中小企業のオープンイノベーション ‐成功のポイントとは‐

2021年06月24日

自社以外の企業などのアイデアや技術を組み合わせることにより、ユニークな事業や考えを生み出す「オープンイノベーション」。中小企業にもそうした協業が広がっているが、海外との協業にはさまざまなコツがあるようだ。その成果を見いだすため、どのような点を心がけて取り組んでいるのか、企業の事例を交えながら、そのポイントを紹介する。

(10分46秒)

※本番組は英語版(字幕)でもご覧いただけます。

テキスト解説を読む

テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。 フランス・パリのエッフェル塔や凱旋門、アニメキャラクターのコスプレをした20代くらいの海外の女の子や、渋谷のスクランブル交差点の写真など、世界中の12枚の写真が画面の奥から飛び出してくる。水色を基調としたコンピューターグラフィックスの背景に、中が空洞になった緑色(みどりいろ)の地球儀が回転しながら現れる。画面右側で地球儀が回転し、左側に紺色の文字で「世界は今 JETRO Global Eye(ジェトロ グローバル アイ)」と書かれたタイトルテロップが表示される。

映像説明: スタジオ。横長の背景モニターに緑色(みどりいろ)を基調とした地球儀と「世界は今 JETRO Global Eye(ジェトロ グローバル アイ)」のロゴが映し出されている。前方にも小さいモニターが置いてあり、ブースがたくさん設置された広い会場の中で多くの人が行き交う様子が映し出されている。モニターの左側、スタジオ中央に女性キャスターが座っている。水色とクリーム色(いろ)のストライプ柄のブラウスを着て、白いスカートをはいている。

女性キャスター: 世界は今、ジェトログローバルアイ。

映像説明: 薄い黄緑色(きみどりいろ)のモニターを背景にした女性のバストショット。

テロップ: 江連 裕子(えづれ ゆうこ)

江連(えづれ)キャスター: 新型コロナウイルスの影響で海外との行き来が難しいなかでも、国を超えたオープンイノベーションによって、ユニークな事業や考えが生まれています。

映像説明: スタジオ。江連(えづれ)キャスターが左のほうに体の向きを変える。画面の左側に江連(えづれ)キャスター。右側には小型モニターがあり、ハーネスで身体を固定し、ゴーグルを着け、カーキ色(いろ)のジャケットを着た男性が雪の積もっている木に登り、チェーンソーで枝を伐採する姿や黒のポロシャツを着た男性が前に出した左手の手のひらと甲(こう)を見せるように上下左右に動かす。左手は赤い枠で囲まれ、手の動きに合わせて移動する様子が映し出されている。江連(えづれ)キャスターが話を続ける。

江連(えづれ)キャスター: 中小企業同士によるオープンイノベーションで、新たなビジネスを生み出す企業を取材しました。

テロップ: 中小企業のオープンイノベーション ‐成功のポイントとは‐

映像説明: 緑が生い茂る背の高い樹木。幹や枝には、黄色(きいろ)や青、ピンク色などのロープが張られている。ハーネスで身体を固定し、サングラスを着け、緑色(みどりいろ)のヘルメットをかぶった男性が木に登り、チェーンソーで枝を伐採する。ロープで結ばれた枝が落下する。 別の背の高い樹木。白いヘルメットをかぶった男性が木に登り、チェーンソーで枝を伐採している。黄色いロープで結ばれた枝が線路脇の地面に落下する。(映像提供 マルイチ)

サイドテロップ(画面右上にほぼ常時表示): 海外スタートアップと協業 カギは広い視野と契約書

テロップ: 特殊伐採

ナレーション: 家屋や線路が障害物となり、重機で入れない(はいれない)など伐採が難しい場所でも、安全に伐採できる特殊伐採技術。

映像説明: 樹木の枝にオレンジ色(いろ)のロープが張られている。ロープに固定されたシルバーの金具から黄色いロープが張られ、樹木の下のほうまで伸びている。 ハーネスで身体を固定し、サングラスを着け、緑色(みどりいろ)のヘルメットをかぶった男性がロープをつかんでいる。 緑が生い茂る背の高い樹木。枝には、黄色いロープが張られている。サングラスを着け、緑色(みどりいろ)のヘルメットをかぶり、ハーネスを装着した男性が木に登り、チェーンソーで枝を伐採する。黄色いロープで結ばれた枝が落下する。 青いロープが結ばれた樹木。緑色(みどりいろ)のヘルメットをかぶり、ハーネスを装着した男性がチェーンソーで枝を伐採している。伐採された枝が黄色いロープで宙づりになり、男性がロープを操作しながらゆっくりと下へ枝をおろしていく。(映像提供 マルイチ)

ナレーション: ロープを使ったクライミングで高い木に登り、少しずつチェーンソーで切断。伐採したものをロープで安全に地上に下ろすことができる。

映像説明: オフィスの中。薄いグレーの壁には風景などの写真が入った白い額縁が3つ飾られている。木目調の机で黒いジャケットを着た女性が椅子に座り、ノートパソコンを操作しながら話をしている。

テロップ: 東京都 中央区:

テロップ: maec(エムエーイーシー)

ナレーション: maec(エムエーイーシー)は、この特殊伐採技術に関する特許化やライセンスビジネスを行う企業だ。

映像説明: くもり空の下。ハーネスで身体を固定し、腰にチェーンソーを着け、カーキ色(いろ)の上着を着た男性が枝に張られたロープをつかみながら雪が積もる木に登っている。 雪が積もる枝から枝に引っ掛けたロープを上手に操りながら空中で男性が移動している。

ナレーション: 現場から得たヒントをもとに製品開発にも力を入れている。特殊伐採にこだわらず、建設現場などロープワークを使う業界で、スムーズに作業できるための製品だ。

映像説明: オフィスの中。黒いジャケットを着た女性が椅子に座り、話をしている。

テロップ: maec(エムエーイーシー) 酒井 順子(さかい よりこ) CEO

ナレーション: CEOの酒井さんは…。

映像説明: オフィスの中。オフホワイトの壁に囲まれた室内で黒いジャケットを着た酒井CEOがインタビューに答える。

酒井CEO: 人の安全を守る、そして繊細な動きをするものを作りたかったんですね。 ソフトウェア周りとかAI(エーアイ)周りができなくて、 われわれが作っているシステムっていうのが、どうしてもAI(エーアイ)部分、ソフトウェア部分がすごくコントロールをする部分が必要だったので、 そのコントロール制御部分を作れる人を探していた。

映像説明: 展示会場の外観。赤い鉄筋の骨組みのあいだに、「つながる社会 共創する未来」の文字と、青、黄、ピンクの色を重ねた背景に「CEATEC」などと書かれた巨大なシート看板が張られている。赤い骨組みの上はドーム型の屋根が3つ連なり、骨組みの下は何本もの太いグレーの丸柱で支えられている。奥にはガラス張りの建物が立っている。

テロップ: CEATEC 2019

ナレーション: 自分たちのアイデアを実現化してくれる相手を探すため、さまざまなイベントに足を運ぶようにしていた。

映像説明: 展示会場の中。鉄骨のはりがむき出しの高い天井の下に広い空間が広がる。パーティションで区切られた、さまざまなブースの上部に赤の社名ボードが貼られている。中には大型のブースもあり、「TOPPAN」や「TAIWAN」と書かれた看板が設置されている。手前のスペースは黒のパーティションで囲われ、カウンターとテーブルなどがあるカフェスペースになっている。

ナレーション: そんなとき、訪れたのが、おととし開かれたIT(アイティー)エレクトロ二クス分野の見本市。

映像説明: カラフルなパーティションが並ぶ会場の一角。赤、青、白に塗り分けられたパーティションには、白い文字で「Startup & University」、「JETRO Global Connection(ジェトロ グローバル コネクション)」と書かれている。それぞれのブースには展示台やモニターなどが設置され、黄色いポロシャツ姿の男性や黒いスーツ姿の女性が来場者と話をしている。奥のほうにも白と青で塗り分けられたブースが何列も立ち並び、大勢の来場者でにぎわっている。 3つのブースが並ぶ一角。「Hailo(ハイロ)」の看板が掲げられたブースの前に眼鏡を掛けたスーツ姿の2人の外国人男性が立っている。壁のモニターにはグラフィック映像が映し出され、手前にある展示台で男性がペンを走らせている。隣のブースではカーキ色(いろ)の半袖シャツを着た外国人男性展示台の上のノートパソコンに視線を落とし、隣に立つペパーミントグリーンのポロシャツを着た外国人男性が説明している。

テロップ: 2019年10月15~(から)18日 ジェトロ グローバル コネクション 主催:ジェトロ

ナレーション: その一角に設けられていたのが海外の有望なスタートアップを集結した、ジェトロ グローバル コネクションだった。

映像説明: 2分割された画面。左側には紺色のネクタイを締め、白いシャツを着た外国人男性、右側にも同じ男性が映し出され、左側よりもアップで映し出されている。

テロップ: Human Bionics(ヒューマン バイオニクス) カルロス・エスカランテ CEO

ナレーション: そこで酒井さんは、カルロス・エスカランテさんと出会った。コロンビア在住でロボティクステクノロジーのエンジニアだ。

映像説明: 茶色い大きな三枚扉の室内。カルロスCEOを含む男女5人の外国人が木目調の長机(ながづくえ)を囲み、話をしている。机には、グレーの洋服を着た木製の人形やノートパソコンが置かれている。全員マスクを着けている。 カルロスCEOがグレーの洋服を着た木製の人形を手に持ちながら、身振りを交えて話をしている。

テロップ: コロンビア

テロップ: Human Bionics(ヒューマン バイオニクス)

ナレーション: カルロスさんがCEOを務めるヒューマン バイオニクスではメディカルデバイスの開発をしている。カルロスさんはAI(エーアイ)やCADデザインの領域で協力できると提案をした。

映像説明: 2分割された画面。左側には酒井 CEO、右側には、話をしているカルロスCEOが映し出されている。

テロップ: 一緒に新しい製品を作れる可能性

テロップ: 一方のカルロスさんは―

ナレーション: 酒井さんは 彼らの提案に新しい製品を、一緒に作っていける可能性を感じた。一方のカルロスさんは…。

映像説明: 室内。白い天井と壁に囲まれ、木目調の枠で囲われたドアや、グレーのカーテンで仕切られている部分がある。カルロスCEOが身振りを交えながらインタビューに答える。(Zoomのビデオ通話)

カルロスCEO・英語: maec(エムエーイーシー)は、ほかの会社と違って、毎日働く人々の快適さのために新しい技術を求めている。 彼らはあらゆる段階の、誰もが知らないアイデアを探すのが好きなのだ。 私は彼らのそういう考え方が好きだ。

映像説明: Zoomのビデオ通話でカルロスCEOが話している様子。

テロップ: “新しい技術で安全に働ける環境を作りたい”

テロップ: 共感

ナレーション: 新しい技術を使って、より安全に働ける環境を作りたいという酒井さんの考えに共感を持ったという。

映像説明: 白い壁の室内。マスクを着け、黒いキャップをかぶった男性が白い机で椅子に座り、ノートパソコンを操作している。画面には、プログラミングの黒い画面が映し出されている。 別の室内。2台のモニターが設置されたパソコンの前で、マスクを着け、黒縁の眼鏡をかけ、黒と黄色(きいろ)の模様のシャツを着た外国人男性がパソコンに向かっている。 紫色の枠で12分割された画面。カルロスCEOを含む男女12人の外国人が映し出され、身振りなどを交えながら話をしている。全員マスクを着けている。

ナレーション: しかし協業を続けるなか、コロナ禍で多くの作業をオンラインで進めざるを得ない状況だった。そんななかでも、彼らが次から次へとアイデアを出し、積極的に技術開発を進めていく様子を見て、酒井さんは…。

映像説明: 茶色い大きな三枚扉の室内。カルロスCEOを含む男女5人の外国人が木目調の長机(ながづくえ)を囲み、話をしている。カルロスCEOは木製の人形を手に持っている。 ノートパソコンとモニターが置かれた机の前。机の上から白い蛍光灯が灯ともされ、マスクを着け、赤いイヤフォンを装着した女性がノートパソコンを操作している。 ドライバーやペンチなどの工具が置かれた机の前。マスクを着け、手に工具を持った女性が黒や赤など、さまざまな色のケーブルがつながれた機械を組み立てている。 パソコンが置かれた別の机の前。マスクを着け、ヘッドフォンを装着した男性がパソコンを操作している。男性の横には、黄色(きいろ)の枠で囲まれた、箱型の機械があり、機械上部の装置が左右に動いている。 オフィスの中。オフホワイトの壁に囲まれた室内で黒いジャケットを着た酒井 CEOがインタビューに答える。

酒井 CEO: コロンビアだって、すごい技術者たちが実はゴロゴロ転がってて、 ハイレベルなんだよなんていうのは、もちろん私も知らなかったですし、 いろんな国に可能性はあるっていうのを、最初からこの国はあれだなって決めつけずに、 その国というよりも、その人、その企業がすばらしいんだっていうふうに、のが、絶対に当たってくると思うので。

映像説明: オフィスの中。オフホワイトの壁に囲まれた室内で黒いジャケットを着た酒井 CEOが話をしている。

テロップ: 広い視野で相手を見極める

ナレーション: 良いパートナーを見つけるためには、より広い視野で相手を見極めることが必要だと、改めて感じた酒井さん。

映像説明: 白いブラインドカーテンが下ろされたオフィス。透明のアクリル板のパーティションが付いている木目調の机で、酒井CEOや従業員がそれぞれ椅子に座り、パソコンに向かっている。全員マスクを着けている。

テロップ: 秘密保持契約書

テロップ: 共同開発合意書

ナレーション: 海外企業との協業で、特に大事な、互いの技術を開示するための秘密保持契約書。そして次に共同開発合意書を交わした。

映像説明: オフィスの中。オフホワイトの壁に囲まれた室内で黒いジャケットを着た酒井 CEOがインタビューに答える。 青い背景に枠が2つ表示される。左側に酒井CEO、右側にカルロスCEOが映し出されている。 オフィスの中。オフホワイトの壁に囲まれた室内で黒いジャケットを着た酒井 CEOが話を続ける。

酒井 CEO: 1つずつ、そういう書類の作業は淡々と進めていってます。 お互いが同じ方向を向いているなというのを確かめるうえでも、 「契約書を結びましょう」「いいですよ」とやっていくステップっていうのは、やっぱり必要かなと思いますね。

映像説明: 会議室。白い壁には風景などの写真入りの白い額縁が3つ飾られている。部屋の中央に置かれている木目調のテーブルで酒井CEOが椅子に座り、ノートパソコンに向かって話をしている。 室内。白い天井と壁に囲まれ、木目調の枠で囲われたドアや、グレーのカーテンで仕切られている部分がある。カルロスCEOが話をしている。

ナレーション: 中小企業にとって、1つずつ段階的に契約を結ぶことで、お互いの協業への向き合い方を確認することもポイントだという。

映像説明: 雪が積もる背の高い樹木。サングラスを装着し、カーキ色(いろ)の上着を着た男性がハーネスで身体を固定し、ロープをつかみながら木に登っている。 男性がチェーンソーで枝を伐採する。(映像提供 マルイチ)

ナレーション: 今回の協業で、1つのプロジェクトが実現に向けて進みだした。

映像説明: くもり空の下。ハーネスで身体を固定し、腰にチェーンソーを着け、カーキ色(いろ)の上着を着た男性が枝に張られたロープをつかみながら雪が積もる木を登っている。ロープを枝から枝に引っ掛けて上手にロープを操りながら空中で男性が移動している。(映像提供 マルイチ) 白い壁の室内。マスクを着け、眼鏡をかけた男性がノートパソコンを操作している。画面には半導体のような3D(スリーディー)画像が映し出されている。 別の室内。眼鏡をかけ、迷彩柄のマスクとイヤフォンをつけた男性がノートパソコンを操作している。画面には何かの部品の3D(スリーディー)画像が映し出されている。

テロップ: 3次元施工装置

ナレーション: 特殊伐採から得た特許技術と、AI(エーアイ)ロボティクス技術で開発している3次元施工装置。

映像説明: エメラルドグリーンのグラデーションの背景の画面。足場などが設置された工事作業の工程の2枚のCG画像が横並びに表示されている。

テロップ: 高所作業には足場や重機が必要

ナレーション: 大きな橋や工事現場での点検作業では、大規模な足場や重機が必要だ。

映像説明: エメラルドグリーンのグラデーションの背景の画面。画像が切り替わり、左側には、四方に張られた赤いロープで黄色い円柱がつるされたCG画像、右側には、四方から張られた赤いロープを1ヵ所に集め、そこから下がったローブに薄い緑色(みどりいろ)の人型のイラストがつり下がっているCG画像が映し出される。

ナレーション: この装置が実現すると、クライミングの技術がなくてもロープにつるされた状態で、

映像説明: エメラルドグリーンのグラデーションの背景の画面。中央に、四方から張られた赤いロープを1ヵ所に集め、そこから下がったロープに薄い緑色(みどりいろ)の人型のイラストがつり下がっているCG画像が映し出される。赤い矢印が左下の一点から縦、横、斜めの3方向に伸びる。

テロップ: 360°自由に移動

テロップ: 安全に作業が可能

ナレーション: 例えば、縦、横、斜めなど360度、行きたい方向に移動し、より安全に作業ができる。

映像説明: オフィスの中。オフホワイトの壁に囲まれた室内で黒いジャケットを着た酒井 CEOがインタビューに答える。

酒井 CEO: 今は人じゃなくてね、機械で点検できないかっていう、そっちの方面からのアプローチもあると思うんですけども、 安全に人がそこに点検に行けるっていうことを、あの、システムでどうにか実現したいなって思ってます。

映像説明: 薄い雲が広がる空の下。運河沿いの繁華街。さまざまな企業の大型看板がいくつも掲げられ、運河には歩道橋が掛かっている。

テロップ: 大阪市

サイドテロップ(画面右上にほぼ常時表示): 海外スタートアップとの協業 カギはマーケットとスピード感

映像説明: 車道沿いに建つ赤茶色の外壁の7階建ての建物。手前の歩道には街路樹が植えられている。 木目調の壁に白い看板が掲げられている。看板には、黒い文字で「センスシングスジャパン株式会社」と書かれている。

テロップ: センスシングスジャパン

ナレーション: ここ、大阪にも、CEATEC 2019で出会った海外のスタートアップと協業を進める企業がある。センスシングスジャパン。

映像説明: 広いオフィスの中。たくさんの白い長机(ながづくえ)が並べられ、机の上には何十台ものパソコンが設置されている。マスクを着けた大勢の男女が椅子に座り、パソコンに向かって作業をしている。

テロップ: 画像技術

テロップ: IoT(アイオーティー)ソリューション

ナレーション: 画像モニターやカメラにほかの機能を組み込み、さまざまなIoT(アイオーティー)ソリューション機器を製造している会社だ。

映像説明: オフィスの一角。木目調の壁のそばに観葉植物が置かれている。紺色のスーツを着た男性がインタビューに答える。 男性が、「MOQSEE(モクシー)」というロゴのある白い箱型の機械を手に取る。

テロップ: センスシングスジャパン   梅津 優(うめつ ゆたか) 取締役 

梅津(うめつ) 取締役: カメラに関する画像技術の会社ですね。 ハードウェアを開発している会社になっています。

映像説明: オフィスの中。水色のシャツを着た男性と白いシャツを着た男性が椅子に座り仕事をしている。2人ともマスクをつけている。 白いシャツを着た男性と白いシャツを着たポニーテールの女性がそれぞれ椅子に座り、机上の書類を見ている。2人ともマスクをつけている。

テロップ: ソフトウェア技術を持つ スタートアップを探していた

ナレーション: 新たな製品開発での海外展開を視野に入れ、自社の技術を生かせるソフトウェア技術を持つスタートアップを探していた。

映像説明: 白と黄緑色(きみどりいろ)の壁で囲まれた室内。壁に取り付けられている白いオープンシェルフには車の模型が置かれ、黄緑色(きみどりいろ)の壁部分には外国人男性の写真や「California DREAMIN(カリフォルニア ドリーミン)」と書かれたステッカーなどが貼られている。画面中央に、眼鏡をかけ、白いTシャツの上に襟つきのオフホワイトの上着を着た外国人男性が話をしている。

テロップ: カナダ

テロップ: Motion Gestures カシーフ・カーンCEO

ナレーション: CEATECで出会ったカナダのMotion Gesturesは、従業員10人ほどのソフトウェア開発のスタートアップだ。

映像説明: 白い壁の室内で、黒のポロシャツを着た外国人男性が左手を挙げている。左手は赤い線で囲まれていて手首から指にかけて、親指にはピンク色、人差し指には赤、中指にはオレンジ、薬指には黄緑色(きみどりいろ)、小指には水色の線が表示されている。赤い枠の周り には「Open Palm(Up)」、「Hand:Right Front」といった文字がある。 男性が手のひらをひっくり返したり、人さし指を立てたり、親指と人さし指で丸を作るジェスチャーやピースサインなどをすると、それぞれの指に表示された色付きの線も指の動きと同様に動く。赤い枠も手の動きに合わせて動いている。 男性が前に出した左手の手のひらと甲(こう)を見せるように上下左右に動かす。左手は赤い枠で囲まれ、手の動きに合わせて移動している。(映像提供 Motion Gestures)

テロップ: ハンドジェスチャー

ナレーション: この会社の主力事業は、「ハンドジェスチャー」と呼ばれる技術。高度な人工知能と機械学習テクノロジーを組み込んであり、関節と指先の21ヵ所を検出する。

映像説明: オフィスの中。薄いグレーのシャツを着て眼鏡をかけ、マスクをつけた男性が真剣な表情でパソコンを操作している。

テロップ: センスシングスジャパン システム事業部 髙野 剛(たかの つよし) さん

ナレーション: 協業事業で開発を担当する、専任技術者の髙野(たかの)さんは、こう語る。

映像説明: オフィスの一角。すりガラスと白い壁で囲まれた室内。白い机の前の黒い椅子に座っている髙野(たかの)さんがインタビューに答える。

髙野(たかの)さん: AI(エーアイ)の常識を覆すようなAI(エーアイ)の作り方ができる。 あの、彼らの本当の強みは、あの、ほんとに独自性のあるAI(エーアイ)技術を持っていると。 正直、本当に感心しています。

映像説明: 白と黄緑色(きみどりいろ)の壁で囲まれた室内。画面中央でカーンCEOが話をしている。 別の室内。グレーの壁の前でマスクをつけた梅津(うめつ) 取締役が話をしている。 また別の室内。薄いグレーの壁の前でヘッドセットをつけた髙野(たかの)さんが話している。

ナレーション: 一方、Motion Gesturesが手を組んだのは、自動車やゲームなどが 世界的にも強い日本(にほん)の企業と製品開発を行うことで、日本国内(にほんこくない)や世界への市場開拓につながると考えたからだ。

映像説明: 4分割された画面。左上にはマスクをつけて、笑顔の梅津(うめつ) 取締役、左下にはヘッドセットをつけた髙野(たかの)さん、右下には笑顔のカーンCEO、右上は人型のシルエットが映し出されている。

ナレーション: 去年夏、両社はパートナーシップ契約を結んだ。

映像説明: オフィスの一角。髙野(たかの)さんがモニターや三脚などを設置している。 青い背景のモニターに髙野(たかの)さんの姿が映し出されたウインドウが表示されている。

テロップ: 技術者を協業チームに入れる

映像説明: 髙野(たかの)さんが左手を差し出し、手のひらと甲(こう)を見せるように左右に動かす様子がウインドウの中に映し出されている。左手は白い枠で囲まれ、手のひらには、手首から指先にかけて赤や水色やオレンジなどのカラフルな5本の線が重ねて表示されている。

テロップ: 画像処理技術とハンドジェスチャーの応用

ナレーション: 日本側では、早い段階から技術者を協業のチームに入れることで、技術の理解度を高め、「画像処理技術」と「ハンドジェスチャー」をどう応用していくか検討し始めた。

映像説明: オフィスの一角。大きなホワイトボードが接地されたスペース。机の上にはパソコンが置かれ、椅子に座る髙野(たかの)さんとその横に立っている梅津(うめつ) 取締役がモニターを見ながら話をしている。2人ともマスクをつけている。

テロップ: 非接触

ナレーション: そんなとき、コロナ禍での「非接触」を2社の強みが生かせるマーケットとして見込んだ。

映像説明: 室内。大きな白い長机(ながづくえ)にパソコンが並べられている部屋で、マスクをつけた髙野(たかの)さんが椅子に座り、真剣な表情でノートパソコンに向かい作業している。

テロップ: 実用化に向けデモ機を製作

ナレーション: そして、すぐに実用化に向け、いくつかのデモ機を製作したのだ。

映像説明: 木目調の長机(ながづくえ)に置かれた黒い車の模型。車の模型に向かって、車体の前から後ろのほうに向かって右手を動かすと、車の模型のドアが開く。 車の模型の横に設置された青い背景のモニターには髙野(たかの)さんの姿が映し出されたウインドウが表示されている。髙野さんが左手を差し出し、左から右に向かって動かすと、車の模型のドアが閉まる。

テロップ: 手の動きのみで操作

ナレーション: 手の動きを認識して車のドアの開け閉めを行える機能。自動運転中にリモコンやボタン操作なしで、手の動きだけで音楽をかけたり、エアコンをつけたりすることも可能になるのだという。

映像説明: すりガラスと白い壁で囲まれた室内。モニターなどの実験機器の前に立って、マスクをつけた髙野(たかの)さんがインタビューに答える。

髙野(たかの)さん: 3階建ての商業施設を意識してデモを作っています。

映像説明: オフィスの一角。すりガラスと白い壁で囲まれた室内。髙野(たかの)さんが右手の指で「1、2、3」と数を表すジェスチャーをする。 木目調の長机(ながづくえ)に置かれたモニターの前。その前に髙野(たかの)さんが立ち、右手の指で数を表すジェスチャーをしたり、右手を左右上下に動かす動きをしている。モニターには、指や手の動きに合わせてホテルの一室や白い壁の前でグレーのブラウスを着た女性がポーズをとる姿、黒い皿に盛り付けられた肉の画像が映し出される。親指と人さし指を広げたり、くっつけるように動かすと、モニターに映し出された女性の画像が拡大したり、縮小したりする。

テロップ: デジタルサイネージやキオスク端末への応用

ナレーション: カメラに向かって、見たいフロアの数字を指で示したり、スマートフォンのスクロールのような動きをすると、それに合わせて画面も変わっていく。拡大、縮小も、手の動きだけで行うことができる。病院や、公共機関などのデジタルサイネージやキオスク端末にも応用できると期待している。

映像説明: オフィスの一角。白い壁に囲まれた室内。白い長机(ながづくえ)に、紺色の上着を着て眼鏡をかけている男性、手前には梅津(うめつ)取締役が座り、真剣な表情でパソコンを操作している。2人ともマスクを着けている。 別の室内。木目調の壁のそばに観葉植物が置かれている。紺色のスーツを着た梅津(うめつ) 取締役が話をしている。

テロップ: マーケットの見極め

テロップ: 技術者を早くチームに入れる

ナレーション: センスシングスジャパンの梅津(うめつ)さんは、協業が成功していくためのポイントについて、この技術がどこのマーケットで生かせるのか見極めること、技術を理解し、使いこなせる技術者を早くチームに引き入れることだと考える。さらに大切なことについて…。

映像説明: オフィスの一角。木目調の壁の部屋で梅津(うめつ)取締役がインタビューに答える。

梅津(うめつ) 取締役: あの、われわれも中小企業ですけども、先方もやっぱりスタートアップ、まだまだ若い企業なので、 リソースが限定的だと。リソースイコール、もう彼らほんとにキャッシュなので、 やっぱそこに意識をわれわれもして、まずスピード感を持って対応するっていうのが1つ。 (当社の技術者に)デモ機も「作って」って言って、もう速攻で作ってもらって、 本来の技術の良さをより良く、こう、伝えれるかな、結果、ビジネスになるかなと思いますので。

映像説明: 3分割された画面。左の枠にはマスクを着け、笑顔の梅津(うめつ) 取締役、中央にはヘッドセットをつけた高野(たかの)さん、右の枠には、カーンCEOが映し出されている。

テロップ: 中小企業だからこその スピード感で目的を共有

ナレーション: 中小企業だからこその小回りの良さとスピード感で、目的を共有する。

映像説明: 白と黄緑色(きみどりいろ)の壁で囲まれた室内。壁に取り付けられている白いオープンシェルフには車の模型が置かれ、黄緑色(きみどりいろ)の壁部分には外国人男性の写真や「California DREAMIN(カリフォルニア ドリーミン)」と書かれたステッカーなどが貼られている。画面中央でカーンCEOが話をしている。

テロップ: Motion Gestures カシーフ・カーン CEO

ナレーション: その姿勢は、パートナーからの信頼を得ることにもつながっていた。

映像説明: 白と黄緑色(きみどりいろ)の壁で囲まれた室内。カーンCEOがインタビューに答える。(Zoomのビデオ通話)

カーンCEO・英語: 彼らは技術を理解し計画を立てるのに多く時間を費やす、ほかの日本企業とは大きく違った。 彼らは初日からすぐに全力で取り組んでいた。 そのあとも私たちのやり方やスタートアップとの仕事の進め方を尊重してくれた。

映像説明: スタジオ。画面左側には江連(えづれ)キャスター、右側には小型モニターが設置されている。モニターには、オフィスの一角で椅子に座った髙野(たかの)さんとその横に立つ梅津(うめつ)取締役がモニターを見ながら話をしている姿や 木目調の長机(ながづくえ)の上に置かれたモニターの映像が髙野(たかの)さんの手の動きにあわせて、黒い皿に盛られた肉の画像からホテルの一室に変わる様子、茶色い大きな三枚扉の室内で、カルロスCEOを含む男女5人の外国人が木目調の長机(ながづくえ)を囲みながら話し合う様子、カルロスCEOが木製の人形を手に持ちながら話をしている姿などが映し出されている。江連(えづれ)キャスターが話をする。

江連(えづれ)キャスター: 海外企業とのオープンイノベーションでは、協業する目的を明確にすることが大事なんですね。そして、やはり不可欠なのが、お互いのコミュニケーション。より理解を深めることで、大きな相乗効果を生んで欲しいですね。

映像説明: 薄い黄緑色(きみどりいろ)を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。緑を基調とした、中が空洞になった地球儀が回転している。

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