食のニーズをつかむ! 新発想の商品開発

2021年05月20日

輸出を成功させるには、現地のニーズに応じた商品提案が重要となる。世界各国の料理にも使えるパスタに着目し、そばやうどんの製麺技術を活かして「他にはない食品」と評されるパスタを開発した山形の製麺会社。米国をはじめとした海外での代替肉市場の伸びを肌で感じ、こんにゃくを原料とした商品開発を進めている宮崎の食品メーカー。従来の枠にとらわれない商品開発で、世界に挑む企業を追った。

(11分43秒)

テキスト解説を読む

テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。 フランス・パリのエッフェル塔や凱旋門、アニメキャラクターのコスプレをした20代くらいの海外の女の子や、渋谷のスクランブル交差点の写真など、世界中の12枚の写真が画面の奥から飛び出してくる。水色を基調としたコンピューターグラフィックスの背景に、中が空洞になった緑色(みどりいろ)の地球儀が回転しながら現れる。画面右側で地球儀が回転し、左側に紺色の文字で「世界は今 JETRO Global Eye(ジェトロ グローバル アイ)」と書かれたタイトルテロップが表示される。

映像説明: スタジオ。横長の背景モニターに緑色(みどりいろ)を基調とした地球儀と「世界は今 JETRO Global Eye(ジェトロ グローバル アイ)」のロゴが映し出されている。前方にも小さいモニターが置いてあり、オレンジや白や紫色などの形に特徴があるパスタが20個ほど並んでいる。モニターの左側、スタジオ中央に女性キャスターが座っている。少しピンクがかったオレンジ色(いろ)の襟のないブラウスを着て、白いスカートをはいている。

女性キャスター: 世界は今、ジェトログローバルアイ。

映像説明: 薄い黄緑色(きみどりいろ)のモニターを背景にした女性のバストショット。

テロップ: 江連 裕子(えづれ ゆうこ)

江連(えづれ)キャスター: 輸出を成功させるには、現地のニーズにあった商品を提案することが必要です。

映像説明: スタジオ。江連(えづれ)キャスターが左のほうに体の向きを変える。画面の左側に江連(えづれ)キャスター。右側にあるモニターにピンク色の桜の花の形をしたパスタや食品がたくさん並べられたブースの前で白いシャツに黒っぽいベストを着て、眼鏡をかけてマスクをした男性が手に持ったタブレットに向かって話しかける様子などが映し出されている。江連(えづれ)キャスターが話を続ける。

江連(えづれ)キャスター: そこで、従来の枠にとらわれない商品を開発し、販路開拓に取り組む企業を追いました。

テロップ: 食のニーズをつかむ! 新発想の商品開発

映像説明: 天井の高い体育館のような広い室内。企業のブースがたくさん並んでいる一角。緑の縁取り(ふちどり)のある白いパーテーションで仕切られたブースで、マスクを着け、黒いスーツに白と紺色のネクタイをして眼鏡をかけた男性が、黒っぽいスーツに茶系のロングヘアの女性が左手に持っているタブレットに向かって話しかける。男性は、手に持ったスパウトパウチの商品を画面に向かって見せながら説明している。

サイドテロップ(画面右上にほぼ常時表示): 目指せ! 世界でオンリーワン 輸出に成功する商品開発

マスクを着け、黒いスーツに白と紺色のネクタイをして眼鏡をかけた男性: ゼラチンは使っていません。動物性のものは使っていません。はいはい。

映像説明: 会場の外観。アーチ状の屋根の建物が中央にあり、その前の渡り廊下のようになっている屋根付きの通路を数人の人が歩いている。 会場の中。広い通路の両側に10社ほどの企業のブースが立ち並び、たくさんの人が行き来している。

テロップ: 千葉市

テロップ: スーパーマーケット・トレードショー2021

ナレーション: 今年2月、開催された食品の見本市。

映像説明: 3分割されたタブレット画面に3人の男性が映し出されている。マスクを着け、黒いスーツに白と紺色のネクタイをして眼鏡をかけた男性がその前に立ち、タブレット画面に向かって話をしている。男性は緑の紙製のパッケージの商品を手に持ちながら説明している。

テロップ: 2021年2月17~(から)19日 食品輸出オンライン商談会 in SMTS 主催:ジェトロ

ナレーション: 会場で行われていたのは、タブレットを使ったオンライン商談会だ。

映像説明: 企業のブースがたくさん並ぶ一角。緑の縁取り(ふちどり)のある白いパーテーションで仕切られたブースで、マスクを着け、黒いスーツに白と紺色のネクタイをして眼鏡をかけた男性が手にスパウトパウチの商品を持ち、黒っぽいスーツに茶系のロングヘアの女性が左手に持っているタブレットのほうに向かって話しかける。

テロップ: セイウ

映像説明: 3分割したタブレット画面に3人の男性が映っている。マスクを着け、黒いスーツに白と紺色のネクタイをして眼鏡をかけたセイウの男性担当者が、上部に緑のラインが入ったスパウトパウチを手に持ち、黒っぽいスーツに茶系のロングヘアの女性が左手に持っているタブレットのほうに向かって説明している。

テロップ: セイウ担当者

ナレーション: 新型コロナウイルスの影響で、会場に来ることができない海外在住のバイヤーとビデオ通話で結び、ブースの商品を見せながら、売り込みを図る。

映像説明: セイウのブース。商品が並ぶ棚の前で、男性担当者が2つのスパウトパウチの商品を手に取り、黒っぽいスーツに茶系のロングヘアのマスクをした女性が左手に持っているタブレットのほうに2つの商品を見せながら説明している。

セイウ担当者: 夏はやっぱり塩。塩レモン、塩ライチ、この2種類。

テロップ: カタールのバイヤー

カタールのバイヤー: 塩ライチ、いいな。

映像説明: 見本市の会場。男性の姿が映っているタブレットを持ちながら、マスクを着け、グレーのスーツを着てリュックを背負い、眼鏡をかけた男性が歩いている。 茶系のマスクを着け、黒いスーツを着た男性がタブレットに映っている男性と話している。 タブレットに映っている男性に、「食物繊維 キャロチ」と書いてある商品パッケージを見せる。

ナレーション: タブレットを持ったスタッフがブースを巡るこのオンライン巡覧型の商談会に、5ヵ国のバイヤーと日本の食品メーカー37社が参加した。

映像説明: 白いパーテーションで仕切られたブース。下半分に白い市松模様が入った黄緑色(きみどりいろ)の法被を着て、黒のパンツをはき、マスクをつけたロングヘア女性が、蕎麦やパスタなどが並んでいる商品棚のほうを手で示しながら笑顔で商品を紹介している。

テロップ: 玉谷製麺所(たまやせいめんじょ)

ナレーション: こちらは、玉谷製麺所(たまやせいめんじょ)。

映像説明: 黒い皿に雪の結晶や桜の花、紅葉(もみじ)の葉の形をしたオレンジやピンク、黄色(きいろ)、クリーム色(いろ)のパスタが並べられている。

ナレーション: ブースには、形に特徴があるパスタが…。いったい、これは?

映像説明: 黒い文字で「サクラパスタ」と書かれた白い看板が設置された玉谷製麺所(たまやせいめんじょ)のブース。そばなどの商品が並んでいる棚の前で、緑の法被を着た髪の長い女性が、隣にいる黒いスーツを着たロングヘアの女性が持つタブレットの画面に向かいながら話をしている。2人ともマスクを着けている。

テロップ: 玉谷製麺所(たまやせいめんじょ) 玉谷 貴子 専務

玉谷専務: はじめまして。山形の玉谷製麺(たまやせいめん)の玉谷と申します。

映像説明: 玉谷製麺所(たまやせいめんじょ)のブース。そばなどの商品が並んでいる棚の前で、玉谷専務が隣にいる黒いスーツを着たロングヘアの女性が持つタブレットの画面に向かって話をしている。2人ともマスクを着けている。 玉谷専務がタブレットの画面に向かって緑色(みどりいろ)のパッケージの乾麺を手に持ちながら話をする。 黄色いパッケージの乾麺をタブレットの画面に見せている手元の様子。

ナレーション: 山形県で70年余り前から麺類の製造販売を手掛けてきた従業員20人余りの企業。

映像説明: そばなどの3種類の乾麺の商品や形や色に特徴のあるさまざまなパスタのパッケージが並べられている。商品棚の中央には2枚の黒い(くろい)長角皿(ながかくざら)があり、右側にピンク色で桜の花の形をしたパスタが、左側にクリーム色(いろ)の雪の結晶の形をしたパスタが盛り付けられている。

テロップ: 世界でここでしかできない商品を

ナレーション: およそ10年前、世界でここでしかできない商品を生み出そうとパスタの開発をスタートした。

映像説明: 緑と白のグラデーションのパッケージの乾麺、黒と白のグラデーションのパッケージの乾麺、クリーム色(いろ)の乾麺のパッケージが並べられている。 木箱に入った茶系のパッケージに「月山板そば」と書かれた、そばとつゆがセットになった商品。

テロップ: 東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)の風評被害 乾麺業界の落ち込み

ナレーション: 東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)の風評被害に加え、そばやうどんの乾麺業界が落ち込み始めた時期だったという。

映像説明: 黄色(きいろ)やオレンジ、ピンク、クリーム色(いろ)などの、桜の花や雪の結晶や紅葉(もみじ)の形などをしたパスタが黒い皿の上に不規則に盛り付けられている。

ナレーション: そこで、パスタであれば、世界各国の料理にも使え、形から感動を伝えられるのではと考えたのだ。

映像説明: 雪の結晶の絵と「雪結晶パスタ」「つや姫」と書かれた透明のパッケージと、白い字で「雪結晶パスタ」と書かれたグレーの紙製パッケージ。いずれのパッケージからも雪の結晶の形をしたパスタがのぞいている。 黒いスーツを着た女性が持っているタブレットの画面に向かって、玉谷専務が手のひらの上にのせた3つの雪の結晶の形をしたパスタを見せている。

ナレーション: まず、製品化したのは、豪雪地帯、山形ならではの、雪の結晶をかたどったパスタだ。

映像説明: いくつものランプシェードがつり下げられ、たくさんの人が集まっている屋内の写真。グレーの紙製パッケージの「雪結晶パスタ」などが並べられた展示台で、女性がメモをとっている。 展示台にグレーの紙製パッケージの「雪結晶パスタ」や白い瓶に「米ぬかオイル」と書かれた商品が並べられている写真。 「雪結晶パスタ」などが並べられた展示台の奥に黒いスーツを着た玉谷専務が笑顔で立っている写真。展示台の前に立つ3人ほどの女性が手に持った紙に何かを書き込んでいる。

テロップ: フランス ビルパント メゾン・エ・オブジェ・パリ

ナレーション: 世界中からデザインのトレンドが集まる見本市に出展すると、「ほかにはない食品」だと注目を集めた。

映像説明: 玉谷製麺所(たまやせいめんじょ)のブースの前で、マスクをつけた玉谷専務がインタビューに答える。 黒い皿の上に雪の結晶の形をしたパスタ3個が並べられている。 玉谷製麺所(たまやせいめんじょ)のブースで玉谷専務が話を続ける。

テロップ: 玉谷製麺所(たまやせいめんじょ) 玉谷 貴子 専務

玉谷専務: この雪の結晶というふうなのを展示したときに、いちばん最初にびっくりされていたのがイタリアの料理人 シェフの方(かた)だったので、 こんな繊細なパスタは、日本人(にほんじん)クレージーだというふうに言われたので。

映像説明: 黒い皿の上にピンク色の桜の形をしたパスタが3つ並んでいる。右下にはピンク色の桜の花のイラストがひらひらと舞う。

テロップ: 春

映像説明: 黒い皿の上にオレンジ色(いろ)のおひさまの形をしたパスタが2つ並んでいる。右下には緑色(みどりいろ)の葉のイラストがひらひらと舞う。

テロップ: 夏

映像説明: 黒い皿の上に薄い黄色(きいろ)の紅葉(もみじ)の形をしたパスタが2つ並んでいる。右下には紅葉(もみじ)の葉やイチョウの葉のイラストがひらひらと舞う。

テロップ: 秋

ナレーション: その後、ほかにも日本の四季を表した桜や紅葉(もみじ)などのパスタを開発。

映像説明: 雪の結晶の形のパスタを作るための金属製の金型(かながた)の写真。雪の結晶の形をしたパスタが金型(かながた)から押し出されている。

ナレーション: 製造に使う金型(かながた)は、本場イタリアの職人に特注している。

映像説明: 白い台の上に置かれた、雪の結晶の形が均等ではなく縦に潰されてしまったような、形がゆがんでいるパスタ。

テロップ: 開発当初のゆがんだパスタ

ナレーション: しかし、開発当初は、パスタの形がゆがんでしまうなど、商品完成までの道のりは容易なものではなかったという。

映像説明: 玉谷専務の手のひらの上に載せられた雪の結晶の形のパスタ。

カタールのバイヤー: それは型崩れしないんですか?

映像説明: 黒いスーツを着た女性が持っているタブレットの画面に向かって、玉谷専務がグレーの紙製パッケージの「雪結晶パスタ」を持ちながら説明している。

玉谷専務: はい、しません。ただ最初に作ったときには、50分ゆでても60分ゆでてもゆだらなかったというなのが現状でして、 イタリアの金型屋(かながたや)さんに、自分たち、イタリアの金型(かながた)を作ることはできるけども、あなたたちはパスタにする、食べ物にすることができないというふうに言われたのは、この雪の結晶のパスタになります。

映像説明: 一部分だけが白くなっている黄色(きいろ)の雪の結晶の形をしたパスタと茶色い粒が点々と混ざっている雪の結晶の形をしたパスタが並べられている。

テロップ: 開発中のパスタ

映像説明: 白衣を着た人が雪の結晶の形のパスタとシルバーの金具をもち、計測している写真。 パスタが載せられたたくさんの金属トレーが並べられている写真。

ナレーション: この課題を解決するカギとなったのが、原料の変更や配合比率の調整など、そばやうどんをつくる中で培ってきた経験だった。

映像説明: 料理の写真。黒い皿にトマトや葉物類(はものるい)、サーモン、雪の結晶の形をしたパスタなどが彩りよく盛り付けられている。

ナレーション: 試行錯誤を繰り返し、商品は、ついに完成する。

映像説明: 玉谷製麺所(たまやせいめんじょ)のブース。マスクをつけた玉谷専務がグレーの紙製パッケージの「雪結晶パスタ」を手に持ち、黒いスーツを着た女性が持つタブレットに向かって話をしている。 黒い皿の上にピンク色のさくらんぼの形をしたパスタが3つ並べられている。

テロップ: さくらんぼ

映像説明: 黄色いクラゲなど、いろいろな形をしたパスタが6つ並べられている。

テロップ: クラゲ

テロップ: 玉谷製麺所(たまやせいめんじょ) 玉谷 貴子 専務

玉谷専務: 私たちの70年間のそのそばうどんの製麺技術と、このイタリアの伝統技術というようなのがうまく融合することによって、 今までになかったものというふうなのが、こういうふうに作り出すことができました。

映像説明: 木目調の板を組み合わせた台の上に、白と紺色のラベルに桜の花のイラストと「サクラパスタ」と書かれたシールが貼られた透明のパッケージの商品が2袋並べて置かれている。パッケージから桜の花の形をしたピンク色のパスタがのぞいている。 黒いスーツを着た女性が持っているタブレットの画面に向かって、マスクをつけた玉谷専務が「サクラパスタ」の商品パッケージを見せながら説明している。 黒いスーツを着てマスクをした女性が手に持っているタブレットの画面は3分割されていて3人の男性が映っている。

ナレーション: 2017年から輸出している桜のパスタは、今回の商談会でもバイヤーの関心を集めていた。

映像説明: 玉谷製麺所(たまやせいめんじょ)のブース。黒いスーツを着た女性が持っているタブレットの画面に向かって、玉谷専務がバイヤーと会話している。2人ともマスクをつけている。

カタールのバイヤー: 見た目でもう、使いたいというシェフとかがいそうな気がするんで。

玉谷専務: あ、シェフが。うん、はい。

カタールのバイヤー: 小売店でもそういうものがないので。

玉谷専務: ありがとうございます。本当ですか。   映像説明: 玉谷製麺所(たまやせいめんじょ)のブース。黒いスーツを着た女性が持っているタブレットの画面に向かって、玉谷専務が話をしている。2人ともマスクをつけている。

ナレーション: ほかにも、オーストラリアのバイヤーとも商談を進めていた。

映像説明: 玉谷製麺所(たまやせいめんじょ)のブースでマスクをつけた玉谷専務がインタビューに答える。 白い皿にエビやミニトマト、アボガド、葉物類(はものるい)、桜の花の形をしたピンク色のパスタなどの食材を使って作られた料理。

テロップ: 玉谷製麺所(たまやせいめんじょ) 玉谷 貴子 専務

玉谷専務: この桜パスタというふうなのが、日本(にほん)らしくって、オーストラリアのほうでの料理に使えそうだ、みなさんに喜んでもらえそうだと。

映像説明: 白い皿にブロッコリーやカニ、桜の花の形をしたピンク色のパスタなどの食材を使って作られた料理。 黒い皿の上にたくさんの桜の花の形をしたピンク色のパスタが並べられている。

テロップ: オーストラリアへの輸出が決まる

ナレーション: そして、オンライン商談会から2ヵ月後、オーストラリアのバイヤーから注文が入ったという。

映像説明: 玉谷製麺所(たまやせいめんじょ)のブース。黒いスーツを着た女性が持っているタブレットの画面に向かって、マスクをつけた玉谷専務が「おひさまパスタ」と書かれた商品を見せながら話している。 ガラスの器に盛り付けられている薄いピンク色をしたそうめん。その横にはそうめんつゆの入った小さめのガラスの器が置かれ、手前には小ネギ(こねぎ)やミョウガやしょうがなどの薬味が入ったピンクの小鉢が置かれている。 巻きすのような敷物の上に薄いピンク色のそうめんの束3束と半透明の袋にピンクと白のグラデーションのラベルに「桜そうめん」と書かれたパッケージが置かれている。

ナレーション: 商品開発を続ける玉谷専務は、ことし、海外向けに桜のそうめんを商品化した。香りも楽しめるように、塩漬けした桜の葉を麺に練りこんでいる。

映像説明: 玉谷製麺所(たまやせいめんじょ)のブースで、マスクをつけた玉谷専務がインタビューに答える。

テロップ: 玉谷製麺所(たまやせいめんじょ) 玉谷 貴子 専務

玉谷専務: ぜひ、この日本(にほん)の食の力っていうようなのを、届けていって、いきたいなというふうに考えています。

映像説明: 「大山食品(株)」と書かれた看板が設置されたブースの前。マスクを着け、薄紫色(うすむらさきいろ)のシャツに黒のダウンベストを着て眼鏡をかけた男性が、手に持ったタブレットに向かって話をしている。

サイドテロップ(画面右上にほぼ常時表示): こんにゃくバーガー!? 新発想の商品開発

テロップ: 大山食品

ナレーション: こちらは、酢やこんにゃくなどを手がけるメーカー。

映像説明: 2分割されたタブレット画面。左の枠に、赤と青いチェック柄のシャツを着て眼鏡をかけた男性が、右下の小さな枠に、マスクを着け、薄紫色のシャツに黒のダウンベストを着て眼鏡をかけた男性が映し出されている。

テロップ: カンボジアのバイヤー

カンボジアのバイヤー: 最低の数量って何ケース単位くらいまでありますか?

映像説明: マスクを着け、薄紫色のシャツに黒のダウンベストを着て眼鏡をかけた男性が、タブレット画面に映るカンボジアのバイヤーと話をしている。

テロップ: 大山社長

大山社長: えっと、ケース単位ですね。はい。1ケース単位。

カンボジアのバイヤー: おお。それはすばらしいな。了解しました。

大山社長: はい。

映像説明: 「大山食品(株)」と書かれた看板が設置されたブースの前。マスクを着け、薄紫色のシャツに黒のダウンベストを着て眼鏡をかけた大山社長がインタビューに答える。

ナレーション; 少ない数から輸出が可能なことも、バイヤーの評価のポイントとなったようだ。

テロップ: 大山食品 大山 憲一郎 社長

大山社長: (カンボジアのバイヤーは)こんにゃくとマーシー液体ゆずこしょうが、ちょっと興味あるって。 カンボジアは、うち、全くなんもやったことないので、やってみたいですね。

映像説明: 葉の生い茂った木に囲まれた車道。左へそれる道は上り坂になっており、道路脇には黒字で「大山食品(株)」と書かれた白い看板が設置されている。看板のまわりには、たくさんの植木が植えられている。画面右下の四角い枠に九州地方の地図。宮崎県は、九州の東南端に位置している。綾 町は宮崎県の中西部に位置し、赤い星印で示されている。宮崎市は、県の南東、海沿いに位置し、赤い丸印で示されている。 青空の下で、たくさんの陶磁器のかめが整然と並ぶ。

テロップ: 宮崎県 綾町

ナレーション: 大山食品は、宮崎県にある従業員15人の企業。黒酢(くろず)やこんにゃくの製造を手掛ける。

映像説明: 工場の中。麺のように細くなった白いこんにゃくが、ベルトコンベヤーで運ばれている。マスクを着け、白い作業服姿の従業員が作業をしている。 木目調の机の上。薄い黄緑色(きみどりいろ)の液体が白い小皿に注がれる。

ナレーション: 海外向けの主力商品は、野外のかめで作った黒酢(くろず)を原料とした、ゆずこしょうのソースだ。

映像説明: 屋外に並べられたかめの前。マスクをつけた大山社長がひしゃくを手に持ち、透明のカップに酢を注いでいる。 酢が注がれた透明のカップを鼻に近づけ、香りを確かめる。

ナレーション: 大山社長は、2006年から輸出に取り組んだものの、なかなかすぐには成約にはつながらなかった。

映像説明: 赤い床の会場の写真。展示台の上に酢やソースなどの瓶入りの商品が並べられている。ぱーテーションには、かめの写真や商品の説明などが書かれたポスターが貼られ、赤いチェック柄のシャツを着た白髪の男性がポスターを眺めている。

テロップ: Winter Fancy Food Show 2016

映像説明: 展示台の上に、酢やソースなどの瓶入りの商品などが並ぶ写真。商品の前には、黄色い紙に黒文字で商品名が英語で書かれている。

テロップ: 大手スーパーチェーンから ゆずこしょうソースの大口受注

ナレーション: しかし、その10年後に、アメリカの大手スーパーチェーンから「ゆずこしょうソース」の大口注文を受ける。

映像説明: 工場の中。機械に流れてくる空(から)の瓶にゆずこしょうのソースが充てんされる。 機械で瓶に金色のフタが装着され、白いゴム手袋を着けた作業員が機械から瓶を取り出す。

ナレーション: その後、販路を広げ、現在、10ヵ国に商品を輸出している。

映像説明: レンガ色(いろ)のタイル貼りの建物の前。黒いダウンジャケットを着た大山社長がインタビューに答える。 工場の中。ゆずこしょうのソースが充てんされた瓶が機械から流れてくる。 白いゴム手袋を着けた作業員が瓶を取り出し、段ボール箱に詰める。 レンガ色(いろ)のタイル貼りの建物の前。大山社長が話を続ける。

テロップ: 大山食品 大山 憲一郎 社長

大山社長: 海外市場では、特にアメリカではシンプルな素材でいろんなものを使わないっていうのが非常に求められていたというのも、 うまく海外展開につながったと思います。

映像説明: 調理場。マスクをつけた大山社長が調理台に立ち、ステンレス製の容器の中に入れられた食材を手で混ぜている。

ナレーション: 大山社長は今、さらなるヒット商品を生み出そうとしている。長年、開発に取り組んでいるのが、こちら。

大山社長: これは、あの、こんにゃくを使った代替え肉です。

映像説明: フライパンに丸く成型された代替え肉が5つ置かれ、焼かれている。焼き目のついた代替え肉を1枚ずつ木べらでひっくり返す。

ナレーション: 動物性の原料を含まないハンバーガー用のパティだ。

映像説明: レンガ色(いろ)のタイル貼りの建物の前。黒いダウンジャケットを着た大山社長がインタビューに答える。 カーキ色(いろ)の上着を着た外国人女性が木目調のトレーを持っている。トレーには、白い箱入りの小さなハンバーガーが13個載せられている。 白い車の前。黒いTシャツを着た外国人男性が、白い箱入りのハンバーガーが載った木目調のトレーを持っている。サングラスをつけ、黒いダウンを着た外国人男性や、紺色のスーツを着た外国人男性がトレーからハンバーガーを手に取る。

テロップ: 資料映像

テロップ: 大山食品 大山 憲一郎 社長

大山社長; アメリカに行ったときに、あの、その代替え肉の市場が非常に、あの伸びてるなっていうのを肌で感じまして、 毎年どんどんこう広がっていって。

映像説明: ケーキ店。ショーウィンドウには「EAT THE RAINBOW」という文字がレインボーカラーで描かれており、窓の左右にはさまざまな色の紙テープがカーテンのように束ねられ、飾りつけられている。 「Vida Bakery(ヴィダ ベーカリー)」、「Free‐From cafe(フリーフロム カフェ)」と白い手書きの文字で書かれた透明のケースの上に、たくさんのケーキが飾られている。中央のピンクのケーキスタンドには、白いホールケーキの上にピンクのクリームをトロリとかけ、一番上にチョコやピンクのアイシングをかけたドーナツを飾りつけたもの。左右に置かれた白いケーキスタンドには、上から赤、オレンジ、黄色(きいろ)、緑、青、紫のスポンジが重ねられたホールケーキが置かれ、いくつかカットされて、レインボーカラーの断面を見せている。ケーキスタンドの足元には、ピンクや紫、チョコなどのアイシングや傘やハートのピックで飾られた7つのカップケーキが並べられている。 白いホールケーキの左右には、「egg and dairy free」や「gluten free + vegan(グルテンフリー プラス ビーガン)」と白の手書きの文字で書かれたプレートが置かれている。

テロップ: フリーフロム

ナレーション: 欧米では、健康志向から、肉やグルテンなど特定の成分が含まれていない「フリーフロム」や、

映像説明: 木目調の机の上。左上に「RXBAR(アールエックスバー)」と商品名が書かれた3種類のパッケージが並べられている。左には、青いパッケージに水色の文字で「Blueberry」、中央には黄色いパッケージに茶色い文字で「Banana Chocolate Walnut」、右には赤いパッケージに黄色い文字で「Peanut Butter & Berries」と味が書かれ、パッケージ中央にそれぞれ原材料が英語で表記されている。

テロップ: クリーンラベル

ナレーション: 明確な表記ができるシンプルな原材料で作られた「クリーンラベル」食品の人気が高まっている。

映像説明: 調理場。マスクをつけた大山社長が調理台に立ち、ステンレス製の容器の中に入れられた、代替え肉の材料を手で混ぜている。 代替え肉を手で丸く整えて作ったパティをフライパンに並べ、焼いていく。

ナレーション: 大山社長はそうしたニーズを捉え、こんにゃくだけを原料とした代替肉を開発し、市場に挑もうとしている。課題は、肉ならではの食感をどのように生み出すかだ。

映像説明: オレンジに白抜きの文字で「MEAT‐FREE BUTCHERS(ミート フリー ブッチャーズ)」と書かれた看板がある店の外観。ショーウィンドウの上にはオレンジと白のストライプのシェードが取り付けられ、店の前の歩道には緑色(みどりいろ)の立て看板が置いてある。10人程の人々が列を作っている。行列の先にある入口の上部には、オレンジの文字で「Sainsbury’s(セインズベリーズ)」と書かれている。 ショーウィンドウの中。芝生の上に、茶色のパティやプチトマトのような食材が載ったホーローのトレーが置かれている。

ナレーション: 代替肉は、グルテンや大豆など、たんぱく質を原料とする物が一般的だが、

映像説明: 木目調の机の上。白い皿にこんにゃくが置かれている。

ナレーション: こんにゃくは、たんぱく質をほとんど含まない食品だ。

映像説明: レンガ色(いろ)のタイル貼りの建物の前。黒いダウンジャケットを着た大山社長がインタビューに答える。 工場の中。麺のように細くなったこんにゃくが、ベルトコンベヤーで運ばれてくる。 麺のように細くなったこんにゃくが流水にさらされ、奥から手前へと流れてくる。 レンガ色(いろ)の建物の前。大山社長が話を続ける。

大山社長: こんにゃく自体は歯ざわりとか、食べた感じが加工方法とかやり方によっては、非常にお肉に近いテイストが出せるっていうのを、 いろいろやっていく中で気づきまして、それで今、取り組んでます。

映像説明: 7階ほどの建物の外観。手前には、「南九州学園 東門」と書かれた銘板が設置されている。画面左下の四角い枠に九州地方の地図。宮崎県は、九州の東南端に位置している。宮崎市は県の南東、海沿いに位置し、赤い星印で示されている。

テロップ: 宮崎市

映像説明: 建物の中。左脇に書類を抱えた大山社長がゆっくりと歩いている。

ナレーション: 大山社長が、この日、訪れたのは地元の大学。

映像説明: 白い壁の室内。大山社長を含めた男女5人が透明のパーテーションが設置された木目調の机で椅子に座り、うなずきながら話をしている。全員マスクを着けている。

テロップ: 食感(しょっかん)や味を数値化 肉などと比較・検討する研究

映像説明: 白い壁の室内。マスクをつけ、眼鏡をかけて、白衣を着た男性が話を続ける。

テロップ: 南九州大学 健康栄養学部 竹之山 愼一 教授

ナレーション: 製品化に向けて、食感(しょっかん)や味を数値化し、肉などと比較・検討する研究を大学や食肉加工会社の協力のもと行う予定だ。

映像説明: 白い壁の室内。竹之山教授が大山社長のほうを見ながら話をしている。 大山社長がうなずきながら話を聞いている。2人ともマスクをつけている。

竹之山教授: イメージは、やっぱり食感(しょっかん)は、肉に近い方に持っていかなければいけない。 そこにやはり粗さですよね。塊状(かたまりじょう)の部分と、柔らかい部分とがあったりというのを イメージしなければいけないのかなということ。

映像説明: 白い壁の室内。大山社長や竹之山教授を含めた男女5人が、透明のパーテーションが設置された木目調の机を囲んで椅子に座り、話をしている。

ナレーション: 初めて3者で集まり、加工方法についても話し合われた。

映像説明: 大山社長が話をし、竹之山教授たちがうなずきながら聞いている。 大山社長が話を続ける。

大山社長: まあ、これがほんとできて日本発(にほんはつ)のそういうパテができて、ハンバーガーチェーンさんに採用されるぐらいのところまでの完成度の物ができるといい。 アメリカの状況とかみても、もう急がんといかんなというかですね。 ちょうどいいタイミングだなというのがありまして。

映像説明: 調理場。調理台には、銀色のトレーが置かれ、豆腐やこんにゃくなどの食材がそれぞれ容器に盛られている。 大山社長が、銀色のトレーの前に置いたステンレス製の容器に、食材を1つずつ移していく。

ナレーション: 海外のハンバーガーチェーンだけでなく、ゆずこしょうソースのアメリカでの販路を生かし、業務用と小売り向け商品の提案も考えている。

映像説明: 屋外に並べられたかめの前。マスクをつけた大山社長がひしゃくを手に持ち、透明のカップに酢を注いでいる。酢が注がれた透明のカップを見つめる。 白い壁の室内。透明のパーテーションが設置された机で大山社長が椅子に座り、正面に座っている竹之山教授と話をしている。 調理場。大山社長が調理台に立ち、フライパンに代替肉のパティを並べ、焼いている。 見本市の会場の中。「大山食品(株)」のブースの前で大山社長がタブレットを持ち、画面に映し出されたカンボジアのバイヤーと話をしている。

テロップ: 大山食品 大山 憲一郎 社長

大山社長: 日本(にほん)の発酵食品、伝統食品をいろいろ加工したり組み合わせたりして、 より食べやすい時代にこうマッチした商品に変えることで、世界中(せかいじゅう)の人に健康と幸せをですね、届けられるような方向で行きたいと思います。

映像説明: スタジオ。画面左側には江連(えづれ)キャスター、右側にはモニターが設置されている。モニターには、調理場で大山社長が調理する姿や、フライパンで焼かれた代替肉のパティを木べらで返す様子、ピンク色の桜の花の形をしたパスタが使われた料理などが映し出されている。江連(えづれ)キャスターが話をする。

江連(えづれ)キャスター: こんにゃくのような、伝統的な食材でも、ニーズに合った商品開発を行えば、海外でも高いポテンシャルがあると感じました。日本の食文化をうまく商品に生かすことや、発想を転換することが、市場をつかむポイントになりそうですね。

映像説明: 薄い黄緑色(きみどりいろ)を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。緑を基調とした、中が空洞になった地球儀が回転している。

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3月21日(予定)
テーマ:モンゴルで深刻な大気汚染 救世主は帰国留学生!?

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