日本からの輸出に関する制度 茶の輸入規制、輸入手続き

中国の輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2022年9月

東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、新潟県(コメを除く)、長野県の10都県で生産された食品(茶を含む)は輸入停止中です。これら10都県以外で生産された茶については、政府作成の放射性物質検査証明書および産地証明書が要求されますが、放射性物質検査証明書について、日本政府と中国政府との間で合意に至っていないため、政府作成の放射性物質検査証明書は発行できません。詳細は、農林水産省のウェブサイト「中国による日本産食品の輸出に係る原発関連の規制について」を確認してください。

本項目以降は、今後輸出可となった場合に必要となる事項について記載します。

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関係省庁、法令等の詳細については、関連リンクから確認してください。
【中国】茶の輸入規制、輸入手続きの関連リンクPDFファイル(354KB)
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2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2022年9月

「食品安全法」(2021年改正)第96条により、中国に食品を輸出する日本の食品輸出事業者または代行業者は、事前に、中国税関総署への届出を行わなければなりません。また、中国に食品を輸出する日本の食品生産企業(ここでの「生産企業」とは、製造・加工または貯蔵・保管の事業を営む企業を含みます)は、税関総署への登録申請を行わなければなりません。

輸出事業者または代行業者による届出

届出にあたり、「インターネット+税関」サイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通じて、次の資料を提出します。なお、正しく、正確な資料を提出する必要があります。

  • 届出書(企業情報、中国に輸出する食品の種類および中国の取引パートナーの情報ならびに誓約書を含む)
  • 輸出事業者または代行業者の名称、国または地域、住所、担当者名および電話番号、中国に輸出する食品の種類、届出書の記入者情報および電話番号など

食品の製造・加工または貯蔵・保管施設(企業)の登録制度

「輸入食品海外製造企業登録管理規定」(2021年改正)によると、中国に輸出するすべての食品の製造・加工または貯蔵・保管施設(企業)は、中国税関総署への事前登録が義務づけられています。なお、輸出する品目によって、(1)日本の関係当局を通じて登録申請する方法と、(2)直接登録申請する方法の2種類に分かれます。登録済みの食品製造・加工または貯蔵・保管施設(企業)リストについては、中国税関総署ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照してください。

(1)日本の関係当局を通じて登録申請する方法
同規定第7条に定める18品目(肉および肉製品、ケーシング、水産物、乳製品、ツバメの巣およびツバメの巣製品、ミツバチ製品、卵および卵製品、食用油脂および搾油原料、餡入り小麦粉製品、食用穀類、穀類製粉工業製品および麦芽、生鮮および乾燥野菜ならびに乾燥豆類、調味料、堅果および種子類、ドライフルーツ、未焙煎のコーヒー豆およびカカオ豆、特別用途食品、保健食品など)の食品を製造・加工または貯蔵・保管する施設(企業)は、日本の関係当局を通じて、中国税関総署に登録申請を行う必要があります。
中国税関総署2021年第103号公告によると、対象品目のHSコードは、企業登録システム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで調べることができます。
日本の関係当局は、登録申請の企業に対し審査を実施し、登録要件を満たしていることを確認した後、中国税関総署へ次の申請書類を提出します。
  • 日本主管当局の推薦状
  • 登録申請企業のリストおよび企業登録申請書(様式あり)
  • 企業の営業許可証などの証明文書
  • 推薦する企業が登録の要件に合致することの誓約書(様式あり)および審査報告書
また、中国税関総署から、企業の食品安全衛生体系にかかる書類(製造、保管エリアの平面図、製造工程フロー図など)の提出を求められることがあります。
日本では農林水産省が中国税関総署への登録申請を実施しています。詳細は関連リンクの「中国向け輸出食品の製造等企業登録に係る農林水産省における登録申請受付などについて(農林水産省)」を参照してください。
(2)企業自ら直接登録申請する方法
前記(1)以外の食品を製造・加工または貯蔵・保管する施設(企業)は、自ら(もしくは代理人に委託し)、税関総署へ登録申請を行います。登録申請に必要な書類については次のとおりです。
  • 企業登録申請書(様式あり)
  • 日本主管当局発行の企業の営業許可証などの証明文書
  • 登録の要件に合致することの誓約書(様式あり)
中国税関総署2021年第103号公告によると、対象品目のHSコードは、企業登録システム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで調べることができます。登録申請も同システムから実施します。詳細は関連リンクの「中国向け輸出食品の製造等企業登録に係る企業自ら中国政府に登録が求められる品目の登録方法について(農林水産省)」を参照してください。
中国税関総署が申請を承認すると、登録番号が付与されます。登録は5年間有効であり、延長する場合は、有効期間が満了する6カ月前から3カ月前の期間において延長申請を行う必要があります。

輸出に必要な書類

茶は、輸入通関手続き時に、産地証明書、放射性物質検査証明書、植物検疫証明書、衛生証明書、成分分析報告書などの書類を提出しなければならないため、事前に準備しておく必要があります。
なお、衛生証明書、成分分析報告書について、中国における現行の法令および関連規定において提出を義務づける規定はありませんが、貿易実務において提出が求められています。その他必要な書類の有無を含め、詳細は中国側の輸入事業者または通関代理業者に確認してください。

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3. 動植物検疫の有無

調査時点:2022年9月

茶の輸出にあたっては、輸出事業者より日本での輸出検査を受け、日本の植物防疫所発行の植物検疫証明書を添付する必要があります。

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中国の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2022年9月

「中華人民共和国国家標準 緑茶.第一部分:基本要求」(GB/T 14456.1-2017)には、緑茶の定義、分類、官能評価の要求、理化学指標、検査方法、表示ラベル、包装、輸送および保管などについて定めています。

当該標準によると、緑茶とは茶樹(チャの木)の芽、葉、若茎を原料とし、殺青(蒸しまたは釜煎り工程)、揉捻、乾燥などの工程により製造されるものを指します。緑茶製品は加工工程の違いにより、炒青緑茶(釜煎り緑茶)、烘青緑茶(火で炙ることにより殺青した緑茶)、蒸青緑茶(水蒸気により殺青した緑茶)および晒青緑茶(日光で殺青した緑茶)に分けられます。

当該標準には、緑茶の理化学指標について次のように定めています。なお、中華人民共和国国家標準には、強制標準(GB)と推奨標準(GB/T)があります。GB/T 14456.1-2017は推奨標準のため、順守は任意です。

緑茶の理化学指標
項目 指標
炒青緑茶 烘青緑茶 蒸青緑茶 晒青緑茶
水分(質量分率)/% ≤7 ≤9
全灰分(質量分率)/% ≤7.5
粉末(質量分率)/% ≤1
可溶分(質量分率)/% ≥34
粗繊維(質量分率)/% ≤16
酸不溶性灰分(質量分率)/% ≤1
水溶性灰分の全灰分に占める割合(質量分率)/% ≥45
水溶性灰分の塩基度(KOH)(質量分率)/% ≥1.0a ≤3.0a
茶ポリフェノール(質量分率)/% ≥11
カテキン(質量分率)/% ≥7
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2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2022年9月

食品における残留農薬基準については「食品安全国家標準 食品中農薬最大残留上限値」(GB 2763-2019)に規定されています。ポジティブリストが採用され、食品に残留する農薬の種類と、それぞれの農薬ごとに対象となる食品と最大許容量が明記されています。詳細は本標準の原文を確認してください。

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3. 重金属および汚染物質

調査時点:2022年9月

茶における重金属および汚染物質の基準については食品安全国家標準「食品中汚染物上限値」(GB2762-2017)に規定されています。当該標準によると、茶における鉛の最大残留上限値は5.0mg/kgです。

なお、2022年6月30日に「食品安全国家標準 食品中汚染物上限値」(GB 2762-2022)が公布されました。2023年6月30日施行のため、同日以降はGB2762-2022を参照してください。

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4. 食品添加物

調査時点:2022年9月

食品の成分として使用できる添加物については、主に国家衛生行政機関が公布した「食品安全国家標準 食品添加物使用標準」(GB2760-2014)に具体的な内容(食品添加物の定義、使用基準など)が定められています。詳細は本標準の原文を確認してください。
なお、GB2760-2014の制定以降に添加物やMRLが新たに承認されている場合があります。網羅的な情報がまとまったウェブサイトはないため、国家食品薬品監督管理局、国家標準化管理委員会、国家衛生健康委員会などの関係当局の発表を個別に確認する必要があります。

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5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2022年9月

中国に輸入される茶の包装材は食品安全国家標準に適合したものでなければなりません。

具体的には食品安全国家標準「食品接触材および製品用添加物使用標準」(GB9685-2016)、食品安全国家標準「食品接触材および製品の汎用的安全要求」(GB 4806.1-2016)などの主要な標準が適用されます。

また、包装の具体的な材質に応じて食品安全国家標準「食品接触用プラスチック樹脂」(GB 4806.6-2016)などの各標準が適用されます。

一次農産物の包装については、「農産物包装および標識管理弁法」の規定にも適合していなければなりません。同法によると、容易に分解して取り扱うことができ、なおかつ、農産物の貯蔵、輸送、販売および安全についての要件に適合していなければなりません。また、包装材による機械的な損傷および二次汚染を防止しなければならないと規定されています。

「中華人民共和国国家標準 サプライ・マーケティング提携業界標準 茶葉包装通則」(GH/T 1070-2011)には、販売用の茶葉の包装について次のように定めています。なお、GH/Tは中華全国供銷合作総社の推奨標準のため、順守は任意です。

  • 各種容器包装は、外観上、屈曲やしわがなく、きちんと接着・封止された、異常な臭いや、破損や剥離がないものでなければなりません。アルミニウム、マグネシウム、スズ、ガラス、陶器・磁器製の容器内側は凸凹がなく、清潔なものでなければなりません。
  • 各種容器(箱や缶など)内は、食品包装に対応したものでなければなりません。
  • 紙製の袋や容器および内袋は、「食品安全国家標準 食品接触用紙・紙板材料および製品」(GB4806.8)の衛生要求に合致しなければなりません。
  • プラスチック製の袋や容器および内袋は、「食品安全国家標準 食品接触用プラスチック材料および製品」(GB4806.7)の衛生要求に合致しなければなりません。
  • アルミニウム、鉄、スズ、ガラス製の容器は、「食品安全国家標準 食品接触用金属材料および製品」(GB4806.9)の衛生要求に合致しなければなりません。
  • 陶器・磁器製の容器は「食品安全国家標準 陶磁製品」(GB4806.4)の衛生要求に合致しなければなりません。

また、当該標準には、容器包装資材の厚さ、サイズなどについても規定しています。詳しくは当該標準の原文を参照してください。

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6. ラベル表示

調査時点:2022年9月

「中華人民共和国国家標準 緑茶.第一部分:基本要求」(GB/T 14456.1-2017)、「中華人民共和国国家標準 茶葉加工良好規範」(GB/T 32744-2016)に基づき、茶製品の表示ラベルは「食品安全国家標準 包装済み食品用ラベル通則」(GB 7718-2011)の規定に合致しなければなりません。当該標準によると、輸入する茶には、次の内容を表示したラベルを付さなければなりません。

  • 品名
  • 原産国および地域
  • 輸入事業者(代行業者、輸入事業者または販売代理店)の名称、住所および連絡先
  • 生産日、品質保持期限、保存方法
  • 成分または原材料リスト
  • 正味含有量および規格(許容される誤差範囲は、関連リンク「包装食品の定量測定の監督管理弁法」付表3を参照してください)
  • 食品の製造・加工もしくは貯蔵・保管施設(企業)登録番号、または日本の関連当局が発行する登録番号(内装・外装。外装は輸送上の包装(カートンなど)をいい、内装は個別に販売が可能な食品(最小販売単位)の包装をいうとされています)
  • 品質等級、加工技術(当該食品の関連標準が食品品質等級、加工技術の明記を要求する場合)
  • その他表示すべき内容(照射食品、遺伝子組換食品など)
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7. その他

調査時点:2022年9月

「中華人民共和国国家標準 茶葉貯蔵」(GB/T 30375-2013)に基づき、緑茶は10℃以下、相対湿度は50%以下の環境で貯蔵しなければなりません。

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中国での輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2023年1月

対外貿易経営者届出登記
「対外貿易法」第9条および「対外貿易経営者届出登記管理弁法」(2021年改正)第2条、第5条により、貨物輸出入または技術輸出入に従事する対外貿易経営者は、中国商務部または商務部が委託する機構に届出を行う必要がありましたが、対外貿易法の改正により、2022年12月30日から同届出制度は撤廃されました。
輸入食品輸入事業者届出
「輸出入食品安全管理弁法」(2021年改正)第19条および税関総署ウェブサイトにおいて公開中の「輸入食品輸入事業者届出」手引きによると、輸入事業者はその所在地の管轄税関に、事前に届出を行わなければなりません。届出の手続きにはオンライン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますまたは窓口で、次の資料を提出します。
  • 輸入事業者届出書(様式あり)
  • 食品安全に関連する部署・人員の配備、職能および職責
  • 中国に輸入する食品の種類、保管場所
  • 2年以内に食品輸入、加工および販売に従事したことがある場合、その説明(食品の品目、数量)
「輸出入食品安全管理弁法」(2021年改正)第21条によると、食品の輸入事業者は、食品の輸入および販売状況を記録し、事実どおりに輸入食品の品名、規格、数量、製造年月日、生産または輸入ロット番号、品質保持期限、輸出事業者および買主の名称ならびに連絡先、納入日などの情報を記録し、関連する証憑を保管しなければなりません。
輸入動植物検疫許可証の取得
輸入事業者は輸入する茶についての売買契約を締結する前に、「中華人民共和国輸入動植物検疫許可証」を取得しなければなりません。この許可申請はオンライン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで手続きができます。ログイン後、HSコード、品名、産地、貿易取引方式などの輸入製品関連情報を入力し、必要書類をアップロードします。中国税関は、申請受理日より20営業日以内に、許可の付与または付与しない決定を行います。
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2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2022年9月

通関手続き用書類
「税関輸出入貨物申告管理規定」第27条の規定および通関代理機構へ問い合わせた結果によると、茶の通関に必要な書類は次のとおりです。
  • 輸入貨物通関申告書
  • 契約書
  • インボイス
  • パッキングリスト
  • 積荷目録(積荷明細書)
  • 船荷証券(運送状)
  • 産地証明書、放射性物質検査証明書、植物検疫証明書、輸入動植物検疫許可証、など
  • (包装済み食品を初めて輸入する場合)食品表示ラベルの見本刷およびその翻訳文
  • 税関総署が規定するその他の書類
通関方法
「税関輸出入貨物申告管理規定」第2条、第5条の規定に基づき、輸入申告は、オンラインまたは紙媒体による形式から選択することができます。
オンライン申告の場合、輸出入貨物の発送・受取人または委託を受けた通関業者は、「税関輸出入貨物通関申告書記入規則」の要求に基づき、申告システムを通じて、通関に必要な情報や書類を送付します。オンラインでの通関申告の場合は「中国電子口岸外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」へ申告資料を提出します。
紙媒体による申告の場合、輸出入貨物の発送・受取人または委託を受けた通関業者は、税関の規定に基づき、紙媒体の通関申告書に記入し、必要書類を添付し、税関に直接提出します。
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3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2023年1月

「輸出入食品安全管理弁法」(2021年版)第28条によると、中国税関は、監督管理の必要に応じて、輸入する食品に対し現場検査を実施します。現場検査における主なチェック項目は次のとおりです。

  • 輸送用道具、保存場所が安全衛生要求に合致するか否か
  • コンテナ番号、封印シール番号、内装・外装の表示内容、貨物の実際状況が申告情報および付帯する書類に記載する内容と一致するか否か
  • 動植物由来の食品、包装材および敷材に対し、病害虫、雑草・種子、土の付着・混入などがないか否か(規定に従ってサンプルを採集)
  • 内装・外装は食品安全国家標準を満たしているか否か。汚染、破損、水濡れ、液漏れがないか否か
  • 内装・外装の表示ラベル、標識および説明書が法律、行政法規、食品安全国家標準および税関総署の規定する要求に合致しているか否か
  • 食品の官能評価における性状は、当該食品のあるべき性状になっているか否か
  • 冷凍冷蔵食品の新鮮度、中心温度が要求に合致するか否か、病変の有無、冷凍冷蔵環境温度が関連標準の要求に合致しているか否か、コールドチェーン温度制御設備が正常に動作しているか否か、温度記録が要求に合致しているか否か(必要に応じて、高度加速寿命試験を行う)
その他の検査
新型コロナウイルス感染症対策のため、コールドチェーン食品および非コールドチェーン食品に対するPCR検査や予防的消毒等が実施されていましたが、税関総署公告2022年第131号「新型コロナウイルス感染乙類乙管後の関連事項に関する公告」により、2023年1月8日から、すべてのコールドチェーン食品および非コールドチェーン食品に対するPCR検査等の措置は撤廃されました。
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4. 販売許可手続き

調査時点:2022年9月

「食品経営許可管理弁法」第2条に基づき、中国国内で食品の販売活動を行う事業者は、食品経営許可証を取得しなければなりません。

同法第11条に基づき、食品経営許可証を取得するには、次の要件を満たさなければなりません。

  • 対象食品の品目、数量に適した食品原材料の処理および食品の加工、包装、貯蔵などの場所を有し、当該場所の環境が清潔に保たれるとともに、有毒、有害な場所およびその他汚染源と所定の距離が保たれていること。
  • 対象食品の品目、数量に適した設備または施設を有し、関連の消毒、更衣、手洗い、採光、照明、換気、防腐、防塵、防蝿、防鼠、防虫、洗浄ならびに排水処理、ゴミおよび廃棄物の貯蔵設備、または施設を有すること。
  • 常勤または非常勤の食品安全管理者、および食品安全保障の規則制度を有すること。
  • 合理的な設備配置および工程を有し、加工前食品と直接口に入る食品、原材料と完成品の交差汚染を防止し、食品が有毒物、不潔物質と接触することが避けられていること。
  • 法律、法規に定めるその他要件を満たしていること。

また、同法第12条によると、食品営業許可証を申請するにあたり、所在地の県レベル以上の食品薬品監督管理機関に次の書類を提出しなければなりません。

  • 食品経営許可申請書
  • 営業許可証または主体の許認可を証明できるその他の文書の写し
  • 食品の取り扱いに適応する主な機器・設備の配置、オペレーションなどに関する文書
  • 食品安全に関する自己検査、従業員の健康管理、入荷検査記録、食品安全事故の処理などに関する食品安全を保証する内部制度
  • 自動販売設備を利用した食品販売に従事する場合、当該設備の製品合格証明書、具体的な設置場所、事業者の名称、住所、連絡先、食品経営許可証の公示方法などに関する資料
  • 代理人に食品経営許可証の申請を委任する場合、授権委託書および代理人の身分証明文書

「包装済み食品のみ販売の届出関連事項に関する市場監督管理総局の公告」によると、包装済み食品だけを販売する企業は、2021年11月29日以降、食品経営許可証の取得が不要になりました。新規設立の企業は登録の際に、包装済み食品だけを販売する旨の届出を行うことができます。既に食品経営許可証を取得している企業は、包装済み食品だけを販売する旨の届出を行えば、食品経営許可証の更新手続きは不要となります。

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5. その他

調査時点:2022年9月

なし

中国の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2022年9月

中国、日本を含む15カ国が加盟する「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」が2022年1月1日に発効されました。日本から中国へ輸出する製品は、MFN税率またはRCEP協定税率が適用されます。RCEP協定税率は品目によって、即時撤廃されたもの、段階的に引き下げられるもの、除外されるものがあります。なお、RCEP協定税率の適用を受けるためには、原産地規則の要件を満たす必要があります。

中国税関総署「インターネット+税関外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」および「中華人民共和国税則」(2022年版)によると、中国における茶(HSコード 0902.10、0902.20)の輸入関税率は15%(MFN税率)であり、RCEP協定税率は段階的に引き下げられ2022年は13.6%となっています。

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2. その他の税

調査時点:2022年9月

消費税
茶は消費税の課税対象外です。
増値税
中国に茶を輸入する場合、茶の荷受人(輸入者またはその代理人)は、輸入増値税を納付しなければなりません。茶の増値税の税率は9%となっています。
「中華人民共和国増値税暫定条例」第14条に基づき、納税者は貨物を輸入する際、組成課税価格および本条例第2条に定める税率により納税額を計算しなければなりません。
組成課税価格および納付すべき税額の計算式は次のとおりです。
組成課税価格=関税課税価格+関税額+消費税額
納付すべき税額=組成課税価格×税率
そのため、納付すべき税額=(関税課税価格+関税額+消費税額)×税率
また、増値税は、税関が「税関輸入増値税専用納付書」(中国語「海关进口增值税专用缴款书」)を発行した日から15日以内に納付する必要があります。
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3. その他

調査時点:2022年9月

なし

その他

調査時点:2022年9月

有機製品の認証制度
中国の「食品の安心・安全」表示に関する認定制度として、有機製品の認証制度が挙げられます。認証要件を満たす産品について「有機製品認証証書」が発行され、有機製品認証標章の使用が認められます。
「有機製品認証管理弁法」第3条に基づき、有機製品とは、生産、加工、販売プロセスが有機製品の国家基準に合致する、ヒトが消費し、動物に食用として与える産品をいいます。
「有機製品認証管理弁法」第11条、第20条に基づき、有機製品認証を取得しようとする輸入製品の生産業者、販売業者、輸入業者または代理業者は、国家認証委員会の承認した認証機構に対し認証を依頼しなければなりません。有機製品認証の要求に合致するものに対し、認証機構は輸入有機製品認証委託者に有機製品認証証書を発行します。同証書の有効期間は発行日から1年間です。

有機製品認証標章のサンプル

無公害農産品の認証制度
無公害農産品の認証制度も、「食品の安心・安全」表示に関する認定制度の一つです。
認証要件を満たす農産物について「無公害農産品認証証書」が発行され、無公害農産品認証標章の使用が認められます。
「無公害農産品管理弁法」(2007年改正版))第2条に基づき、無公害農産品とは、産地の環境、生産過程および製品の品質が国の関連標準および規範の要求に合致し、認証を経て合格し、認証証書を取得し、かつ、無公害農産品標章の使用が認められる未加工または初歩加工された食用農産品のことをいいます。
「無公害農産品管理弁法」第21条、第22条に基づき、無公害農産品認証証書を取得しようとする事業者または個人は、国家認証委員会の承認した認証機構に対し認証を委託しなければなりません。無公害農産品認証の要求に合致するものに対し、認証機構は無公害農産品認証証書を発行します。同証書の有効期間は発行日から3年間です。

無公害農産品認証標章のサンプル

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