日本からの輸出に関する制度 鶏肉の輸入規制、輸入手続き

中国の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2020年10月

鶏肉に適用される食品安全国家標準として、「食品安全国家標準 生鮮・冷凍家畜家禽製品」(GB2707-2016)が挙げられます。この標準には、原料要求、官能評価の要求、理化学的指標、汚染物質上限値、農薬、動物用医薬品の残留基準について規定されています。そのうち、理化学的要求は次のとおりです。

鶏肉にかかる理化学的指標
項目 指標 検査方法
揮発性塩基性窒素/(mg/100g) ≦ 15 GB5009.228

「照射冷凍包装家畜家禽肉類衛生標準」(GB 14891.7-1997)には、照射を経た包装済みの冷凍家畜家禽肉類の原料、照射線量、官能評価に関する要求、理化学的指標、微生物指標、包装、検査方法などについて定めています。そのうち、照射線量および理化学的指標は次のとおりです。

照射線量:照射を経た包装済みの家畜家禽肉類の平均吸収線量は2.5kGyを上回ってはなりません。

照射を経た包装済みの家畜家禽肉類にかかる理化学的指標
項目 指標
揮発性塩基性窒素/(mg/100g) ≦ 20
水銀/(mg/kg) ≦ 0.05
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2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2020年9月

鶏肉を含む食品における残留農薬基準については「食品安全国家標準 食品中農薬最大残留上限値」(GB 2763-2019)に適合しなければなりません。
また、「食品安全国家標準食品中動物用医薬品最大残留上限値」(GB 31650-2019)の規定も順守する必要があります。

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3. 重金属および汚染物質

調査時点:2020年9月

重金属

鶏肉における重金属および汚染物質の基準については「食品安全国家標準 食品中汚染物限度量」(GB2762-2017)に規定されています。

鶏肉における重金属および汚染物質の最大残留上限値
重金属および汚染物質 食品種類 品目 上限値
肉・肉製品 肉類(内臓除く) 0.2mg/kg
内臓 0.5 mg/kg
肉製品 0.5 mg/kg
カドミウム 肉・肉製品 肉類(内臓除く) 0.1mg/kg
肝臓 0.5 mg/kg
腎臓 1.0 mg/kg
肉製品(肝臓製品、腎臓製品除く) 0.1 mg/kg
肝臓製品 0.5 mg/kg
腎臓製品 1.0 mg/kg
総水銀 肉・肉製品 肉類 0.05mg/kg
総ヒ素 肉・肉製品 0.5 mg/kg
クロム 肉および肉製品 1.0mg/kg
ベンゾ[a]ピレン 肉・肉製品 くん製肉、加熱加工肉 5.0μg/kg
N-ニトロソジメチルアミン 肉・肉製品 肉製品(肉類缶詰を除く) 3.0μg/kg
乾燥熟成肉 3.0 ug/kg

微生物上限値

生食用肉製品は「食品安全国家標準 食品中病原菌上限値」(GB29921-2013)の規定にも合致する必要があります。

鶏肉における微生物上限値
検査項目 m M
サルモネラ菌 0
リステリア・モノサイトゲネス 0
黄色ブドウ球菌 100CFU/g 1000CFU/g
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4. 食品添加物

調査時点:2020年10月

鶏肉に限らず、食品の成分として使用できる添加物および栄養強化剤は、主に国家衛生行政機関が公布した「食品安全国家標準 食品添加物使用標準」(GB2760-2014)、「食品安全国家標準 食品栄養強化剤使用標準」(GB14880-2012)によってそれぞれ規定されています。

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5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2018年10月

中国に輸入される鶏肉の包装材は食品安全国家標準に適合しなければなりません。

「家畜家禽肉コールドチェーン輸送管理技術規範」(GB/T 28640-2012)によると、家畜家禽肉の包装材料はGB/T4456、GB9687、GB9688、GB9689などの国家標準に適合しなければならず、包装用フィルムの再利用はできません。外装には保存温度の上限値と下限値について表示する必要があり、また、その他の食品接触材については、次の標準にも合致する必要があります。

食品安全国家標準については、「食品安全国家標準 食品接触材および製品用添加物使用標準」(GB9685-2016)、「食品安全国家標準 食品接触材および製品の汎用的安全要求」(GB 4806.1-2016)などの原則的な主要な標準が適用され、また、包装の具体的な材質は「食品安全国家標準 食品接触用プラスチック樹脂」(GB 4806.6-2016)などの一連の具体的な標準に適合させる必要があります。

一次農産物である鶏肉は、「農産物包装および標識管理弁法」の規定にも適合していなければなりません。同法では、分解および搬送がしやすいように、農産物の包装は農産物の貯蔵、輸送、販売および安全についての要件に適合していなければならず、農産物の包装材料および農産物に使用する鮮度保持剤、防腐剤、添加物などの物質が国家強制技術規範の要求を満たす必要があり、包装による機械的な損傷および二次汚染を防止しなければならないと規定されています。

また、「輸出入肉類製品検査検疫監督管理弁法」第14条の規定によれば、中国に輸出される生鮮肉類・冷凍肉類製品の包装材・外装材は無毒、無害の材料を使用し、破損がないものでなければなりません。

「照射冷凍包装畜家禽肉類衛生標準」(GB 14891.7-1997)によると、照射前、冷凍分割家畜家禽肉は、食品包装用複合フィルムで密封し、外装箱の隙間は防水テープで封をしなければなりません。

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6. ラベル表示

調査時点:2020年10月

「輸出入肉類製品検査検疫監督管理弁法」第14条および「食品安全国家標準包装済み食品表示ラベル通則」(GB 7718—2011)によると、包装済み鶏肉には、次の内容を表示したラベルを付さなければなりません。

内装:
  1. 名称
  2. 原産国および地域
  3. 生産企業の登録番号、生産ロット番号
  4. 輸入事業者(代行業者、輸入事業者または販売代理店)の名称、住所および連絡先
  5. 製造日、賞味期限、保存方法
  6. 正味含有量および規格
    製品標準コード
  7. 品質等級、加工技術(当該食品の関連標準が食品品質等級、加工技術の明記を要求する場合)
  8. 検査検疫済みの証明ラベル、番号などを添付する必要がある
  9. その他表示すべき内容(照射食品、遺伝子組換食品など)
外装:
外装材には規格、産地(州/省/市まで具体的に記入)、品名、仕向地、生産日、生産企業の登録番号、生産ロット番号、品質保証期間、検査検疫済みの証明ラベルまたは番号、貯蔵温度などの内容を中国語で明記しなければならず、仕向地を中華人民共和国と明記し、輸出国または輸出地区の公的検査検疫標識を付さなければならない。
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7. その他

調査時点:2020年10月

「家畜家禽肉コールドチェーン輸送管理技術規範」(GB/T 28640-2012)によると、冷蔵家畜家禽肉は温度0℃~4℃、相対湿度75%~84%の冷蔵倉庫に保管しなければならず、冷凍家畜家禽肉は温度-18℃以下、相対湿度95%以上の冷凍倉庫に保管しなければなりません。

また、中国各地では、コロナ感染症拡大防止の対策として、コールドチェーン食品のトレーサビリティ制度が整えられています。例えば、北京市では2020年11月1日に「北京市コールドチェーン食品追跡プラットフォーム」の運営が開始され、北京市のすべてのコールドチェーン食品生産・経営(含輸入食品)機関は、冷蔵・冷凍の肉類製品、水産物の生産地および出荷先などのデータを同プラットフォームにアップデートするほか、追跡用コードを印刷したラベルを商品に貼付する必要があります。消費者は、携帯アプリの微信(WeChat)や支付宝(アリペイ)のミニプログラム「北京コールドチェーン」を使って、追跡用コードをスキャンすれば、購入する商品の品質安全や流通経路を調べることができます。

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