中国での食品関連の規制
1. 食品規格
中華人民共和国国家標準「GB/T 31216-2014ペット用総合栄養食 ドッグフード」は、犬用総合栄養食の定義、製品に対する要求、試験方法、検査規則、表示ラベルおよび包装、輸送、貯蔵および品質保証期限に関するものについて詳細に規定しています。
中華人民共和国国家標準「GB/T 31217-2014ペット用総合栄養食 キャットフード」は、猫用総合栄養食の定義、製品に対する要求、試験方法、検査規則、表示ラベルおよび包装、輸送、貯蔵および品質保証期限に関するものについて詳細に規定しています。
また、中華人民共和国国家標準「GB 23185-2008ペットフード 犬用ガム」は、犬用ガムの原材料、技術的要求、添加物、試験方法、検査規則および識別表示マーク、包装、輸送、貯蔵および品質保証期限などについて規定しています。
詳しくは、関連リンクを参照してください。
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根拠法等
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中華人民共和国国家標準GB/T 31216-2014ペット用総合営養食 ドッグフード
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中華人民共和国国家標準GB/T 31217-2014ペット用総合営養食 キャットフード
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中華人民共和国国家標準GB 23185-2008ペットフード 犬用ガム
※根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
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関連リンク
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【中国】ペットフードの輸入規制、輸入手続き関連リンク
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2. 残留農薬および動物用医薬品
「ペットフード衛生規定」には、一部のペットフードの残留農薬基準値について次のように定めています。DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)は0.05mg/kgを超えてはならず、ヘキサクロロシクロヘキサン(HCH)中のα-HCHおよびγ-HCHは0.02mg/kgを超えてはならず、β-HCHは0.01mg/kgを超えてはなりません。詳しくは当該規定の原文を参照してください。
農業部(現・農業農村部)が2017年に発表した「ペット用動物医薬品説明書見本」には183種類のペットフード用動物用医薬品の説明書見本が記載されています。ペットに使用可能な医薬品リストについては当該文書原文を参考してください。
3. 重金属および汚染物質
「ペットフード衛生規定」には、ペットフードに適用する具体的な検査内容、指標および試験方法について明確に規定されています。特に検査内容には、カドミウム、クロム、水銀、鉛などの重金属、無機ヒ素、メラミン、マイコトキシン、フィトトキシン、有機塩素化合物、微生物などがあります。詳しくは当該規定の原文を参照してください。
中華人民共和国国家標準「GB/T 31216-2014ペット用総合栄養食 ドッグフード」および中華人民共和国国家標準「GB/T 31217-2014ペット用総合栄養食 キャットフード」には、ドッグフードおよびキャットフードの衛生基準について次のように定めています。
項目
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指標
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フッ素/(mg/kg)
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≤150
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カドミウム/(mg/kg)
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≤2
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水銀/(mg/kg)
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≤0.3
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鉛/(mg/kg)
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≤5
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総ヒ素(As)/(mg/kg)
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≤10a(うち無機ヒ素の含有量は2mg/kgを超えてはならない)/td>
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≤2b
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アフラトキシンB1/(μg/kg)
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≤10
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細菌総数/(CFU/g)
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<1×104 c
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サルモネラ菌(25gごと)
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検出されてはならない
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微生物
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ビジネス上の無菌要求に合致するd
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中華人民共和国国家標準「GB 23185-2008ペットフード 犬用ガム」には、犬用ガムの微生物指標について次のように定めています。
項目
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指標
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大腸菌/(個/g)
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<300
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サルモネラ菌
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検出されてはなりません
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また、ペットフードに含まれる動物由来成分において、肉骨粉、チキンミールおよび魚粉がよく使用されています。
「GB/T20193-2006飼料用骨粉及び肉骨粉」に基づき、飼料として使われる骨粉および肉骨粉には、サルモネラ菌が検出されてはなりません。また、各成分の含有量について、次のとおり規定しています。
成分
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含有量
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クロム
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≤5 mg/kg
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総リン
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≥3.5%
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粗脂肪
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≤12.0%
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粗繊維
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≤3.0%
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水分
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≤10.0%
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カルシウム
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総リン含有量の180~220%でなければなりません
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また、「GB/T 19164-2003魚粉」に基づき、飼料として使われる魚粉からは、サルモネラ菌、寄生虫が検出されてはならず、真菌濃度は3×103(cfu/g)以下でなければなりません。
4. 食品添加物
「飼料添加物品目リスト」(2013年版)では、生産、販売、使用する栄養補助用飼料添加物および一般添加物は、いずれも当該リスト収載の品目の添加物でなければならないと定めています。
ペットフードに使用される添加物は次のとおりです。
種類
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通用名
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ビタミンおよびビタミン様物質
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L-カルニチンL-酒石酸塩
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防腐剤、防かび剤およびPH調整剤
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ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、縮合リン酸Na3HP2O7.nH2O
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着色料
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タートラジン、サンセットイエロー、アルラレッド、ニューコクシン、インディゴ、二酸化チタン、カラメル色素(亜硫酸+アンモニウム化合物製法)、エリスロシン
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粘結剤、固化防止剤、安定剤および乳化剤
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カラギーナン、カシアガム、ローカストビーンガム、ペクチン、微結晶セルロース
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その他
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コンドロイチン硫酸
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なお、2018年12月には58品目のペットフード用添加物(特に犬・猫用)が追加された「飼料添加物品目リスト(2013年版)改正案」に対してパブリックコメントが行われましたが、現段階では決定されていません。
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根拠法等
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飼料添加物品目リスト(2013年版)
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飼料原料リスト
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「飼料添加物品目リスト」「飼料原料リスト」改正への意見募集に関する農業部の通知
※根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
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関連リンク
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【中国】ペットフードの輸入規制、輸入手続き関連リンク
(339KB)
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5. 食品包装(食品容器の品質または基準)
「飼料及び飼料添加物管理条例」第20条、第23条および第24条には、販売される飼料および飼料添加物の包装について次のとおり規定しています。
- 販売を目的とする飼料、飼料添加物は安全性、衛生に関する中国の関連規定に従い、包装しなければなりません。
- 燃えやすい素材またはその他の特殊な性質を持っている飼料、飼料添加物の包装には、警告マークまたは注意説明を印刷し、かつ貯蔵・輸送時の注意事項について明記しなければなりません。
- 飼料、飼料添加物の包装上には表示ラベルを付さなければなりません。
- 販売者は、飼料、飼料添加物の包装を開封し、小分け包装にしてはなりません。また、飼料、飼料添加物を再加工してはならず、いかなる物質であっても中に加えてはなりません。
- 中国に輸出する飼料、飼料添加物は包装しなければなりません。包装と表示ラベルが中国の関連規定に合致していない場合は、輸入することができません。
6. ラベル表示
「ペットフード管理弁法」第8条に基づき、ペットフード製品の包装には表示ラベルをつけなければなりません。表示ラベルは「ペットフード表示ラベル規定」の要求に合致しなければなりません。
「ペットフード表示ラベル規定」および「飼料及び飼料添加物管理条例」第21条、第24条に基づき、ペットフードの表示ラベルには、次の内容を含む必要があります。
- 「ペットフード管理弁法」第8条に基づき、ペットフード製品の包装には表示ラベルをつけなければなりません。表示ラベルは「ペットフード表示ラベル規定」の要求に合致しなければなりません。 「ペットフード表示ラベル規定」および「飼料及び飼料添加物管理条例」第21条、第24条に基づき、ペットフードの表示ラベルには、次の内容を含む必要があります。
- ペットフード製品の一般名を表示ラベルの主要部分に表記しなければなりません。添加物およびその他のペット用飼料も同様です。
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- 原材料の組成(当該製品の生産に使用された飼料原材料の品目または種類を、使用量の多い順に記載)
- 輸入製品再検査報告書の番号(※2)
- 製品成分保証分析値(※3)
- 正味含有量
- 保存方法
- 製品の使用説明(推奨の給餌量または給餌法)
- 使用上の注意事項
- 製造年月日(原産地での製造年月日を中国語表示ラベルに印字する)
- 品質保持期限
- 中国語で原産国(地域)を表示しなければなりません。
配合飼料およびプレミックス飼料には、輸入登記証に記載されている情報(登記証番号、製造事業者名、生産所在地および当該製品の中国国内において登録済みの販売機構名、住所および連絡先)をラベルに表示する必要があります。その他のペットフード製品には、輸入登記証番号を除く前述の情報をラベルに表示する必要があります。
- 製品に遺伝子組み換え成分が含まれる場合は、関連法令に基づき、表示ラベルに遺伝子組み換え成分を使った主な原材料の名称を表記しなければなりません。
- 薬物(医薬品)性飼料添加物が添加されている場合は、「薬物入り飼料添加物」と表記したうえ、その一般名、含有量および休薬期間を明記しなければなりません。
- 乳または乳製品以外の動物由来成分が含まれる飼料には、「当該製品は反芻動物には給与してはいけません」と明記しなければなりません。
(※1)生産事業者自ら作成。自社が生産した製品の品質を証明するため、ペットフード包装の内部に入れるか、または包装の表面に貼付する。
(※2)農業農村部は、輸入飼料・飼料添加物登記証の申請資料を受理・審査し、合格の判断を下す場合は、申請者に対し、飼料の検体を指定機構に送付し、検査(二次審査)を受ける旨の通知を行う。「輸入製品再検査報告書」とは、当該検査後に、検査機構から発行される報告書のことを指す。
(※3)「ペットフード表示ラベル規定」付録4では配合飼料の成分保証分析値について定めている。それによると、配合飼料の成分の表示項目には少なくとも粗タンパク質、粗脂肪、粗繊維、水分、粗水分、カルシウム、総リン、水溶性塩化物、リジン(ドッグフードに適用)、タウリン(キャットフードに適用)を含まなければならない。具体的な表示方法などについては、当該規定の原文を参考のこと。
「輸出入飼料及び飼料添加物検査検疫監督管理弁法」第25条に基づき、ばら積み輸送の輸入飼料について、輸入企業は税関の指定する場所でそれを包装し、かつ表示ラベルを付してから通関することができます。直接税関が指定する生産、加工企業に搬入し、飼料生産に使用する場合は、表示ラベルを付す必要はありません。
動物由来成分が含まれる飼料の使用範囲について、中国による制限がある場合は、該当する飼料の包装に使用範囲を表記しなければなりません。
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根拠法等
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ペットフード管理弁法
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ペットフード表示ラベル規定
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飼料及び飼料添加物管理条例
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輸出入飼料及び飼料添加物検査検疫監督管理弁法
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輸入飼料及び飼料添加物登記管理弁法
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中国国家標準化管理委員会GB 10648-2013飼料表示ラベル
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農業遺伝子組換え生物安全管理条例
※根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
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関連リンク
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【中国】ペットフードの輸入規制、輸入手続き関連リンク
(339KB)
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7. その他