不確実性増す世界経済とデジタル化の行方 ‐世界貿易投資報告2020年版より‐

2020年09月10日

2019年の世界貿易は、世界金融危機下の2009年以来、10年ぶりに金額・量ともに前年から減少に転じた。その背景には、米中貿易摩擦、世界経済の成長鈍化、原油など燃料価格の下落がある。新型コロナの影響を受けた2020年第1四半期の世界貿易額は、前年同期比5.8%減となった。ジェトロの調べによると、海外進出日系企業の約8割が2020年の売上高の前年比減少を見込んでいる。新型コロナは、世界中の人々の生活基盤や企業活動を急速にデジタル化させる契機にもなった。不確実性が増す世界経済とデジタル化の行方を解説する。

(12分19秒)

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テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 世界地図の上で回転する、中が空洞になった地球儀から、もうひとつ地球儀が飛び出す。 拡大表示された地球儀の横にタイトルが現れる。 「世界は今 ジェトログローバルアイ」

映像説明: スタジオ。世界地図をバックに女性キャスターが円形のデスクに座っている。 グレーのブラウスに白いジャケットを着ている。

テロップ: 八木 ひとみ(やぎ ひとみ)

八木(やぎ)キャスター: 世界は今、ジェトログローバルアイ。新型コロナウイルスの影響で、日本をはじめ、世界経済は混とんとしています。今回はジェトロが毎年発行している調査報告書、世界貿易投資報告を基に、世界の動きについてご紹介します。

テロップ: 不確実性増す世界経済とデジタル化の行方 ‐世界貿易投資報告2020年版より‐

映像説明: 八木(やぎ)キャスターの隣にグレーのスーツを着た男性が座っている。

八木(やぎ)キャスター: スタジオには、ジェトロ国際経済課の米山さんに来ていただきました。よろしくお願いします。

スタジオ: 世界地図をバックに座るグレーのスーツを着た男性がおじぎをしながら挨拶をする。

テロップ: ジェトロ 国際経済課 課長 米山 洋(よねやま ひろし)

米山(ジェトロ 国際経済課 課長): よろしくお願いします。

スタジオ: 八木(やぎ)キャスターと米山が話をする。

八木(やぎ)キャスター: 今年の報告のテーマは「不確実性増す世界経済とデジタル化の行方」ということですね。

米山: はい。あの、ジェトロでは毎年、世界貿易投資報告で、世界と日本(にほん)の貿易、投資や通商ルールを分析していますが、今年のメイントピックは「新型コロナウイルス感染拡大の影響」です。

映像説明: 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 中が空洞になった地球儀が回転している。

テロップ: 2019年の世界貿易

映像説明: スタジオ。八木(やぎ)キャスターとグレーのスーツを着た米山が話を続ける。

八木(やぎ)キャスター: まず、新型コロナ感染拡大以前の2019年の世界貿易の状況について教えてください。

映像説明: 「世界貿易額の推移(輸出ベース)」と題された棒グラフと折れ線グラフが表示される。縦軸の目盛りには0円から25兆円までの金額が5兆円刻みで記されており、横軸には2005年から2019年までの年数が記されている。2005年から2019年までの輸出額が棒グラフで、前年比の伸び率が折れ線グラフで示されている。輸出額は、おおむね年々上がり、2005年は約10兆ドル、2019年は18.5兆ドルとなっている。前年比の伸び率は変動しながら2005年は約15%、2019年はマイナス2.9%となっている。(出所:ジェトロ推計値(すいけいち)およびWTOデータを基に作成)

米山: はい、ジェトロの推計によりますと2019年の世界貿易は前年比2.9%減の18.5兆ドルということになりました。米中貿易摩擦、それから世界経済の成長の鈍化に加えまして、原油など燃料価格の下落が続いたと、こういったことが背景にあります。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターと米山が話を続ける。

テロップ: 世界貿易 金額・量ともにマイナスは10年ぶり

米山: 貿易の量も前年比0.1%減少ということになりまして、世界貿易は金額、量ともに前年から減少に転じたということです。この金額、量、双方の伸びがマイナスになったのは世界金融危機下の2009年以来10年ぶりということです。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターと米山が話を続ける。 赤と白のカラーの煙突の先端から炎が上がっている。 煙突から離れた草地にグレーの円筒形(えんとうけい)の建物が4棟建っている。 工場の中。青いロボットアームが火花を散らしながら溶接をしている。 工場の一角。部品が並べられたエリアに設置されたロボットアームが向きを変えている。(資料映像) 米山が話を続ける。

テロップ: 資源関連商品・一般機械・化学品・輸送機器などの減少 → 世界貿易の押し下げ要因

米山: 2019年にはヨーロッパや東アジアを中心に、多くの、その、国、地域で輸出額が前年から減少に転じています。それから商品別で見ましても、多くの品目がマイナスの伸びということになりまして、特に燃料といった資源関連商品、あるいは一般機械、化学品、輸送機器、こういったものの減少がですね、世界貿易の押し下げ要因ということになりました。このように、世界貿易は新型コロナ以前から、すでに減少に転じていたということになります。

映像説明: 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 中が空洞になった地球儀が回転している。

テロップ: 2020年 第1四半期の世界貿易

映像説明: 八木(やぎ)キャスターと米山が話を続ける。

八木(やぎ)キャスター: 新型コロナの影響で、今年の世界貿易はどうなっているんでしょうか。

映像説明: 「世界の輸出伸び率」と題された棒グラフが表示される。世界全体とEU(イーユー)、中国の2018年から2020年までの前年同期比の輸出伸び率が示されている。縦軸にマイナス5%から15%までの前年同期比のパーセンテージが5%刻みで記されており、横軸には2018年の第1四半期から第4四半期、2019年の第1四半期から第4四半期、2020年の第1四半期が記されている。2018年の第1四半期と2020年の第1四半期を比べると、世界全体で15%弱からマイナス5.8%へと下がっている。特にEU(イーユー)と中国の落ち込みが大きく、今年の第1四半期の中国の輸出はマイナス13.4%に激減している。(※世界輸出は210ヵ国・地域をカバー)(出所:「DOTS(2020年6月版)」(IMF)を基に作成)

米山: はい、新型コロナの影響を受けた2020年第1四半期は前年同期比で5.8%減少ということになりました。国、地域別では世界の輸出の減少に対するEU(イーユー)、中国の貢献が大きくなっています。特に中国の輸出は第1四半期に13.4%減と大幅に減少いたしました。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターと米山が話を続ける。 2車線の道路。両側に建設機械が何台も止められた道をピックアップトラックが走っている。(資料映像)

テロップ: 輸送機器(自動車など) 一般機械(コンピューター・周辺機器など) → 減少

米山: それから輸出を商品別に見てみますと、自動車などの輸送機械、あるいはコンピューター、周辺機器などの一般機械、これらが大きく減少をしています。

映像説明: 研究室のような室内。白衣(はくい)を着た男性が小さな円筒形(えんとうけい)の容器を箱形の装置にセットしている。 アームに取り付けられたスポイトが円筒形(えんとうけい)の容器から抜かれ、隣の装置に移動する。 室内。円盤のような形をした大きなライトが天井から伸びている。ライトの下には黒い手術台がずらりと並ぶ。(資料映像)

テロップ: 医薬品および医療用品 → 増加

米山: 一方で医薬品ですとか医療用品の輸出についてはプラスの伸びを維持しています。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターと米山が話を続ける。

八木(やぎ)キャスター: 世界の貿易が減少する中で、新型コロナの感染拡大防止や、また治療に必要な商品は例外的に増えたということなんでしょうか。

映像説明: 米山が話をする。画面左中央に白い防護服を着て青いゴム手袋をした人物の写真が表示される。

テロップ: 新型コロナ対応関連商品の世界貿易(2020年第1四半期) 検査キット・防護用品・消毒剤 → 輸出増加

米山: そうなんです。新型コロナ対応関連商品の世界貿易を見てみますと、今年第1四半期には検査キット、あるいは防護用品、消毒剤、こういった輸出の増加が顕著になっています。

映像説明: 街なか。マスクを着けた大勢の人が横断歩道を渡っている。(資料映像)

テロップ: マスクの輸出伸び率 前年同期比 56.8% ↑

米山: 防護用品の中で、特にマスクの輸出の伸び率が前年同期比で56.8%増と、かなり高くなっています。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターと米山が話を続ける。 鏡面ガラスが張られたビルの外観。たくさんの人がデッキを歩いたり、立ち止まったりしている。(資料映像)

米山: 日本(にほん)においては、新型コロナを受けまして、マスクや防護服の需要が高まって、その結果、主要な供給国である中国の生産が再開すると、特にマスクの輸入急増が4月以降、見られたということです。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターと米山が話を続ける。

八木(やぎ)キャスター: 新型コロナの世界的な感染拡大で、海外では、マスクの輸出を制限するといった動きも見られましたよね。

米山: はい。あの、新型コロナに対応して世界中で貿易制限的な措置が数多く導入されました。特に3月以降、マスク、それから手袋、消毒液、こういった衛生用品の輸出制限の動きが広まっています。

映像説明: 白い工場の外観。手前にはコンテナが無数に積み重ねられ、大きな門のような形のトランスファークレーンが何基も設置されている。 港。貨物船が5隻ほど海に浮かんでいる。奥の埠頭には煙突のある建物が何棟も建っている。 埠頭の一角。巨大なクレーンの周りにコンテナがいくつも積み上げられている。(資料映像)

テロップ: 貿易制限措置の導入 → 1月末にアジアより始まった

ナレーション: 新型コロナウイルスの貿易制限措置の導入は1月末、アジアより始まった。感染拡大する欧米も輸出制限に踏み出した。

映像説明: 「新型コロナ対策として導入された世界の貿易関連措置」と題された折れ線グラフが表示される。縦軸の目盛りには0から100までの件数が20件刻みで記されており、横軸には1月から5月までの月が記されている。1月から5月にかけて、貿易制限措置は数件から82件へと増えている。これに対し、貿易緩和措置は、より数が多く、数件から97件へと増加している。(出所:WTO WCO およびジェトロ「ビジネス短信」を基に作成)

ナレーション: 一方で、医療物資の輸入拡大を目的とした関税撤廃や、輸入手続きの簡素化などといった緩和措置も数多く導入された。ジェトロの集計によると、緩和措置は5月末時点で97件と、制限措置の82件を上回っている。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターと米山が話をする。

八木(やぎ)キャスター: 世界貿易は、今後どのようになっていくんでしょうか。

テロップ: 2020年の世界貿易量 「楽観シナリオ」 → 前年比 △(マイナス)12.9% 「悲観シナリオ」 → 前年比 △(マイナス)31.9%

米山: はい、世界貿易機関WTO(ダブルティーオー)では2020年の世界の貿易量を、年(ねん)の後半から貿易が回復する楽観シナリオの場合には前年比で12.9%の減少、年(ねん)の後半以降も継続して回復が遅れる悲観シナリオの場合には最大で31.9%減というふうに予測をしています。

テロップ: 2020年 第2四半期(4‐6月(しがつからろくがつ))に底打ちしたあと 「楽観シナリオ」の可能性が高い

米山: 現状では、この世界貿易は、今年の第2四半期に底打ちをしたあと、回復に向かうという楽観シナリオの可能性が高いというふうにされているところです。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターと米山が話を続ける。 病院の通路。壁際に並べられた椅子にたくさんの人が座っている。 白衣(はくい)を着た男性とエメラルドグリーンの看護師制服を着た女性が椅子のそばに立って話をしている。 茶色いビルの外観。大勢の人がデッキを歩いている。 横断歩道。行き来するたくさんの人の足元の様子。(資料映像) 米山が話を続ける。

米山: ただ、この今後のですね、新型コロナの感染の拡大の状況ですとか、あるいは各国の拡大防止策、それから景気対策、こういった政策によるところが大きいということで、はっきりした結論はまだ出ていないということになります。これら、感染ですとか、あるいは政策の動きというのを、引き続き見ていく必要があるというふうに見ています。

映像説明: 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 中が空洞になった地球儀が回転している。

テロップ: 新たなビジネス様式を 模索する日本企業(にほんきぎょう)

映像説明: 八木(やぎ)キャスターと米山が話を続ける。

八木(やぎ)キャスター: 新型コロナが日本企業(にほんきぎょう)に及ぼす影響についても教えてください。

テロップ: 進出日系企業の約8割 → 2020年売上高 前年比減少の見込み

米山: はい、新型コロナの感染拡大を受けてジェトロが世界各地の日本商工会(にほんしょうこうかい)などと連携をして実施した海外進出日系企業へのアンケートの調査結果によりますと、進出日系企業の8割程度が2020年の売上高の前年比減少を見込んでいます。

映像説明: 「日系企業の稼働率低下の要因」と題された表が表示される。要因の1位から5位は、中国の華東地域(かとうちいき)の要因は、国内の需要減、国外の需要減、政府の操業規制、国外のサプライチェーンの分断、国内のサプライチェーンの分断の順となっている。同様にインドネシアの要因は、国内の需要減、国外の需要減、国外のサプライチェーンの分断、人員不足(じんいんぶそく)、国内のサプライチェーンの分断の順となっている。インドの製造業の要因は、政府の操業規制、国内の需要減、国内のサプライチェーンの分断、人員不足(じんいんぶそく)、物流の制約とコスト高の順となっている。米国の製造業の要因は、国内の需要減、人員不足(じんいんぶそく)、国外のサプライチェーンの分断、政府の操業規制、国外のサプライチェーンの分断の順となっている。(※複数回答)(出所:各地日本商工会(かくちにほんしょうこうかい)やジェトロ海外事務所のアンケート調査を基に作成)

米山: それから、新型コロナによるビジネスの稼働率低下の要因を尋ねたところ、最大の要因は需要の減少ということになっていまして、次いでサプライチェーンの分断ですとか、政府の操業規制、こういった回答率が高いという結果になりました。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターと米山が話を続ける。

米山: 過去に起きた危機を振り返ってみますと、東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)ですとか、タイの大洪水は供給ショック。それから、アジア通貨危機、世界金融危機は需要ショックをそれぞれ引き起こしたというふうにされていますけれども、新型コロナについては、需要ショックのインパクトがより大きかったというふうに見られます。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターと米山が話を続ける。

八木(やぎ)キャスター: 販売面への影響というのが特に大きいようですが、この事態に日本企業(にほんきぎょう)は、どのように対処しようとしているんでしょうか。

映像説明: 「新型コロナを受けた日系企業(にほんきぎょう)の事業見直し内容」と題された棒グラフが表示される。縦軸の目盛りには0%から100%のパーセンテージが50%ごとに記されており、横軸には調達先、生産地、販売戦略、雇用・雇用条件、人材の現地化(駐在員削減)、財務・ファイナンスの項目が記されている。6つの項目について、中国の華南地域とシンガポール、インドネシア、メキシコの企業からの回答がそれぞれ示されている。調達先については、約20%から40%、生産地については約5%から25%が見直されている。販売戦略については約80%から95%、雇用や雇用条件については、0%から約60%見直しが行われている。人材の現地化や駐在員の削減については、0%から約30%、財務やファイナンスについては、0%から約50%が見直されている。(※複数回答)(出所:各地日本商工会(かくちにほんしょうこうかい)やジェトロ海外事務所のアンケート調査を基に作成)

米山: はい、世界各地でのアンケートの結果によりますと、新型コロナを受けて事業戦略、あるいはビジネスモデルを見直すという日系企業は6割程度ということになっています。その内容としては調達先、あるいは生産地の見直しというのが、それぞれ2割、1割程度というふうになったほか、販売戦略の変更を回答した企業が約7割に上っています。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターと米山が話を続ける。 教室。青いセーターを着て席に着いた4人ほどの子供たちが前方に設置された大きなモニターを見ている。 英単語が書かれたカードが何枚も貼られた壁の前で、茶色い布で頭を覆った女性が身ぶりを交えて話をしている。(資料映像)

米山: それから新型コロナは、世界中の人々の生活基盤ですとか企業活動を急速にデジタル化させる契機になったということがあります。世界的に見ますと、例えば、その、オンライン診療などの医療をはじめ、教育、飲食サービス、こういった分野で新たなデジタル関連ビジネスの進展というものが見られるように思います。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターと米山が話を続ける。 室内。白いゴム手袋をした人物が弁当の容器に詰められたサラダの上にベーコンを載せている。 ウェブサイトが表示されたスマートフォンの画面。円い容器に詰められた弁当の写真の下に「栄養たっぷりランチBOX」、「TABETEに出品した理由」、「お会計してレスキューに向かう」などと書かれたページがスクロールされる。(資料映像) 米山が話を続ける。

米山: 日本(にほん)でも授業のオンラインサービスですとか、あるいは、その、飲食店の営業自粛で生じる食品ロスを減らすというシステム開発ですとか、こういった、さまざまな取り組みが始まっているわけです。

映像説明: 白い壁の廊下。グレーのTシャツを着た男性が室内の奥のほうへ歩いていく。

テロップ: 東京都 中央区

映像説明: 突き当たりの木目調の壁。2つの円を組み合わせたマークに「Linkers」と書かれた立体ロゴが掲げられている。 オフィス。パーティションで仕切られたデスクで4人の女性がパソコンに向かっている。

テロップ: リンカーズ

ナレーション: こちらはオンラインを駆使し、企業間の最適なマッチングサービスを行っているリンカーズ。「ものづくりの復興支援」を掲げて、2012年、宮城県仙台市からスタートした。

映像説明: すりガラスの壁の前。グレーのTシャツを着た男性がデスクでインタビューに答える。

テロップ: リンカーズ 前田 佳宏 社長

前田社長: われわれはですね、マッチングで世界を変えるというミッションの基に、 主にB to Bのですね、工業系の領域のビジネスマッチングをやっております。

映像説明: オフィスの一角。グレーのTシャツを着た前田社長がデスクでノートパソコンに向かっている。

ナレーション: 新型コロナウイルスによって、今までにないマッチングがあったと前田社長はいう。

映像説明: すりガラスの壁の前。前田社長がデスクでインタビューに答える。

テロップ: リンカーズ 前田 佳宏 社長

前田社長: 病院のガウンが、すごく不足した状態が続いたんですね。 ただ、やっぱりそういう時期もあって、世界的なパンデミックなんで、なかなか輸入品が入らないと。 もう、いろいろガウンをですね、サプライチェーンを作り上げて、政府から各主要なですね、病院にどんどん送り届けるということをやってかないと、 もう、ほんとに医療が崩壊してしまうと…。

映像説明: オフィス。マスクを着けた前田社長がオフィスで話をしている。

ナレーション: そして、新たな生産体制が生まれた。

映像説明: すりガラスの壁の前。前田社長がデスクでインタビューに答える。

前田社長: 今回、縫製メーカーを探したんですが、 アパレル向けの縫製やってたりとか、あるいは 自動車のエアバッグ向けの縫製やってたメーカーが多いんですよ。 約、もう、1週間で、200社の縫製メーカーが日本(にほん)から集まってきて、 最終的には30社ぐらい選ばれて。で、30社を軸に、そこから2次発注、3次発注は進んでですね…。

映像説明: オフィス。前田社長と緑の上着を着た男性がデスクのそばで立ち話をしている。2人ともにマスクを着けている。

ナレーション: 新型コロナウイルスの影響により、マッチングサービスにも変化があったという。

映像絵説明: すりガラスの壁の前。前田社長がデスクでインタビューに答える。 「TechMesse」と書かれたオレンジのロゴが描かれた画像が表示される。ロゴの周りに人のイラストが7つ描かれている。それぞれのイラストには光る電球が描かれた吹き出しがそれぞれ付けられている。 別の画像。テックメッセのロゴの下に描かれた、だ円の中に「課題軸での技術検索で異業種企業との出会いをサポート」と書かれている。 「これまでのWeb展示会」と題されたイラスト。「【課題】 丸い筐体(きょうたい)を作りたい」と書かれた吹き出しが付けられた人のイラストが描かれている。吹き出しの下の枠に「【技術、製品名で検索】 板金加工」と書かれている。枠から伸びた矢印の先に「板金加工」と書かれた人のイラストが描かれている。枝分かれした矢印の先には「3D(スリーディー)プリンター」と書かれた人のイラストが描かれている。(画像提供 リンカーズ) すりガラスの壁の前で前田社長が話を続ける。

前田社長: 大手企業である発注者さんからの発注がすごく、今、減ってるんですよね。 多いとこだと、もう、ほんと半減ぐらいしてると。 そこで、われわれ、テックメッセっていうウェブ展示会場を新たに開発して、 それを6月にリリースしたりとかもしてますし、いかにオンラインでですね、つなげていくかと。 リアルな営業って難しいんで、 いかにオンラインでですね、そういったリーチできるかっていうところを考えて、そういったものを開発して、リリースしましたね。

映像説明: 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 中が空洞になった地球儀が回転している。

テロップ: デジタル化の行方

映像説明: 八木(やぎ)キャスターと米山が話を続ける。

八木(やぎ)キャスター: 今年の世界貿易投資報告では、メイントピックの新型コロナの影響のほか、デジタル貿易に関する章を、新たに設けたようですね。

テロップ: 「デジタル貿易章(ぼうえきしょう)」を新設

米山: はい。あの、デジタル貿易章を新設しまして、世界のその、デジタル関連ビジネスですとか、ルール形成の動向について、地域横断的な分析というものを行いました。

映像説明: 「オンラインプラットフォーマーの「リアル」ビジネス」と題された表が表示される。アルファベット(グーグル)は「健康管理アプリの開発」、「ウェイモと共同で自動運転タクシーサービスを開始」と書かれている。アマゾンは「リアル店舗「アマゾン・ゴー」展開」、「自動運転の開発支援サービスの提供など」と書かれている。アリババは「生鮮スーパー「盒馬鮮生(フーマーフレッシュ)」によるネットとリアルの融合」、「「ファッションAI(エーアイ)コンセプトストア」での最適なコーディネート提案」と書かれている。(出所:各社ウェブサイトを基に作成)

ナレーション: デジタルビジネスにおいては、グーグルは、健康アプリ開発、アマゾンはリアル店舗、アマゾン・ゴーなど、リアルな空間への進出がトレンドとなっている。さらに、IT(アイティー)以外の企業も、デジタル技術を活用し、データ化やネットワーク化によって事業を拡大させている。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターと米山が話をする。

テロップ: 世界共通ルールづくりの例 WTO:電子商取引の分野 G20(ジートゥエンティー):自由なデータ流通

米山: それからルールの分野においては、新型コロナで、経済、社会が急速なデジタル化を迫られるという中で、サイバーセキュリティーですとか、国を越えたデータの移動、こういったものに関する国際ルールが存在していないということへの懸念が強まっています。このため、電子商取引ですとか自由なデータ流通といった世界共通のルールづくりの検討が各国際機関、あるいは、各国際フォーラムといったところで進められています。

映像説明: 画面左に「2020年版 ジェトロ世界貿易投資報告」の表紙が表示される。画面右上の枠に話を続ける米山が映っている。画面右下の検索ボックスに「世界貿易投資報告」と表示される。

米山: 詳細につきましては、世界貿易投資報告のデジタル貿易章で分析していますので、ぜひご覧いただければと思います。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターと米山がおじぎをしながら挨拶をする。

八木(やぎ)キャスター: 米山さん、今日はありがとうございました。

米山: ありがとうございました。

番組で紹介している内容の詳細は、「ジェトロ世界貿易投資報告 2020年版」でご覧いただけます。

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