と一部の付録は基本的に「通則」に継承された。

「管理規範」の代替として、「管理規範」と比較したら、「通則」の主な修正箇所は下記の通りである。

  • 「栄養素」等定義の調整。「重要栄養成分」等の概念を取り入れなかった。
  • 包装済み食品栄養ラベルの必須表示内容と任意表示内容のすべてを追記、明確にし、且つ栄養強化剤使用等場合の別途必須表示内容を明確にした。
  • トランス脂肪酸の含有量は任意表示から必須表示へと変更した。
  • 栄養ラベル必須表示が免除される包装済み食品には、「パックされた飲料水」と「最大表面積≤20cm2の食品」が加わり、また「生鮮食品」をもってもとの「パックされた生肉、生魚、生野菜と果物」を代替した。
  • 栄養ラベルは消費者に提供する最小販売単位の包装につける旨を明確にした。
  • 栄養ラベルの「0」の定義及び様式などの細かいところまで多大な調整を行った。

外商投資企業(日系企業を含む)、特に包装済み食品の生産、加工、流通、輸入等を行う企業にとっては大きな影響をもたらす。これらの企業は「通則」の要求を検討の上実施し、相応に包装済み食品の栄養ラベルを調整する必要がある。また、遅くとも2013年1月1日より「通則」を正式に実施せざるを得ない。


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