日本からの輸出に関する制度

アルコール飲料の輸入規制、輸入手続き

中国の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2024年10月

中国、日本を含む15カ国が加盟する「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」が2022年1月1日に発効されました。日本から中国へ輸出する製品は、MFN税率またはRCEP協定税率が適用されます。RCEP協定税率は品目によって、即時撤廃されたもの、段階的に引き下げられるもの、除外されるものがあります。なお、RCEP協定税率の適用を受けるためには、原産地規則の要件を満たす必要があります。

各種税率
HSコード 税率(MFN税率) RCEP協定税率(2024年)
2203:麦芽から醸造したビール 0% 0%
2204:ぶどう酒(強化ぶどう酒を含むものとし、生鮮のぶどうから製造したものに限る)およびぶどう搾汁(第20.09項のものを除く。) 14%~30% 10.2%~16.3%
(一部の商品はRCEP協定税率が適用されない)
2205:ベルモットその他のぶどう酒(生鮮のぶどうから製造したもので、植物または芳香性物質により香味を付けたものに限る。) 通常は65% RCEP協定税率が適用されない
なお、220510ベルモットその他のぶどう酒(2リットル以下の容器入り)の暫定税率は14%)
2206:その他の発酵酒(例えば、りんご酒、なし酒、ミードおよび清酒)ならびに発酵酒とアルコールを含有しない飲料との混合物および発酵酒の混合物(ほかの項に該当するものを除く。) 40% 2206.0010の品目はRCEP協定税率が適用されない
2206.0090は34.3%
2208:エチルアルコール(変性させてないものでアルコール分が80%未満のものに限る。)および蒸留酒、リキュールその他のアルコール飲料 10% 7.30%
なお、2208.3000ウイスキーおよび2208.2000ぶどう酒またはぶどう酒もろみの搾りかすから得た蒸留酒の暫定税率は5%

これらの品目には、RCEP協定税率が適用されない品目もあるため、該当の品目を輸出する前に、中国自由貿易区服務網外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、「インターネット+税関」または「中華人民共和国輸出入税則」(2024年版)の情報を確認してください。また、RCEP協定税率の適用を受けるための必要書類などについては、関連リンクの日本税関、中国税関総署ウェブサイトを確認してください。

関連リンク
根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
【中国】アルコール飲料の輸入規制、輸入手続きの関連リンクPDFファイル(593KB)
※PDFをダウンロードのうえ、アクセスしてください。

2. その他の税

調査時点:2024年11月

増値税

中国にアルコール飲料を輸入する場合、荷受人(輸入者またはその代理人)は、輸入増値税を納付しなければなりません。アルコール飲料の増値税の税率は13%となっています。

「増値税暫定条例」(2017年改正)第14条に基づき、納税者は貨物を輸入する際、組成課税価格および本条例第2条に定める税率により納税額を計算しなければなりません。

組成課税価格および納付すべき税額の計算式は次のとおりです。

組成課税価格=関税課税価格+関税額+消費税額
納付すべき税額=組成課税価格×税率

そのため、納付すべき税額=(関税課税価格+関税額+消費税額)×税率

また、税関が税関輸入増値税専用納付書を発行した日から15日以内に納付する必要があります。

消費税

「消費税暫定条例」(2008年改正)に基づき、アルコール飲料は消費税の課税対象です。中国国内でアルコール飲料を製造、委託加工および輸入する事業者が、消費税の納税義務者とされます。アルコール飲料に適用される消費税は表のとおりです。

アルコール飲料に適用される消費税
品目 税率
白酒(※1) 20%、かつ0.5人民元/500g(または500ml)
黄酒(※2) 240人民元/トン(t)
甲類ビール(※3) 250人民元/トン(t)
乙類ビール(※3) 220人民元/トン(t)
その他の酒類 10%
関連リンク
根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
【中国】アルコール飲料の輸入規制、輸入手続きの関連リンクPDFファイル(593KB)
※PDFをダウンロードのうえ、アクセスしてください。

3. その他

なし

その他

調査時点:2024年11月

酒類製品認証標章

中国の「食品の安心・安全」表示に関する認定制度として、酒類の認証制度が挙げられます。「食品品質認証実施規則-酒類」(2005年)に基づき、認証要件を満たすアルコール飲料については「酒類製品認証証書」が発行され、酒類製品認証標章の使用が認められます。同証書の有効期間は発行日から3年間です。酒類製品認証標章のサンプルは表のとおりです。

1級製品認証標章

2級製品認証標章

優級製品認証標章

商標権

中国では、「中華人民共和国商標法」第31条の規定に基づき、先に商標登録の出願を行った者が優先的に保護される「先願主義」が採用されています。逆にいえば、中国で商標登録されていない国外ブランドの標章が、中国で第三者より先に商標登録されている可能性があります。仮に、その第三者の商標と同一または類似する標章を、許諾を受けずに使用した商品などを中国で販売した場合、同法第57条の規定により、登録商標専用権の侵害とみなされます。そのため、標章が付された製品などを中国向けに輸出するにあたり、その標章と同一または類似するものが、中国において第三者の商標として登録されていないかを確認しておく必要があります。なお、外国人または外国企業が中国で商標に係る事項の手続きをする場合、同法第18条第2項の規定により、中国の法により設立した商標代理機構に委託しなければなりません。
中国で商標登録されていない標章を使用した商品などについて、その輸入や販売を禁じるとする法令などはありませんが、実務において、例えば有名ブランドの商品などを取り扱うECショップなどでは、そのプラットフォームより商標登録証の提示を求められるのが一般的です。

関連リンク
根拠法等の詳しい内容については関連リンクからご確認ください。
【中国】アルコール飲料の輸入規制、輸入手続きの関連リンクPDFファイル(593KB)
※PDFをダウンロードのうえ、アクセスしてください。