日本からの輸出に関する制度

ペットフードの輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義するペットフードのHSコード

2309:飼料用に供する種類の調製品
2309.10:犬用または猫用の飼料(小売り用にしたものに限る)
2309.90:その他のもの

「飼料及び飼料添加物管理条例」第2条には、飼料および飼料添加物の定義について次のとおり説明しています。
飼料とは工業化加工、製造を経た動物食用の製品およびその原材料を指し、単一の飼料、プレミックス飼料、濃縮飼料、配合飼料および濃縮飼料補充料が含まれます。従って、ペットフードやペット用チューインガムも飼料として、輸入の際に関連規定の規制を受けます。
また、飼料添加物とは、飼料加工、製造、使用にあたって添加される少量もしくは微量の物質を指し、栄養性飼料添加物、一般飼料添加物などが含まれます。

根拠法等
中華人民共和国輸出入税則(2020版)
飼料及び飼料添加物管理条例
輸入飼料及び飼料添加物登記管理弁法
輸出入飼料及び飼料添加物検査検疫監督管理弁法
※根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
関連リンク
【中国】ペットフードの輸入規制、輸入手続き関連リンクPDFファイル(230KB)
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中国の輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2020年6月

東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、新潟県、長野県(10都県)で生産された食品、飼料(ペットフードを含む)は輸入停止中です。10都県以外で製造された食品、飼料については、政府作成の産地証明書が要求されます。詳細は農林水産省のウェブサイトを確認してください。
「輸出入飼料及び飼料添加物検査検疫監督管理弁法」第10条に基づき、税関総署は中国向けに飼料を輸出可能な国(地域)の生産企業について、登録登記制度を実施しています。中国に輸入される飼料は登録登記済みの国外生産企業の製品でなければなりません。税関総署の公式ウェブサイトに公表している「国外ペットフード登録生産加工企業リスト」によると、輸入を許可するペットフードの生産国(地域)に日本が含まれていないため、現状は日本からの輸出はできません。
また、飼料添加物については、税関総署の公式ウェブサイトに公表している「輸入を許可する飼料添加物プレミックス飼料の生産国(地域)の製品及び登録企業リスト」によると、5社の日本企業が生産する8種類の飼料添加物について中国は輸入を認める、となっています。詳細については、当該リストの原文を参照してください。

根拠法等
国外ペットフード登録生産加工企業リスト
「輸入を許可する飼料添加物プレミックス飼料の生産国(地域)の製品及び登録企業リスト」
※根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
関連リンク
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2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2020年6月

飼料、飼料添加物の輸入登記証
「輸入飼料及び飼料添加物登記管理弁法」第3条から第7条、「飼料及び飼料添加物管理条例」第12条などの規定に基づき、初めて中国に飼料、飼料添加物を輸出する場合、生産企業は国務院農業行政主管機関での輸入登記申請を行い、飼料、飼料添加物の「輸入登記証」を取得しなければなりません。輸入登記証を取得していない飼料、飼料添加物は、中国で販売、使用することができません。
  1. 申請者:
    生産企業は、中国に設立した自社の駐在員事務所または中国国内の代理機構(※)に委任して、輸入登記証の申請手続きを行います。
    (※)飼料・飼料添加物輸入登記証の代理申請を専門に行う許認可を持つ第三者機構。中国農業農村部、税関総署などの官公庁ウェブサイトでは、代理申請の許認可を有する当該第三者代理機構のリストを公表していません。詳細は輸入事業者に問い合わせてください。
  2. 申請手続きには、飼料および飼料添加物のサンプル(検体)のほか、次の書類を提出する必要があります(中文・英文併記版のもの、または中文版に英訳文を添付して提出します)。
    1. 飼料および飼料添加物輸入登記申請表
    2. 委任状および中国国内代理機構の許認可証明文書
      輸出事業者が中国に設立した自社の駐在員事務所を通じて登記申請を行う場合は、委任状の原本および「外国企業常駐中国代表機構登記証」の写しを提出します。中国国内の代理機構に登記申請の代行を依頼する場合は、委任状の原本および代理機構の法人営業許可証の写しを提出します。
    3. 輸出国での生産、使用を認める証明文書、およびその他の国(地域)での登記資料、製品の宣伝・使用状況の説明文
    4. 輸入する飼料の製品名称、原材料の構成要素、物理化学的性質、適用範囲、使用方法。輸入する飼料添加物の製品名称、原材料の主な成分、物理化学的性質、製品の供給源、使用目的、適用範囲、使用方法
    5. 製法、品質基準、検査方法および検査報告書
    6. 日本において使用される表示ラベル、商標および中国語表示ラベル見本
    7. 微生物含有の製品または発酵製品に該当する場合は、生産に用いる菌株の保存状況に関する説明文
  3. 有効期間および更新
    同輸入登記証の有効期間は5年間です。期間満了後も、引き続き中国国内での販売を希望する場合、有効期間満了の6カ月前までに更新手続きを行う必要があります。
中国国内の販売機構または販売代理店に関する届出
「輸入飼料及び飼料添加物登記管理弁法」第22条に基づき、国外企業は飼料・飼料添加物の「輸入登記証」を取得してから6カ月以内に、中国国内で販売機構を設立または販売代理店に販売を委託し、かつ国務院農業行政主管機関に届出を行わなければなりません。販売機構および販売代理店に変更が生じた場合は、1カ月以内に国務院農業行政主管機関に変更届出書を提出しなければなりません。
輸入動植物製品の国外生産、加工、保管事業者登録登記
「輸出入飼料及び飼料添加物検査検疫監督管理弁法」第10条に基づき、税関総署が飼料の輸入を許可している国(地域)の飼料生産企業の登録登記制度を実施しています。中国が輸入する飼料は、登録登記済みの国外生産企業から輸出された飼料でなければなりません。輸入規制部分の「1.輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)」において説明したとおり、日本は輸入を許可している国(地域)に含まれていないため、登録手続きは実施できません。一方で、飼料添加物は輸入を許可されているため、登録手続きが実施可能です。
税関総署の公式ウェブサイトに公表している「輸入動植物製品国外生産、加工、保管事業者登録登記」、初めて飼料および飼料添加物の登記申請を行う場合、次の資料を提出する必要があります。
  1. 企業情報:企業名称、住所、輸出国の公的承認番号
  2. 製品登録情報:登録製品の名称、主な原材料、用途など
  3. 公的証明文書:推薦される企業は、輸出国の主管機関から承認されており、生産する製品は輸出国(地域)において自由販売が許可されていることを証明できる文書

国外の公的主管機構は、税関総署に企業登録登記リストを提出し、税関総署より審査合格後、登録が認められます。当該登録登記の有効期間は5年間です。

根拠法等
飼料及び飼料添加物管理条例
輸入飼料及び飼料添加物登記管理弁法
輸入飼料及び飼料添加物登記管理の関連事項に関する公告
輸出入飼料及び飼料添加物検査検疫監督管理弁法
輸入植物製品国外生産、加工、保管事業者登録登記
輸入動物製品国外生産、加工、保管事業者登録登記
国外ペットフード登録生産加工企業リスト
※根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
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3. 動植物検疫の有無

調査時点:2020年6月

中国と日本はペットフードについて二国間検疫条件が整備されておらず、動植物検疫の要否も現状は不明です。

根拠法等
中華人民共和国輸出入動植物検疫法
中華人民共和国輸出入動植物検疫法実施条例
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中国での食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2020年6月

中華人民共和国国家標準「GB/T 31216-2014ペット用総合栄養食 ドッグフード」は、犬用総合栄養食の定義、製品に対する要求、試験方法、検査規則、表示ラベルおよび包装、輸送、貯蔵および品質保証期限に関するものについて詳細に規定しています。

中華人民共和国国家標準「GB/T 31217-2014ペット用総合栄養食 キャットフード」は、猫用総合栄養食の定義、製品に対する要求、試験方法、検査規則、表示ラベルおよび包装、輸送、貯蔵および品質保証期限に関するものについて詳細に規定しています。

また、中華人民共和国国家標準「GB 23185-2008ペットフード 犬用ガム」は、犬用ガムの原材料、技術的要求、添加物、試験方法、検査規則および識別表示マーク、包装、輸送、貯蔵および品質保証期限などについて規定しています。

詳しくは、関連リンクを参照してください。

根拠法等
中華人民共和国国家標準GB/T 31216-2014ペット用総合営養食 ドッグフード
中華人民共和国国家標準GB/T 31217-2014ペット用総合営養食 キャットフード
中華人民共和国国家標準GB 23185-2008ペットフード 犬用ガム
※根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
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2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2020年6月

「ペットフード衛生規定」には、一部のペットフードの残留農薬基準値について次のように定めています。DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)は0.05mg/kgを超えてはならず、ヘキサクロロシクロヘキサン(HCH)中のα-HCHおよびγ-HCHは0.02mg/kgを超えてはならず、β-HCHは0.01mg/kgを超えてはなりません。詳しくは当該規定の原文を参照してください。

農業部(現・農業農村部)が2017年に発表した「ペット用動物医薬品説明書見本」には183種類のペットフード用動物用医薬品の説明書見本が記載されています。ペットに使用可能な医薬品リストについては当該文書原文を参考してください。

根拠法等
ペットフード衛生規定
ペット用動物医薬品説明書見本
※根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
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3. 重金属および汚染物質

調査時点:2020年6月

「ペットフード衛生規定」には、ペットフードに適用する具体的な検査内容、指標および試験方法について明確に規定されています。特に検査内容には、カドミウム、クロム、水銀、鉛などの重金属、無機ヒ素、メラミン、マイコトキシン、フィトトキシン、有機塩素化合物、微生物などがあります。詳しくは当該規定の原文を参照してください。

中華人民共和国国家標準「GB/T 31216-2014ペット用総合栄養食 ドッグフード」および中華人民共和国国家標準「GB/T 31217-2014ペット用総合栄養食 キャットフード」には、ドッグフードおよびキャットフードの衛生基準について次のように定めています。

項目 指標
フッ素/(mg/kg) ≤150
カドミウム/(mg/kg) ≤2
水銀/(mg/kg) ≤0.3
鉛/(mg/kg) ≤5
総ヒ素(As)/(mg/kg) ≤10a(うち無機ヒ素の含有量は2mg/kgを超えてはならない)/td>
≤2b
アフラトキシンB1/(μg/kg) ≤10
細菌総数/(CFU/g) <1×104 c
サルモネラ菌(25gごと) 検出されてはならない
微生物 ビジネス上の無菌要求に合致するd

中華人民共和国国家標準「GB 23185-2008ペットフード 犬用ガム」には、犬用ガムの微生物指標について次のように定めています。

項目 指標
大腸菌/(個/g) <300
サルモネラ菌 検出されてはなりません

また、ペットフードに含まれる動物由来成分において、肉骨粉、チキンミールおよび魚粉がよく使用されています。

「GB/T20193-2006飼料用骨粉及び肉骨粉」に基づき、飼料として使われる骨粉および肉骨粉には、サルモネラ菌が検出されてはなりません。また、各成分の含有量について、次のとおり規定しています。

成分 含有量
クロム ≤5 mg/kg
総リン ≥3.5%
粗脂肪 ≤12.0%
粗繊維 ≤3.0%
水分 ≤10.0%
カルシウム 総リン含有量の180~220%でなければなりません

また、「GB/T 19164-2003魚粉」に基づき、飼料として使われる魚粉からは、サルモネラ菌、寄生虫が検出されてはならず、真菌濃度は3×103(cfu/g)以下でなければなりません。

根拠法等
ペットフード衛生規定
GB/T20193-2006 飼料用骨粉及び肉骨粉
GB/T 19164-2003 魚粉
※根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
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【中国】ペットフードの輸入規制、輸入手続き関連リンクPDFファイル(230KB)
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4. 食品添加物

調査時点:2020年6月

「飼料添加物品目リスト」(2013年版)では、生産、販売、使用する栄養補助用飼料添加物および一般添加物は、いずれも当該リスト収載の品目の添加物でなければならないと定めています。

ペットフードに使用される添加物は次のとおりです。

種類 通用名
ビタミンおよびビタミン様物質 L-カルニチンL-酒石酸塩
防腐剤、防かび剤およびPH調整剤 ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、縮合リン酸Na3HP2O7.nH2O
着色料 タートラジン、サンセットイエロー、アルラレッド、ニューコクシン、インディゴ、二酸化チタン、カラメル色素(亜硫酸+アンモニウム化合物製法)、エリスロシン
粘結剤、固化防止剤、安定剤および乳化剤 カラギーナン、カシアガム、ローカストビーンガム、ペクチン、微結晶セルロース
その他 コンドロイチン硫酸

なお、2018年12月には58品目のペットフード用添加物(特に犬・猫用)が追加された「飼料添加物品目リスト(2013年版)改正案」に対してパブリックコメントが行われましたが、現段階では決定されていません。

根拠法等
飼料添加物品目リスト(2013年版)
飼料原料リスト
「飼料添加物品目リスト」「飼料原料リスト」改正への意見募集に関する農業部の通知
※根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
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【中国】ペットフードの輸入規制、輸入手続き関連リンクPDFファイル(230KB)
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5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2020年6月

「飼料及び飼料添加物管理条例」第20条、第23条および第24条には、販売される飼料および飼料添加物の包装について次のとおり規定しています。

  1. 販売を目的とする飼料、飼料添加物は安全性、衛生に関する中国の関連規定に従い、包装しなければなりません。
  2. 燃えやすい素材またはその他の特殊な性質を持っている飼料、飼料添加物の包装には、警告マークまたは注意説明を印刷し、かつ貯蔵・輸送時の注意事項について明記しなければなりません。
  3. 飼料、飼料添加物の包装上には表示ラベルを付さなければなりません。
  4. 販売者は、飼料、飼料添加物の包装を開封し、小分け包装にしてはなりません。また、飼料、飼料添加物を再加工してはならず、いかなる物質であっても中に加えてはなりません。
  5. 中国に輸出する飼料、飼料添加物は包装しなければなりません。包装と表示ラベルが中国の関連規定に合致していない場合は、輸入することができません。
根拠法等
飼料及び飼料添加物管理条例
※根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
関連リンク
【中国】ペットフードの輸入規制、輸入手続き関連リンクPDFファイル(230KB)
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6. ラベル表示

調査時点:2020年6月

「ペットフード管理弁法」第8条に基づき、ペットフード製品の包装には表示ラベルをつけなければなりません。表示ラベルは「ペットフード表示ラベル規定」の要求に合致しなければなりません。
「ペットフード表示ラベル規定」および「飼料及び飼料添加物管理条例」第21条、第24条に基づき、ペットフードの表示ラベルには、次の内容を含む必要があります。

  1. 「ペットフード管理弁法」第8条に基づき、ペットフード製品の包装には表示ラベルをつけなければなりません。表示ラベルは「ペットフード表示ラベル規定」の要求に合致しなければなりません。 「ペットフード表示ラベル規定」および「飼料及び飼料添加物管理条例」第21条、第24条に基づき、ペットフードの表示ラベルには、次の内容を含む必要があります。
  2. ペットフード製品の一般名を表示ラベルの主要部分に表記しなければなりません。添加物およびその他のペット用飼料も同様です。
    • 原材料の組成(当該製品の生産に使用された飼料原材料の品目または種類を、使用量の多い順に記載)
    • 輸入製品再検査報告書の番号(※2)
    • 製品成分保証分析値(※3)
    • 正味含有量
    • 保存方法
    • 製品の使用説明(推奨の給餌量または給餌法)
    • 使用上の注意事項
    • 製造年月日(原産地での製造年月日を中国語表示ラベルに印字する)
    • 品質保持期限
  3. 中国語で原産国(地域)を表示しなければなりません。
    配合飼料およびプレミックス飼料には、輸入登記証に記載されている情報(登記証番号、製造事業者名、生産所在地および当該製品の中国国内において登録済みの販売機構名、住所および連絡先)をラベルに表示する必要があります。その他のペットフード製品には、輸入登記証番号を除く前述の情報をラベルに表示する必要があります。
  4. 製品に遺伝子組み換え成分が含まれる場合は、関連法令に基づき、表示ラベルに遺伝子組み換え成分を使った主な原材料の名称を表記しなければなりません。
  5. 薬物(医薬品)性飼料添加物が添加されている場合は、「薬物入り飼料添加物」と表記したうえ、その一般名、含有量および休薬期間を明記しなければなりません。
  6. 乳または乳製品以外の動物由来成分が含まれる飼料には、「当該製品は反芻動物には給与してはいけません」と明記しなければなりません。

(※1)生産事業者自ら作成。自社が生産した製品の品質を証明するため、ペットフード包装の内部に入れるか、または包装の表面に貼付する。
(※2)農業農村部は、輸入飼料・飼料添加物登記証の申請資料を受理・審査し、合格の判断を下す場合は、申請者に対し、飼料の検体を指定機構に送付し、検査(二次審査)を受ける旨の通知を行う。「輸入製品再検査報告書」とは、当該検査後に、検査機構から発行される報告書のことを指す。
(※3)「ペットフード表示ラベル規定」付録4では配合飼料の成分保証分析値について定めている。それによると、配合飼料の成分の表示項目には少なくとも粗タンパク質、粗脂肪、粗繊維、水分、粗水分、カルシウム、総リン、水溶性塩化物、リジン(ドッグフードに適用)、タウリン(キャットフードに適用)を含まなければならない。具体的な表示方法などについては、当該規定の原文を参考のこと。

「輸出入飼料及び飼料添加物検査検疫監督管理弁法」第25条に基づき、ばら積み輸送の輸入飼料について、輸入企業は税関の指定する場所でそれを包装し、かつ表示ラベルを付してから通関することができます。直接税関が指定する生産、加工企業に搬入し、飼料生産に使用する場合は、表示ラベルを付す必要はありません。

動物由来成分が含まれる飼料の使用範囲について、中国による制限がある場合は、該当する飼料の包装に使用範囲を表記しなければなりません。

根拠法等
ペットフード管理弁法
ペットフード表示ラベル規定
飼料及び飼料添加物管理条例
輸出入飼料及び飼料添加物検査検疫監督管理弁法
輸入飼料及び飼料添加物登記管理弁法
中国国家標準化管理委員会GB 10648-2013飼料表示ラベル
農業遺伝子組換え生物安全管理条例
※根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
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7. その他

調査時点:2020年6月

なし

中国での輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2020年6月

対外貿易経営者届出登記
「対外貿易経営者届出登記管理弁法」(2019年改正版)第2条によると、貨物輸出入または技術輸出入に従事する対外貿易経営者は、中国商務部または商務部が委託する機構に届出を行わなければなりません。ただし、法律、行政法規および商務部の規定により届出の必要がない場合を除きます。対外貿易経営者が本弁法どおりに届出を行っていない場合、税関は輸出入貨物の税関審査・検査を行いません。
同法第5条によると、対外貿易経営者は、対外貿易経営者届出を行うにあたり、次の資料を提出する必要があります。
  1. 対外貿易経営者届出登記表(商務部サイト)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますからダウンロードするか、または所在地の届出登記機関で受領することができる)。必要事項を記入し、企業の法定代表者または個人事業主の署名、社印捺印があるもの。
  2. 営業許可証の写し
  3. 外商投資企業批准証書の写し(外商投資企業の場合)
輸入可否に関する確認
ペットフードの荷受人またはその代理人は輸入する前に、輸入しようとする製品の生産企業が、税関総署が公布した「国外ペットフード登録生産加工企業リスト」に含まれているかについて、確認する必要があります。
輸入動植物検疫許可証の取得
「輸出入動植物検疫法」第10条およびその実施条例第11条の規定に基づき、動物、動物製品を輸入する場合、必ず事前に申請を行い、検疫審査認可の手続きを行わなければなりません。 「輸出入飼料及び飼料添加物検査検疫監督管理弁法」第15条に基づき、飼料を輸入する際に、輸入動植物検疫許可証が必要な場合は、関連規定に従い申請手続きを行わなければなりません。輸入動植物検疫許可証が必要な飼料については、「輸出入飼料及び飼料添加物リスクレベルおよび検査検疫監督管理方式」に定められています。
当該規定によると、動物由来成分が含まれるペットフードおよびガムは、検疫リスクがI級およびII級に分類されるため、別途定めがない限り、いずれも輸入動植物検疫許可証を取得する必要があります。そのうち、ペットフード缶詰製品(HS コード23091010)は輸入動植物検疫許可証を取得する必要がありません(税関総署公式情報プラットフォームアカウント「税関発布」)。
輸入企業による税関への届出
「輸出入飼料及び飼料添加物検査検疫監督管理弁法」第26条、第27条に基づき、税関は中国の飼料輸入企業に対して届出管理を実施しています。輸入企業は、初回検疫申告の前、または検検申告する際に、税関に届出を行わなければなりません。
根拠法等
輸出入飼料及び飼料添加物リスクレベル及び検査検疫監督管理方式
国外ペットフード登録生産加工企業リスト
中華人民共和国輸出入動植物検疫法
輸出入飼料及び飼料添加物検査検疫監督管理弁法
輸出入飼料及び飼料添加物リスクレベル及び検査検疫監督管理方式
一部輸入動植物製品の検疫審査の取消
※根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
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2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2020年6月

通関手続き用書類
「輸出入飼料及び飼料添加物検査検疫監督管理弁法」第16条によれば、荷主またはその代理人は飼料を輸入時または輸入前に、税関に次の書類を提出し、検疫申告を行わなければなりません。また必要に応じて、輸出国(地域)の検疫証明書の提出が求められる場合もあります。
  • 輸入貨物通関申告書
  • 売買契約書
  • パッキングリスト
  • インボイス
  • 積荷目録(積荷明細書)
  • 船荷証券(運送状)
  • 代理通関申告授権委託契約書
  • 産地証明書
  • 輸出入動植物検疫許可証
通関方法
「税関輸出入貨物申告管理規定」第2条、第5条の規定に基づき、オンラインまたは紙媒体による形式をもって輸入申告を行うことができます。
オンライン申告の場合、輸出入貨物の荷送受人または委託を受けた通関業者は、「税関輸出入貨物通関申告書記入規範」の要求に基づき、申告システムを通じて、通関に必要な情報や書類を送付します。オンラインでの通関申告の場合は「中国電子口岸」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますへ申告資料を提出します。
紙媒体による申告の場合、輸出入貨物の荷送受人または委託を受けた通関業者は、税関の規定に基づき、紙媒体の通関申告書を記入し、必要書類を添付し、税関に直接提出します。
根拠法等
税関輸出入貨物徴税管理規則
税関輸出入貨物集中申告管理規定
輸出入商品検査法実施条例
輸出入飼料及び飼料添加物検査検疫監督管理弁法
※根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
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3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2020年6月

「輸出入飼料及び飼料添加物検査検疫監督管理弁法」第18条から第21条の規定に基づき、検査検疫の内容およびプロセスは次のとおりです。

貨物に対する検査・検疫
  1. 現場検査
    1. 貨物と証票の照合:貨物の名称、数量(重さ)、包装日、製造日、コンテナー番号、輸出国(地域)、製造事業者名称および登録登記番号を証票と照合し、合致しているか否かを検査する。
    2. 表示ラベル検査:表示ラベルは、飼料用表示ラベルに関する国家標準に合致しているか否かを検査する。
    3. 官能検査:包装、容器がきちんとしているか、品質保持期限が過ぎていないか、腐敗・変質していないか、有害生物が付着していないか、土壌、動物の死骸および排泄物などの輸入禁止物がないかなどを検査する。

    これらの検査を経て、不適合と判断された場合、税関より「検査検疫処理通知書」が発行され、貨物は積戻しまたは滅却処分されます。

  2. 検査室での検査
    税関は、国外企業生産の製品からサンプル(検体)を抜き取り、検査室において、それの安全・衛生に関する検査が行われます。サンプルを抜き取る際には、「サンプル抜き取り証明書」を発行します。検査結果の判定が出るまで、その貨物は、税関が指定する検査待ちエリアに搬入され待機しなければなりません。
    検査検疫に合格した場合、税関より「入国貨物検査検疫証明書」が発行され、引き渡しが行われます。
包装および表示ラベルに対する検査・検疫
「飼料及び飼料添加物管理条例」第24条第2項に基づき、中国に輸出する飼料、飼料添加物は、中国の検査検疫の要求に合致したものでなければなりません。また、輸出入検査検疫機構により検査検疫が実施され、その包装および表示ラベルについて検査が行われます。包装および表示ラベルが関連要求に合致しない場合は、輸入が認められません。
根拠法等
輸出入飼料及び飼料添加物検査検疫監督管理弁法
輸出入商品検査法実施条例
出入国検査検疫機関が検査検疫を実施する輸出入製品リスト(20180201)
輸出入飼料及び飼料添加物リスクレベル及び検査検疫監督管理方式
※根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
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4. 販売許可手続き

調査時点:2020年6月

「飼料及び飼料添加物管理条例」、「輸入飼料及び飼料添加物登記管理弁法」、「ペットフード管理弁法」の規定によると、登録手続きを行っていない飼料および飼料添加物は中国で販売することはできません。

根拠法等
飼料及び飼料添加物管理条例
輸出入飼料及び飼料添加物検査検疫監督管理弁法
ペットフード管理弁法
※根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
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5. その他

調査時点:2020年6月

「飼料及び飼料添加物管理条例」第23条には、飼料、飼料添加物の販売などを行う事業者について次のように要求しています。

  1. 飼料、飼料添加物の販売などを行う事業者は、入荷の際に、製品の表示ラベル、品質検査合格証および相応の許可証明文書について検査しなければなりません。
  2. 飼料、飼料添加物の包装を開封し、小分け包装にしてはなりません。また、飼料、飼料添加物を再加工してはならず、いかなる物質であっても中に加えてはなりません。
  3. 国務院農業行政主管機関が公開している飼料原料リスト、飼料添加物品目リストおよび薬物(医薬品)性飼料添加物品目リスト以外の物質で生産された飼料を販売してはなりません。
  4. 製品の帳簿を設置し、購入・販売した製品の名称、許可証明文書の番号、規格、数量、品質保持期限、生産企業またはサプライヤーの名称ならびに連絡先、購入・販売の年月日などを事実通りに記録しなければなりません。当該帳簿は2年以上保存しなければなりません。
根拠法等
飼料及び飼料添加物管理条例
食用動物への使用を禁止する動物薬及びその他の化合物リスト
ペット用動物医薬品説明書見本
飼料及び動物飲用水への使用が禁止されている薬物品種目録
※根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
関連リンク
【中国】ペットフードの輸入規制、輸入手続き関連リンクPDFファイル(230KB)
※PDFをダウンロードのうえ、アクセスしてください。

中国の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2020年6月

中国におけるペットフードの関税率は、HSコードによって5~15%(MFN税率)となっています。

ペットフードにかかる関税率
HSコード 税率(MFN税率)
2309 飼料用に供する種類の調製品 5%‐15%
2309.10 犬用または猫用の飼料(小売り用にしたものに限る) 15%
なお、輸入暫定税率は4%
2309.90 その他のもの 5%‐6.5%
なお、2309.9090その他調製された動物飼料類の輸入暫定税率は4%

詳細は、中国税関(中国海関総署)のウェブサイトで確認してください。

根拠法等
中華人民共和国輸出入税則(2020版)
輸出入商品暫定税率表
※根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
関連リンク
【中国】ペットフードの輸入規制、輸入手続き関連リンクPDFファイル(230KB)
※PDFをダウンロードのうえ、アクセスしてください。

2. その他の税

調査時点:2020年6月

1. 増値税
中国にペットフードを輸入する場合、ペットフードの荷受人(輸入者またはその代理人)は、輸入増値税を納付しなければなりません。2019年4月1日から、「2309.10犬用または猫用の飼料(小売り用にしたものに限る)」の増値税の税率は9%、「2309.90その他のもの」の増値税の税率は13%となっています。
「中華人民共和国増値税暫定条例」第14条に基づき、納税者は貨物を輸入する際、組成課税価格および本条例第2条に定める税率により納税額を計算しなければなりません。
組成課税価格および納付すべき税額の計算式は次のとおりです。
組成課税価格=関税課税価格+関税額+消費税額
納付すべき税額=組成課税価格×税率
そのため、納付すべき税額=(関税課税価格+関税額+消費税額)×税率
また、同法第24条に基づき、増値税は税関が「税関輸入増値税専用納付書」(中国語「海关进口增值税专用缴款书」)を発行した日から15日以内に納付する必要があります。
2. 消費税
「中華人民共和国消費税暫定条例」に基づき、ペットフードは消費税の課税対象外です。
根拠法等
中華人民共和国増値税暫定条例
増値税改革の深化の関連政策に関する財政部、税務総局、税関総署の公告(2019年)
※根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
関連リンク
【中国】ペットフードの輸入規制、輸入手続き関連リンクPDFファイル(230KB)
※PDFをダウンロードのうえ、アクセスしてください。

3. その他

調査時点:2020年6月

なし