起業家たちが切り開く新たなチュニジア

2020年04月09日

地中海に面した北アフリカの国、チュニジアは、その立地から歴史的に欧州との結びつきが強く、製造業のほか農業や観光が主な産業だ。かつて、民主化運動「アラブの春」は、同国での動きが発端となってこの地域に広がったが、そのチュニジアでは革命後も特に若年層の高い失業率が課題となっていた。そうしたなか、政府はスタートアップの振興策を打ち出し、近年、さまざまな分野で起業家たちが誕生、また、同国の技術系の人材を評価する外国企業の進出も進みつつある。日本企業にとって、どのような可能性があるのか、現地を取材した。

(11分03秒)

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映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 世界地図の上で回転する、中が空洞になった地球儀から、もうひとつ地球儀が飛び出す。 拡大表示された地球儀の横にタイトルが現れる。 「世界は今 ジェトログローバルアイ」

映像説明: スタジオ。地球儀と世界地図の画像をバックに、女性キャスターが入ってくる。 胸元にショートタイが付いた枯草色(かれくさいろ)のワンピースを着ている。

テロップ: 八木 ひとみ(やぎ ひとみ)

八木(やぎ)キャスター: 世界は今、ジェトログローバルアイ。 北アフリカのほぼ中央にあるチュニジア。地中海に面したその立地から、ヨーロッパとの経済的な結び付きが強い国です。これまで製造業のほか、農業や観光が主な産業だったチュニジアですが、近年、さまざまな分野で多くの若い起業家たちが生まれ、産業の多角化が進んでいます。日本企業(にほんきぎょう)にとって、どんな可能性があるのか。現地を取材しました。

テロップ: 起業家たちが切り開く新たなチュニジア

映像説明: 低層の白壁の建物が遠くまで広がる町並み。ところどころに街路樹が植えられている。画面左下の四角い枠内に地中海周辺の地図。チュニジアは、西にアルジェリア、東にリビアと国境を接し、北と東は地中海に面している。首都のチュニスは、国の南岸に位置していて赤い丸印で示されている。地中海の北側には西から順に、スペイン、フランス、イタリアが位置している。

ナレーション: 北アフリカにある地中海に面した国、チュニジア。

映像説明: 緑に囲まれた白壁の建物。奥に海が広がり、遠くには山並みがかすんで見える。

テロップ: 人口 約1,170万 1人当たりGDP 3,290ドル(2019年) 出所:IMF

ナレーション: 日本の5分の2ほどの面積で、およそ1,200万人が暮らしている。

映像説明: 広大なオリーブ畑(ばたけ)。木々(きぎ)が間隔を空けて、何十本も植えられ、枝が風に揺れている。

ナレーション: 国土の6割が農地で、その3分の1が、オリーブ畑(ばたけ)という、世界有数のオリーブの産地でもある。

映像説明: 街中(まちなか)のドーム型の屋根のある塔や白壁の建物に囲まれた広場。中央の白いレンガ造りの植え込みにヤシの木が植えられ、そばに現地語で書かれた黄色い看板が置かれている。たくさんの人が道を歩いている。 街路樹のある歩道。街路樹に沿って、色とりどりのパラソルが何本も立てられている。茶色やオレンジのパラソルの下には椅子とテーブルが用意され、人々が座って話をしている。布で頭を覆い、伝統柄のワンピースを着た女性やスーツ姿の男性など、多くの人が行き交う。

ナレーション: 多様な人種や文化が入ってきた歴史から、アラビア語をはじめ、フランス語も広く使われており、アフリカとヨーロッパの文化、アラブ世界の雰囲気が混在し、さまざまな表情を持っているのが特徴だ。

映像説明: 馬に乗った勇ましい男性の像が、道沿いの大きな白い台座の上に建てられている。

ナレーション: そんなチュニジアで近年、新たなビジネスの波が起こっているという。

映像説明: シャンデリアがつり下げられたホール。前方の壁に「TUNISIAN‐JAPANESE SEMINAR(チュニジアン ジャパニーズ セミナー)」、「ON THE BUSINESS ENVIRONMENT IN TUNISIA」と書かれている。文字の下には、赤地の中央に、白い円に三日月と星を配置したチュニジアの国旗と、日本の国旗が描かれている。壁の前の壇上に2つの国旗が立つスタンドが置かれ、スーツ姿の男性4人がひじ掛け椅子に座っている。グレーのスーツを着た男性が演台(えんだい)に立ち、大勢の人の前で話をしている。 壇上に黒いスーツの男性と眼鏡を掛けた男性がにこやかに並んで立ち、2人で持ったオレンジ色(いろ)の化粧箱のフタを開けて会場のほうに向けて見せている。アーム付きのカメラを両手で持った男性が、その様子を撮影している。

テロップ: 2020年3月1~(ついたちから)4日 チュニジア・ビジネスミッション 主催:ジェトロ

映像説明: 立食パーティーの会場。スーツを着た大勢の人が、食事をしながら話をしている。 頭にスカーフをかぶった女性、赤いストライプのネクタイを締めたスーツ姿の男性、ベージュのブラウスを着た女性が話をしている。

ナレーション: 首都、チュニスで始まったビジネスミッション。政府機関や外資系企業によるセミナー、視察や交流会などを通じて、チュニジアの今を知ろうと多くの日本企業(にほんきぎょう)が参加した。

映像説明: 天井からシャンデリアがつり下げられたホール。大勢の人が椅子に座り、話を聞いている。 水色のネクタイを締めた男性が、演台(えんだい)に立ち、で話をしている。

テロップ: チュニジア外国投資促進庁 アブデルバセット・ガンミ 長官

ナレーション: 外国投資促進庁長官は、チュニジアビジネスの強みについてこう話す。

映像説明: チュニジアの国旗が描かれた壁の前で、水色のネクタイを締めたアブデルバセット・ガンミ長官がインタビューに答える。 地中海周辺の地図。チュニジアは、北と東が海に面している。首都のチュニスは、国の南岸に位置していて、赤い丸印で示されている。地中海は西の海峡で大西洋と接している。地中海の北側には西から順に、スペイン、フランス、イタリア、トルコがあり、南にエジプトが位置している。

アブデルバセット・ガンミ長官・英語: チュニジアの強みの一つは地理的な位置。アフリカ、欧州、中東のあいだにある。 チュニジアは、南と北の大きな市場へのゲートウェイと考えることができる。

映像説明: 水色のボタンダウンシャツに紺のスーツを着た男性が、うなずきながら話を聞いている。

テロップ: 日本トランスシティ 笠井 文夫 さん

映像説明: 天井の高い工場。オレンジの金属角材で造られた大きな機械が置かれている。水色のボタンダウンシャツを着た笠井さんが、大勢の人と一緒に話を聞いている。

ナレーション: 物流を扱う日本トランスシティの笠井さんは、今、製造業者のあいだで、北アフリカが再注目されているという。

映像説明: 屋外。白いシャッターの前で、水色のボタンダウンシャツを着た笠井さんがインタビューに答える。 港沿いの道路。ヤシの木が等間隔に植えられた分離帯がある道をバイクに乗った男性が走り抜けていく。 赤と黒で塗り分けられた船が、岸につなぎ止められている。奥の埠頭には、いくつもの青や茶色のコンテナが積み重ねられている。 白いシャッターの前で、水色のボタンダウンシャツを着た笠井さんが話を続ける。

笠井さん: 東欧地区のほうにですね、あの、製造業さん、こう、生産の拠点をシフトされたりとか、えー、考えられてきたとは思うんですけれども、 実際、えー、チュニジアの港が発展すればですね、捉え方によっては、いろんな部分の分岐、ハブになりえる立地があろうかと思います。

映像説明: 上層部に斜め格子の装飾が施された白い建物。屋上に、「BOUJAAFAR(ボウジョワール)」と書かれた立体看板が掲げられている。建物の目の前には白い砂浜と穏やかなエメラルドの海が広がっている。画面左下の四角い枠内にチュニジアの地図。スースの街は、チュニスの南の海沿いに位置していて赤い星印で示されている。 白壁のビルの外観。外壁に「SOULA SHOPPING CENTER(スーラ ショッピング センター)」などと書かれた立体看板が掲げられている。入り口の脇には、ピンクと白のらくだのオブジェが置かれている。建物の前の道を青や白の布で頭を覆った女性や、ジーンズをはいた女性が子どもを連れて歩いている。

ナレーション: チュニスから150キロほど南に位置する港町(みなとまち)スースでは、今、大きなプロジェクトが進行している。

映像説明: 港湾。クレーンを載せた船などが停泊している。

テロップ: 大型深海港(おおがたしんかいこう)の建設

ナレーション: 大型の深海港(しんかいこう)の建設準備と並行して、工業団地を整備し、

映像説明: 白い壁の工場の中。赤いローラーが取り付けられた大型の機械が置かれている。機械のそばで、長袖シャツを着た男性と、グレーの作業着を着てマスクを付けた2人の女性が話をしながら作業をしている。 銀色の円盤が取り付けられた機械が置かれた一角で男性が作業をしている。

テロップ: 外国企業の誘致

ナレーション: 外国の製造業を積極的に誘致。

映像説明: 港湾。積み重ねられた数十台のコンテナのそばに、クレーンを載せた船が泊まっている。

ナレーション: 製造と物流の拠点として、発展させていく計画だ。

映像説明: アフリカ大陸とユーラシア大陸西部の地図を背景に、「周辺国との賃金(年額)比較」と題された表が映し出される。モロッコでは、シニアエンジニアの賃金は34,830ユーロ、熟練労働者の賃金は9,350ユーロ。ルーマニアでは、シニアエンジニアは21,800ユーロ、熟練労働者は8,000ユーロとなっている。これに対し、チュニジアでは、シニアエンジニアが15,900ユーロ、熟練労働者が4,600ユーロとなっている。(出所:チュニジア外国投資促進庁)

ナレーション: ヨーロッパとの貿易を見据えて、近隣国と比較しても、チュニジアの人件費は魅力的だ。

映像説明: オフィス。ラウンドデスクを組み合わせた席で、白い上着を着た3人の男性が流線型のデザインが施された椅子に座り、パソコンを操作している。 別の室内。ラウンドデスクを組み合わせた席で、5人の男女が各自のデスクでそれぞれ2台のモニターを見ながらパソコンを操作している。

ナレーション: それだけではない。チュニジアは、中東、アフリカ域内屈指の高い教育水準を誇っている。

映像説明: ラウンドデスクに座り、グレーのトレーナーを着た女性がモニターを見ながらマウスを操作している。 白い台の上に載せられたシルバーの箱型の機械が置かれた一角。機械の表面に、グレーと黒の四角い機器やスピーカーなどが取り付けられている。エンジの長袖シャツを着た男性が横に立ち、黒い機器を手に持ちながら身ぶりを交えて話をしている。白い台を挟んで立つ紺のスーツを着た男性が、園児の長袖シャツを着た男性のほうを見ながら話を聞いている。

テロップ: 高学歴の理系人材が豊富

ナレーション: 高学歴で、優秀な理系人材も豊富だ。

映像説明: 屋外。スーツ姿の男女数名が街路樹のある片道1車線の道路を歩いている。道路の両側には車が駐車されている。

ナレーション: こうした人材を活用しようと、外国企業の進出も増えている。

映像説明: 白い建物の出入り口。壁にいくつもの企業の看板が掲げられている。出入り口の上の中央に、「TSD」の下にアルファベットと現地の言葉で「Tunisian Software Development(チュニジアン ソフトウェア デベロップメント)」と書かれた看板が掲げられている。人々が建物の中へ入っていく。

テロップ: TSD

ナレーション: TSDは、イタリアのソフトウェア開発企業だ。

映像説明: 緑豊かな住宅街。青い車体のごみ収集車が走ってきて、ハザードランプを点滅させながらベージュのポリバケツが置かれた家の前で停車する。車体の左側にあるアームを伸ばしてベージュのバケツを持ち上げ、車体にある積み込み装置にごみを入れる。ごみ収集車の映像を背景に、画面左側に、水色の枠の中に白い文字での英語で説明が表示される。(映像提供 TSD) 背景が街の地図に変わる。オレンジの涙形を逆さまにしたようなマークが路上に現れ、道路に沿って水色のラインが伸びていく。ラインの先に、ピンクの涙形を逆さまにしたようなマークが表示される。(映像提供 TSD)

ナレーション: 開発しているのは、ごみ収集車がルート回収するのに、効率よく移動するためのソフト。すでにイタリアのローマ市内で使われているというが、なぜチュニジアを拠点に選んだのだろうか。

映像説明: 白い壁の室内。ドアのそばで白と黒の斜めストライプのネクタイを締めた男性が、身ぶりを交えてインタビューに答える。

テロップ: TSD ロッコ・カンパノッツィ CEO

ロッコ・カンパノッツィCEO・英語: ここでは、より低い予算で、レベルの高い起業をすることができる。 チュニジアのソフトウェアエンジニアはクオリティーが高く、欧州圏の中でも非常に高いレベルだと思う。

映像説明: 街路樹が植えられ、中ほどに等間隔で街灯がある幅の広い歩道を大勢の人が歩いている。

ナレーション: ビジネスの発展に力を入れるチュニジア。その背景には、この国が抱える課題がある。

映像説明: 街路樹が植えられ、車道寄りに等間隔に街灯が立つ幅の広い歩道を大勢の人が歩いている映像が一時停止状態になり、画面全体がセピア調になる。

テロップ: アラブの春 中東・北アフリカ地域の民主化運動

ナレーション: かつて、この地域で広がった「アラブの春」は、チュニジアの市民革命が発端となった。

映像説明: 建物のそばにパラソルが並ぶ歩道の映像を背景に、「高等教育卒の失業率」と題された折れ線グラフが表示される。縦軸の目盛りには0%から40%までの数字が10%刻みで記されており、横軸には2011年から2019年までの年数が記されている。2011年の失業率は33.4%となっていて、白抜きで「革命」と書かれた赤い長方形の吹き出しがついている。2012年以降も値は高いまま、ほぼ変わらず、2019年は28.2%となっている。(出所:チュニジア国立統計研究所)

ナレーション: その要因の一つが、若者の高い失業率。高等教育卒の失業率は、現在も30%前後で高止まり(たかどまり)している。

映像説明: 壁にスクリーンが設置された部屋。ウェーブヘアの女性が、赤い椅子に座る多くの人の前に立ち、身ぶりを交えて話をしている。 スクリーンに、5つの英語のクレジットとイラストが映し出されている。「LOGISTICS(ロジスティックス)」の文字とトラックのイラスト。「ENERGY」の文字と発電用の風車(ふうしゃ)のイラスト。「ELECTRONIC DESIGN(エレクトロニック デザイン)」の文字と回路基板のイラスト。「MOBILITY」の文字と車のイラスト。「MANUFACTURING」の文字と工場のイラスト。 スクリーンが設置された部屋。黒いループタイを締めた男性が、身ぶりを交えて話をしている。 スクリーンに青菜が植えられた畑が映し出される。畝の周りに赤い枠が表示され、青菜の周りには青いラインが縁取り(ふちどり)のように表示されている。 スクリーンの前で、紺のジャケットを着た男性がマイクを手に話をしている。

ナレーション: そうしたなか、起業家精神旺盛で高学歴なチュニジアの若者たちが、みずからの力で、みずからの能力を生かすために、さまざまな分野でビジネスを創出しようと奮起している。

映像説明: 上から下に向かって、白から黄緑のグラデーションになっている背景をバックに「スタートアップ法」と題されたコンピューターグラフィックスが表示される。「一定の条件を満たした企業」の文字の下に、「企業税免除」、「輸入許可手続き免除」、「利益の再投資 非課税」、「特別外貨口座取得」、「倒産時のための基金」の文字が次々に表示される。

ナレーション: 官民が一体となって2018年に作られたスタートアップ法では、設立年数や事業内容などの一定条件を満たした企業は、税制の優遇をはじめ、多くのサポートが受けられる。スタートアップを育てる、こうした環境は、アフリカ初の先駆的な取り組みとして注目されている。

映像説明: 白い壁の部屋。スクリーンにプロジェクターで3種類のロボットの写真と英語のクレジットが映しだされている。「Security」と書かれた、タイヤが付いた黒い箱型にカメラのようなものが付いたアームがあるロボット。「Education」と書かれた、タイヤが付いた丸みのある形の黒いロボット。「Industry 4.0」と書かれた、白い箱の上にモニターとシルバーの枠が取り付けられたロボット。

テロップ: エノバ・ロボティクス

ナレーション: 今、勢いのあるスタートアップ企業の中でも着実な成長を遂げているのが、エノバ・ロボティクスだ。

映像説明: スクリーンに映し出された映像のそばで、斜めストライプ柄のネクタイを締めた男性が右手にマイクを持って話をしている。 スクリーンに、道に置かれた三角コーンをよけながら進む黒い箱型のロボットが映し出される。男性たちが映像を見つめている。

ナレーション: 中東、アフリカ初の、AI(エーアイ)搭載ロボットを開発し、製造、販売している。

映像説明: 黒い箱型のロボットが乾いた地面の上を進む。ロボットは、白いカメラのような機器が先端に取り付けられたアームや黒いボックス型の装置、白いアンテナを備えている。センサーを周りに向けたロボットが進行方向を変える。 乾いた地面の上を進む黒い箱型のロボットの白いカメラのような機器部分のアップからズームアウトし、動くロボット全体が見える。

ナレーション: こちらは、工場などの屋内外の施設をパトロールするセキュリティー監視ロボット。自動で移動し、周囲の画像、音、温度などを測定。侵入者などの異常を通信で知らせる。

映像説明: 白い壁の部屋。画像が映し出されたスクリーンの横で、斜めストライプ柄のネクタイを締めた男性が身ぶりを交えて話をしている。スクリーンには、スーツ姿の人々が表彰盾のようなものを持って写っている写真やテーブルに並べられた賞状など、8枚の写真が映し出されている。

ナレーション: すでにフランス、パリにも拠点を構えており、今後は中東にも販路拡大を目指す。

映像説明: 屋外。乾いた土地に建てられた白い看板の前。緑の歯車のマークと「Enova ROBOTICS(エノバ ロボティクス)」と書かれたロゴが描かれている。斜めストライプ柄のネクタイをした男性がインタビューに答える。

テロップ: エノバ・ロボティクス ラドゥアン・べンファルハット 営業部長

ラドゥアン・ベンファルハット営業部長・フランス語: 政府の後押しやエコシステムの発展で、起業したいという若者が増えている。 実際、失業率が下がる兆しも出てきた。

映像説明: 広大なオリーブ畑(ばたけ)。木々(きぎ)が間隔を空けて数十本ほど植えられ、枝が風に揺れている。

ナレーション: 一方、チュニジアの伝統的な農業の分野でも、新たなビジネスで雇用の創出に挑む企業がある。

映像説明: 車道沿いに平屋の建物や低層のビル が何棟も建てられている。画面左下の四角い枠内にチュニジアの地図。首都チュニスの南西に位置しているシリアナの街は国の北部にあり、赤い星印で示されている。

ナレーション: チュニスから車で1時間半ほど内陸にあるシリアナ。

映像説明: 工場の中。階段状に設置されたコンベアや何本もの太いパイプがつなげられた巨大な青い機械が設置されている。箱型の取り出し口(とりだしぐち)の下に大きな白いコンテナが置かれている。

テロップ: ハービオテック・アロマ

映像説明: 緑の作業着を着て、クリーンネットキャップをかぶり、白いマスクを着けた3人の従業員が大きな白いコンテナの周りで作業をしている。一人が小さくカットされた葉を大きなコンテナからちりとりですくい上げ、もう一人が広げて持つ白い袋に入れる。 緑の作業着を着て、クリーンネットキャップをかぶり、マスクを着けた従業員が、葉の付いた細い枝を緑のケースから出し、ほぐしながらコンベアの上に置いていく。

ナレーション: ハービオテック・アロマでは、オリーブなどの有機植物の栽培、収穫、加工、販売までを一貫して行い、トレーサビリティーを追求している。

映像説明: 壁際の台に、フタ付きの白い円筒形(えんとうけい)のケースがいくつも積み重ねられている。銀色のトレーに薄い緑の粉のようなものが詰められた袋がいくつも並べられている。白い不織布(ふしょくふ)のコートを着たかっぷくのいい男性が袋を指さし、うなずきながら手に1つ取ってこちらに見せる。

テロップ: ハービオテック・アロマ レイス・トレムサニ CEO

ナレーション: トレムサニCEOは、フランスの大学でバイオを専門に学び、博士号(はくしごう)を取得。

映像説明: 工場内。コンベアのそばで、トレムサニCEOが紺の作業着を着た男性と握手を交わし、肩をたたく。 小さくカットされた葉が運ばれるコンベアの前で、トレムサニCEOが身ぶりを交えて話をしている。

ナレーション: その後、農業で起業をするためチュニジアに戻ってきたが、そこには強い思いがあった。

映像説明: 「Herbiotech Aroma(ハービオテック アロマ)」と書かれた壁の前で、トレムサニCEOが身ぶりを交えてインタビューに答える。

トレムサニCEO・フランス語: チュニジアでは大卒人材の失業が最大の課題だが、内陸部の失業率の高さも深刻だ。 この2つの課題を合わせて、地方の労働者も大卒人材も雇用につなげるために、 内陸部で先進的な事業を行っている。

映像説明: 階段状に設置されたコンベアのそばで、紺の作業着を着た男性が緑の作業着を着た従業員に身ぶりを交えて話をしている。 紺の作業着を着た男性が白い円筒形(えんとうけい)のケースを手にし、現地の言葉が書かれたラベルを指さす。ケースには乾燥させた薄い緑の細長い葉が詰められている。 工場内の一角。緑の作業着を着た従業員が、小さくカットされた葉を白い大きなコンテナからちりとりですくい上げ、別の従業員が広げて持つ白い袋に入れる。もう一人の従業員がそばに立ち、その様子を見ている。

ナレーション: ハービオテック・アロマでは、若者を積極的に雇用し、技術者として育成。さらに、農業に従事する女性たちが自立するための経済的支援も行っている。

映像説明: 観葉植物が置かれた部屋で椅子に座って話をするトレムサニCEOの写真。ロングヘアをまとめ、白いイヤリングを付けた女性が隣に座り、あごに手を当てて話を聞いている。(写真提供 アレナビオ) 白い格子窓のある部屋で、テーブルに置かれたメモを前に座り、身ぶりを交えながら話すロングヘアの女性と、隣に座ってトレムサニCEOが口元に手を置きながら話を聞いている様子の写真。(写真提供 アレナビオ)

ナレーション: そんなハービオテック・アロマとタッグを組み、新たな市場を切り開こうとしている日本の企業があった。

映像説明: 2階建てのグレーの建物の外観。建物の前のスペースに、車が8台ほど駐車されている。

テロップ: 茨城県 つくば市

映像説明: 白い壁の室内。白いジャケットを着た女性が窓を背にデスクに座り、その前に向かい合わせで組まれたデスクに2人の女性が座っている。白と黒のボーダーのトップスを着た女性の隣に、チェックのシャツの上にグレーのベストを着た男性が立ち、話をしている。木目調の大きなテーブルに大小の黒っぽい瓶や緑の液体が入れられた透明な瓶などが17本ほど並べられている。

テロップ: アレナビオ

ナレーション: 筑波大学北アフリカ研究センターが立ち上げたアレナビオ。北アフリカと日本をつなぐビジネスを展開している。

映像説明: 木の枝にたわわに実った黄緑の果実の写真。部分的に赤みがかっているものもある。(写真提供 アレナビオ)

テロップ: チュニジア産オリーブ ポリフェノール10~(から)20倍

ナレーション: 筑波大学の研究によって、チュニジアのオリーブに含まれるポリフェノールは、通常の10倍から20倍多いことが発見された。

映像説明: 下から見上げた木の写真。細長い葉がたくさん付いた枝に、黒っぽい果実が3つほどなっている。(写真提供 アレナビオ)

ナレーション: 成分は実だけでなく葉にも含まれ、さまざまな製品化が期待されている。

映像説明: 薄い緑の粉が入った広口の瓶と、粉をブロック状に固めたものがそばに置かれている写真。そばに細長い葉がついた枝も写っている。(写真提供 香川県水産課)

テロップ: 養殖用飼料

ナレーション: 日本では、オリーブの葉を家畜や養殖用の飼料として製品化に成功。

映像説明: 細長い葉のついた細い枝の上に載せられた大きなハマチの写真。背は黒っぽく、腹は銀色で、目のあたりから尾にかけて黄色い線が入っている。(写真提供 香川県水産課)

テロップ: オリーブハマチ

ナレーション: オリーブ飼料で育成したハマチは、ブランド化されている。

映像説明: 皿に盛りつけられたハマチの握りずしの写真。赤みがかった肉厚のネタが、シャリの上に載せられている。(写真提供 香川県水産課)

ナレーション: 鮮度が保たれ、さっぱりとした風味になるという。

映像説明: 白い壁の室内。白いジャケットを着た女性が紙袋から乾燥させた薄茶の細長いオリーブの葉を両手ですくって出し、テーブルに敷かれた紙の上に置く。

ナレーション: こうした製品に最適なのが、チュニジアのオリーブだった。現地のパートナー探しに、高橋さんは奔走した。

映像説明: 彫刻が施された壁の前でイヤリングを付けた女性がインタビューに答える。

テロップ: アレナビオ 高橋 真理子 取締役

高橋取締役: オリーブの葉っぱを加工するということは、今までどの会社さんもチュニジアでは行われてなかったことですから、 新しい取り組みとして、非常に、その、研究開発(精神)あふれるですね、あの、企業と、ま、取り組まないと、なかなか、あの、できないということで。

映像説明: 広大なオリーブ畑(ばたけ)に立つ、トレムサニCEOと高橋取締役のほか、5人の男女の写真。(写真提供 アレナビオ) 「Herbiotech Aroma(ハービオテック アロマ)」と書かれた布が掲げられた壁の前に立つ、8人の男女の集合写真。トレムサニCEOと高橋取締役が笑顔で写っている。(写真提供 アレナビオ) 葉の付いたオリーブの枝でいっぱいの倉庫の写真。ジャンパーを着た男性が枝をつかみ、青いシャツを着た男性がそばに立っている。(写真提供 アレナビオ) 白い格子窓のある部屋の写真。トレムサニCEOや高橋取締役たち6人が、書類やコーヒーカップなどが置かれたテーブルを囲んで座っている。(写真提供 アレナビオ) 工場の写真。多角形(たかっけい)の金属の枠に回転式の羽根が取り付けられた大型の青い機械のそばに立つトレムサニCEOが話をし、それを周りにいる7人ほどの人が聞いている様子。(写真提供 アレナビオ)

ナレーション: ハービオテック・アロマとアレナビオの出会いによって、これまで廃棄されていたオリーブの葉に商品価値が生まれた。トレムサニCEOは日本の品質基準に応えるため、新たな加工技術を取り入れ、事業を展開。

映像説明: 白い壁の室内。高橋取締役が黒い瓶から透明な黄色い液体をテーブルに置かれた白い丸皿(まるざら)にたらす。

テロップ: 有機JAS(ジャス)認定 取得

ナレーション: さらに、オリーブオイルは日本の有機農産物の認定を取得した。

映像説明: 高橋取締役が、テーブルに並べられた瓶のほうを手で示しながら話をしている。

ナレーション: 今後、アレナビオは、日本でもチュニジアのオリーブを知ってもらえるよう、市場を広げていきたいと考えている。

映像説明: 高橋取締役が白いラベルが貼られ、封がされた黒い瓶を手にしている。ラベルには、黒の文字で「A&S」と書かれたロゴの周りに、色とりどりの花や葉の模様が描かれている。 高橋取締役が手にした瓶を見ながら話をしている。 高橋取締役が、「HERBIOTECH AROMA(ハービオテック アロマ)」や「Organic Rosemary」などと書かれたラベルが貼られた黒と茶色の小瓶を手に話をしている。

ナレーション: 高橋さんは、チュニジアの産業の広がり、若く優秀な起業家たちの活躍について、こう話す。

映像説明: デスクに座った高橋取締役が、身ぶりを交えてインタビューに答える。 薄いグレーの壁の工場。緑の作業着を着て、クリーンネットキャップをかぶり、白いマスクを着けた従業員がコンベアを流れるカットされたオリーブの葉から不要なものを取り除いている。 青い円筒形(えんとうけい)の太い軸に取り付けられたコンベアのそばで、白い不織布(ふしょくふ)のコートを着たトレムサニCEOが紺の作業着を着た男性に話しかけ、二人で笑顔を見せる。 トレムサニCEOが工場内を歩く。 白い円筒形(えんとうけい)のケースに詰められた乾燥させたオリーブの葉。 白い壁の室内で、高橋取締役が話を続ける。

高橋取締役: 地域で立ち上がってる起業家たちが、ま、こういう製品を開発して、 チュニジアならではのブランドで付加価値を高めて、 世界に発信できる、ま、企業になりたい、国になりたいということで、すごく、まあ、意味があって価値があるというか。 そういった、まあ、企業さんが、え、存在するっていうのは、チュニジアの将来にとっても非常に明るい未来だなっていうふうに感じています。

スタジオの八木(やぎ)キャスター: 取材を通じ、チュニジアのエンジニアや若い起業家たちについて、技術力やビジネスに対する姿勢を評価する声が多く聞かれました。伝統的な農業から、さまざまな分野におけるスタートアップまで、新たなビジネスが生まれているチュニジアの今後に期待したいと思います。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターがおじぎをする。


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