要チェック! ガーナ・ドイツのビジネスチャンス ‐アクラとミュンヘンからの現地リポート‐

2019年12月26日

ジェトロは来春、海外の2ヵ所に事務所を開設する。一つは、西アフリカ・ガーナの首都アクラ。3,000万の人口を擁し、高成長を続けるガーナには日本企業も着目。ドローンを使って病院に医薬品を届けるビジネスに参画したり、プログラミング教材を地元の公立学校に提供するなど、事業の領域を広げている。もう一つは、ドイツ南部・バイエルン州の州都ミュンヘン。製造業が集積する同州には、「隠れたチャンピオン」と呼ばれる有力な中堅・中小企業が多く、日本のメーカーとの提携を志向するスタートアップも見られる。両国・地域の経済情勢とビジネスの可能性をリポートする。

(14分05秒)

テキスト解説を読む

テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニンングタイトル。 薄い青を基調としたコンピュータグラフィックスの背景画。 世界地図の上で回転する、中が空洞になった地球儀が、もうひとつ地球儀が飛び出す。 拡大表示された地球儀の横にタイトルが現れる。 「世界は今ジェトログローバルアイ」。

映像説明: スタジオ。地球儀と世界地図の画像をバックに、女性キャスターが入ってくる。 襟元とアームホール部分にフリルが付いた濃いピンクのブラウスと黒いスカート姿。

テロップ: 八木 ひとみ(やぎ ひとみ)

八木(やぎ)キャスター: 世界は今、ジェトログローバルアイ。 今回の特集は、ジェトロが来年の春に事務所を開設する海外の2つの街から、現地リポートをお届けします。一つはアフリカ西部、ガーナの首都アクラ。もう一つは、ドイツ南部の都市、ミュンヘンです。産業の構造は大きく異なりますが、それぞれ日本との関係が発展していくことが期待されます。まずは、進出する日本企業(にほんきぎょう)が増えつつある、ガーナからのリポートです。

テロップ: 要チェック! ガーナ・ドイツのビジネスチャンス ‐アクラとミュンヘンからの現地リポート‐

映像説明: クリーム色(いろ)の平屋の建物の「2」と書かれた出入り口の上に、屋根が平たいやぐらのような建物があり、その骨組みには青い円の中に緑とピンク、黄色(きいろ)の葉っぱが重なり合ったようなマークと「accra mall(アクラ モール)」と書かれた白い正方形の看板が取り付けられている。手前にある駐車場の柵の前に眼鏡を掛け、紺のジャケットを着た男性が立ち、右手にマイクを持って話をしている。画面右下の四角い枠内にアフリカ大陸の地図。ガーナは、アフリカ西部に位置する国で、東はトーゴ、西はコートジボワール、北はブルキナファソ、南は大西洋に接しており、緑色(みどりいろ)で示されている。首都アクラはガーナの最南端にあり、大西洋に面していて赤い星印で示されている。

テロップ: ガーナ アクラ

テロップ: ジェトロ ラゴス事務所 所長 西澤 成世(にしざわ しげよ)

西澤(ジェトロ ラゴス事務所 所長): ハロー。こちらはガーナの首都アクラです。私の立っている場所は、アクラモール。

映像説明: 屋根が平たいやぐらのような建物の骨組みに取り付けられた、青い円の中に緑とピンク、黄色(きいろ)の葉っぱが重なり合ったようなマークと「accra mall(アクラ モール)」と書かれた白い正方形の看板。クリーム色(いろ)の平屋の建物。「2」と書かれた出入り口は大勢の人が出入りし、手前にある広い駐車場にはたくさんの車が止められている。 出入り口。ガラスのドアの中に半袖のシャツを着た男性たちが入っていく。ドアの横には、「WE’RE STILL OPEN!(ウィーアー スティル オープン!)」の文字と、ミツバチのキャラクターが大きく描かれた巨大な看板が立てられている。サングラスを掛けた男性が、グレーのプラスチックボックスが入ったショッピング カートを押して、駐車場のほうへ歩いてくる。

テロップ: アクラモール

西澤: ガーナ最大のショッピングモールで、えー、地元の中高所得者層(ちゅうこうしょとくしゃそう)が、ふだん、買い物に訪れる場所です。

映像説明: アクラモールの駐車場の柵の前。眼鏡を掛け、紺のジャケットを着た西澤が、右手にマイクを持ちながら話をしている。 菓子売り場の写真。8段ほどある棚に、赤やオレンジ、青、黄色(きいろ)など、色とりどりのチョコレートのパッケージがずらりと並べられている。棚の一番上から、透明なビニール袋がたくさん吊るされ、棚の下のほうまでぶら下がっている。1ヵ所は、緑と赤の小さな包装紙に包まれたキャンディーのような菓子が詰まった袋がたくさん吊るされ、もう1か所には、水玉模様のピンクの服に白い靴をはいた女の子の人形が20個ほど吊るされている。 棚に並ぶさまざまな色のチョコレートのパッケージ。カカオ豆の形にアルファベットの「N」を組み合わせたマークに、「NICHE(ニーシュ)」と書かれたロゴが入っている。オレンジ色(いろ)のパッケージには、「N」のマークが入ったチョコレートと円い断面を見せたオレンジのイラストが、緑のパッケージには「N」のマークが入ったチョコレートと黄緑色(きみどりいろ)のライムのイラストが、黄色いパッケージには、「N」のマークが入ったチョコレートとマンゴーのイラストが描かれている。ボトルが並ぶ別の棚。茶色のボトルのラベルには、白いだ円の中に金色の太陽のイラストに「Sunny Gold」の文字が書かれたマークと、茶色い飲み物が入った白いカップの写真があり、白抜きの文字で「Cocoa Powder(ココア パウダー)」と書かれている。 アクラモールの駐車場の柵の前で、西澤が話を続ける。

テロップ: カカオ 世界第2位の生産国 輸出額(2018年) 32憶5,000万ドル

西澤: ガーナといえば、カカオが有名です。実際、ガーナは、隣国のコートジボワールに続く、世界第2位のカカオ生産国で、2018年の輸出額は、輸出全体の19パーセントを占める、32憶5千万ドルでした。日本(にほん)で消費されているカカオの80パーセントはガーナ産です。ガーナの主要産業は、カカオに限らず、えー、金や石油、ガスです。

映像説明: 広いガソリンスタンド。黄色(きいろ)と赤のラインが入った大きな平たい屋根と、植え込みに建てられた大きな看板に、赤い縁取り(ふちどり)の黄色い貝殻のマークが入っている。屋根の下に、ガソリンを給油する計量機が3台置かれ、1台の前にグレーのミニバンが停車している。赤い半袖のシャツを着た男性がミニバンの横に立っている。 計量機の前。赤い半袖のシャツを着た男性が、赤いハンドルの給油ノズルを握り、グレーのSUV車の給油口に差し込む。

テロップ: 外国からの投資で石油・天然ガス開発が進む

西澤: 日本などの外国からの投資で石油、ガスの開発が進んでいます。

映像説明: 渋滞する道路。赤い車や、オレンジのアクセントが入った白いタクシーなどが一列になって、ゆっくりと進んでいく。歩道には大きなパラソルが複数置かれ、商品のようなものが並べられている。歩道の奥は緑の木々(きぎ)がうっそうと茂っており、あいだを仕切る金網には、赤い靴を履いた女性の脚や、赤ちゃんのおでこにキスをしている子ども、歯磨き粉などの写真が入った巨大な看板が並ぶ。

西澤: 前大統領政権時代の2015年、原油価格低迷と財政運営の失敗により、IMFの支援を受けましたが、

映像説明: 銀縁の丸眼鏡を掛け、赤いネクタイを締め、グレーのジャケットを着た男性の写真。スーツの襟に金色のバッジが付いている。後ろには、スーツ姿の4人の男性と、制帽をかぶった男性が立っている。(写真提供 ライフイズテック)

テロップ: アクフォ=アド(アクフォ アド) 大統領

映像説明: アクアモールの駐車場の柵の前。眼鏡を掛け、紺のジャケットを着た西澤が、右手にマイクを持ち、話を続ける。

テロップ: 2019年4月 IMFの支援プログラムから卒業

西澤: アクフォ アド現大統領政権では、財政が強化された結果、2019年の4月に、支援プログラムから卒業しました。

映像説明: 大きな街路樹のある片側3車線の道路。乗用車やトラックなどがゆっくりと進む。 トタンの板の壁に囲まれた建設現場。2階部分まで作られたコンクリートの壁や柱の上に、無数の細い鉄筋が突き出しており、3人の作業者がはりの上で作業をしている。

テロップ: 1人当たり名目 GDP(2019年) 2,223ドル 出所:IMF

ナレーション: 人口はおよそ3千万で、1人当たりのGDPは2千2百ドル台だが、増加が続いている。

映像説明: コンクリートのはりの上。白いヘルメットをかぶり、オレンジの安全ベストを着た男性がしゃがんで作業をし、赤いヘルメットをかぶって、黄色(きいろ)の安全ベストを着た男性が鉄筋を握って立ち、作業を見ている。 交通量の多い道路沿いの歩道。半袖のシャツにカバンを持って歩く男性たちや、大きなタライを頭に載せた女性たちが歩いていく。白いカットソーに黄色いスカート姿の女性は、頭の上においた白い布の上に緑のタライを載せている。タライには、パンのようなもの入った袋が山積みになっており、上から白い布がかぶせられている。 街なかのキオスク。駐車場に面して青い棚が設置され、缶の飲み物や菓子のようなものが並ぶ。棚の後ろのパラソルの下に、さまざまな瓶やボトルを並べた台が置かれている。ピンクのリュックを背負(せお)った女の子や、青や白のシャツを着た男の子たちが、キオスクの前を歩いていく。 大きな黄色い扉の前。扉の前には、バケツの上に置いたたくさんのたまごが並べられた大皿を前に置き、女性が座り込んでいる。横に立つ女性は、緑と黒のストライプの布をたたんでいる。扉の脇には、同じ青い柄物のシャツを着た男性など、10人ほどの人々が佇んでいる。

テロップ: 実質GDP成長率(予測) 2019年 7.5% 2020年 5.6% 出所:IMF

ナレーション: また、2019年のGDP成長率は、石油生産量の増加を受け、7.5%。2020年も、比較的高い成長が見込まれている。

映像説明: 市街地のT字路。角(かど)には、全面ガラス張りの丸みを帯びたビルが建っている。T字路の突きあたりの地点の、緑の葉が生い茂る街路樹の横で、眼鏡を掛け、紺色のジャケットを着た西澤が左手にマイクを持って話をする。 道路を挟んで向かいにある丸みを帯びたビルの入口付近にが、中が空洞になっている大きな地球のオブジェが置かれている。

テロップ: ガーナ進出の日本企業数(にほんきぎょうすう) 48社 出所:外務省「海外在留邦人数調査統計」

西澤: ガーナに進出している日本企業(にほんきぎょう)は、およそ50社で、これまで発電所や石油開発、道路建設に取り組んできており、人口増加を続ける西アフリカで市場開拓を進めています。

映像説明: 緑の葉が生い茂る街路樹の横で西澤が話を続ける。

西澤: ブロードバンドが西アフリカで普及するにつれ、最近ではガーナでも若いベンチャー企業の活躍が目立っています。

映像説明: 赤土がむき出しの道を進む車。道の両脇、辺り一面に緑が広がっている。

テロップ: ドローンでビジネスを展開するスタートアップ

西澤: アメリカのスタートアップも、ここガーナでビジネスを展開しています。

映像説明: 緑の中、赤土がむき出しの道を車が進んでいく。画面左下の四角い枠内にガーナの地図。スフムは、大西洋に面した首都アクラの北にあり、国の中央に広がる巨大な湖、ヴォルタ湖の南に位置しており、赤い星印で示されている。 白い建物の外壁に、赤の文字で「zipline」、黒の文字で「Omenako」と書かれたロゴマークが立体文字で掲げられている。 砂利が敷かれた広い土地に立つ、3軒の白い建物。中央に建つ2階ほどの高さの建物には、ジップラインの赤いロゴマークが掲げられ、赤い窓枠の小さな窓が並んでいる。窓のない右側の建物の前にはグレーの巨大なパラソルの下に車が3台止まっている。左側には、細長い形のトレーラーハウスのような建物がある。

テロップ: ジップライン ドローンをつかった米国物流企業

ナレーション: アクラ市内からおよそ60キロ離れたスフム地区を拠点に、

映像説明: 屋外で、保護眼鏡をかけた3人の男女が作業をしている。空に向かって斜めに伸びる細長いレールの横で、紫のTシャツを着た男性が箱型の機器を持って立っている。ロングヘアの女性が、尾翼がついた1.5メートルほどの長さの白い機体を両手で支えながら運んで来て、レールの上の黒い台座に設置する。 レールの始発地点には透明の四角いパネルがあり、後ろにはモニターと、緑、黄色(きいろ)、白、青の円い制御ボタンが取り付けられている。白いTシャツを着た女性が、赤のラインが入った3メートルほどの長さの白い翼を機体に装着する。

テロップ: 飛行機型のドローン(最高時速 101km)

ナレーション: 飛行機型のドローンを使って、血液や医薬品などを病院へ届けるサービスを展開している、アメリカ企業のジップライン。

映像説明: 透明の四角いパネルの後ろに立ち、ロングヘアの女性が制御ボタンに手を置くと、小さな飛行機が勢いよくレールを走り、青空に向かって飛んでいく。 大きな窓がある建物の中。窓際に白い機体が9台、立て掛けられるようにして並んでいる。機体の横には赤でジップラインのマークが描かれている。

ナレーション: アフリカでのビジネスは、ルワンダに次いで、2ヵ国目。

映像説明: 大きな窓の近くにあるテーブルに、5人の男女が座っている。テーブルの上には、ノートパソコンやヘッドフォン、飲み物などが置かれている。紺と白の2色使いのポロシャツを着た男性が話を聞きながら手元を見ている。

ナレーション: この企業がガーナを選んだ理由についてこう話す。

映像説明: 大きな窓がある建物の中。紺と白のポロシャツを着た男性が、窓際に立てかけてあるドローンの前でインタビューに答える。

テロップ: ジップライン 渉外コンサルタント エトナム・コムラ・ブアミ さん

エトナム・コムラ・ブアミさん・英語: ガーナは道路事情が悪いため、緊急時にも病院への薬剤の配送に時間がかかる。 そこで政府はこのサービスを導入したが、今ではそのメリットがあると考えている。

映像説明: ドアと窓枠が赤い、白い壁の部屋。窓際に置かれた長机(ながづくえ)の上にモニターやキーボード、トランシーバーが置かれている。白衣を着た女性がタブレット端末を手に取る。 女性がタブレットの画面をタップする。 タブレットに緑豊かな衛星写真が表示され、白い線で放射状にルートが示されている。 拡大表示された衛星写真。ルートのあちこちに赤丸の印がつけられ、「KYMPM」や「HWMMR」などの文字が記されている。

テロップ 配送先地図

テロップ: 80km離れた場所への配送時間 自動車・船 6時間 ドローン 45分

ナレーション: 現在、最も遠い配送先の施設は、ここから80キロ離れた場所。自動車と船で6時間かかるが、このドローンを使えば45分で輸送が可能だ。

映像説明: 4段の金属製の棚がいくつも置かれた部屋。さまざまな種類の箱やプラスチックに入った器具が、それぞれの棚に整然と並んでいる。 白衣(はくい)を着て紫色の手袋をつけた女性が棚に置かれた水色の箱を1つ取り、プラスチックケースに入れて、窓際の長机(ながづくえ)のほうに運ぶ。箱には赤の文字で「DEXTROLITE(デクストロライト)」と書かれ、円の中に家族4人が描かれたイラストがある。 茶色の緩衝材でしっかりと包み、オレンジ色(いろ)の紙箱に入れる。 オレンジ色(いろ)の紙箱のふたを閉める。箱には白抜きでジップラインのマークが入っている。

テロップ: ジップライン ビジネスモデル 保険省から医薬品の提供 ↓ 管理・保存 ↓ 各医療施設へ配送 ↓ 保険省から配送料を受領

ナレーション: この企業のビジネスモデルは、保険省から提供を受けた医薬品を管理、保存し、各医療施設へ届け、保険省から配送料を受け取るというものだ。

映像説明: 白衣(はくい)を着た女性が、梱包したジップラインのロゴマークが入っているオレンジ色(いろ)の箱についている太い紙のヒモを伸ばしていく。 太い紙のヒモの先端には中央に四角い穴があいた、小さな紙製のパラシュートが付いている。 パラシュートを折り畳んで箱の上に載せ、箱を持って歩き出す。

ナレーション: 病院から医薬品の配送依頼がくると、パラシュート付きの配達ボックスに医薬品を詰め、

映像説明: 別の部屋。白いラインが入った紺の安全ベストを着た男性が、オレンジ色(いろ)の箱を抱え、スマートフォンを手に歩いていく。 屋外。空に向けてレールが延びる発射台の横に、ジップラインのマークが入ったドローンの機体が3機立てかけられている。胴体のハッチの扉が開いており、紺の安全ベストを着た男性が、オレンジ色(いろ)の箱を中に入れる。 オレンジ色(いろ)の箱を機体の内部に収め、両開きのハッチの扉を閉める。 期待を抱え、レールの上の台座に置く。

ナレーション: ドローンに格納。

映像説明: 白いTシャツを着た女性が、赤いラインが入った白い翼をドローンに装着する。 紫のTシャツを着た男性が、箱型の機器をドローンの上にはめ込む。 透明の四角いパネルの後ろに白いTシャツを着た女性が立っている。制御ボタンを押すと、ドローンがレールを走り、あっという間に空の彼方に消える。

ナレーション: カタパルトからドローンを発射し、配送先へ医療品を届ける。

映像説明: 青空のなかを高速でドローンが飛んでくる。機体からオレンジ色(いろ)の箱が投下され、パラシュートを開きながら芝生の上に落ちる。白衣姿(はくいすがた)の男性が駆け寄って来て、オレンジ色(いろ)の箱を拾い上げ、平屋の建物のほうへと走っていく。

ナレーション: 病院の担当者は…。

映像説明: トタン屋根の平屋の建物が並ぶ一角。ピンクの壁の建物と黄色い壁の建物のあいだに、屋根のついた渡り廊下がついている。下にはベンチが置かれ、花柄の黒いワンピースを着た女性が、ベンチに足を伸ばして座っている。左手にバッグを持った白いTシャツに柄物のロングスカート姿の女性がピンクの建物沿いに奥のほうへと歩いていく。

テロップ: スフム公立病院

映像説明: ピンクの建物の前で、白衣(はくい)を着てサングラスをかけた男性がジップラインのロゴマークが入ったオレンジ色(いろ)の箱を手にインタビューに答える。

テロップ: 担当者

白衣を着た男性・英語: ジップラインとのパートナーシップは、すばらしい。(患者の)命が救えるようになった。

映像説明: 御影石の壁に、青でアルファベットの「T」をデザインしたマークと、黒い文字で「豊田通商株式会社」「TOYOTA TSUSHOCORPORATION(トヨタ ツウショウ コーポレーション)」と書かれた長方形のプレートが掲げられている。看板を背にして、大きな白い受付カウンターが置か れ、同じグレーの制服を着た2人の女性が並んで座っている。カウンターの左手には、屋根がついた背の高い台座が置かれ、壁の部分には、黄色(きいろ)、オレンジ、紫など、さまざまな色の手が地球を支えているイラストとともに、青い文字で「Be the Right ONE」と書かれたグレーのパネルがライトアップされている。

テロップ: 東京都 港区

テロップ: 豊田通商 総合商社

ナレーション: このアメリカ企業に出資しているのは、日本の大手商社、豊田通商(とよたつうしょう)だ。ガーナビジネスについて、責任者は…。

映像説明: 薄暗い部屋。クリーム色(いろ)の壁の前に、透明なケースに収められた立体的なアフリカ大陸の模型がある。国境線が描かれたアフリカ大陸のあちこちに、赤と青のピンや、白い小さなカードが取り付けられている。シルバーのミニカーが1つ、同じケースに展示されている。ケースの横には、木の柱に升のような形の四角い木のランプシェードを3つ取り付けたライトが淡い光を放っている。アフリカ大陸の模型の前に座る、黒いスーツに青のネクタイを付けた男性がインタビューに答える。

テロップ: 豊田通商 アフリカ企画部 和田 明 部長

和田部長: ドローンっていいますと、ま、特にあのー、インフラが発達してないエリア。そこにおける活用が、えー、メリットがあるんじゃないかなと。 もちろんその、人口ということを考えますと、(同じ西アフリカの)ま、ナイジェリアが大きいんですが、 安定性ですとか、あのー、経済、政治とも安定していると、いったところが、ガーナの魅力と思っております。

映像説明: 空を飛ぶドローン。山なりに組んだ大きな2つ鉄柱のあいだを通過する。鉄柱のあいだに渡された伸縮性のある長いロープに尾翼の部分が引っ掛かり、先頭部分を下にしてブランコのように前後に揺れる。2つの大きな鉄柱のあいだには、青いマットが敷いてある。

テロップ: ドローン帰着

映像説明: 白いヘルメットをかぶった男女が、鉄柱のあいだにぶら下がったドローンの周りで作業をする。白い線が入った紺の安全ベストを着た男性がドローンを支え、白いTシャツを着た女性が機体から箱型の機器を取り外して運んでいく。紫のTシャツを着た男性が、赤いラインが入った白い翼を機体から外して歩き出す。紺の安全ベストを着た男性が、尾翼からロープを取り外す。

ナレーション: ジップラインは、現在の2拠点から、来年春までにさらに2ヵ所増やし、ガーナ全土をカバーしていく。

映像説明: グレーの壁の建物の前。芝生の上で、眼鏡を掛け、紺のジャケットを着た西澤が右手にマイクを持ち、話をする。

西澤: 課題の解決に、まっすぐに取り組み、最先端の技術をガーナに投入したジップラインの取り組みは、間違いなく、この国の医療システムを変えつつあります。ガーナ政府の支援と理解も、このビジネスの展開に大きく役立っています。

映像説明: 天井にシーリングファンが取り付けられている部屋。 木製の長机(ながづくえ)が2列並べられ、1列に子供たちが8人ずつ、向かい合って座っている。机の上には人数分のモニターとキーボード、マウスが置かれている。正面のスクリーンの前に、白いシャツの上に黄色いTシャツを着た男性が立ち、身振りを交えながら話をしている。青いTシャツを着た2人の男性が、子どもたちのあいだに入って、モニターを見たり、キーボードに手を伸ばしたりしている。

テロップ: 教育分野に進出する日本のスタートアップ

ナレーション: 一方、日本の教育分野のスタートアップも、本格的なビジネス展開を始めている。

映像説明: 屋外の白い看板。紺地に金色で3本の木と唐草模様がデザインされたマークの横に、紺色の文字で「UNIVERSITY OF GHANA」、「UNIVERSITY BASIC SCHOOL」と書かれている。看板の横にある門の奥に広大な敷地が広がり、芝生と建物がみえる。敷地内の舗装された車道の脇にある低い塀に大勢の人々が座っている。 石畳の広場。横に長い平屋の建物が4棟(よんとう)建っている。どの建物もトタンの切妻屋根がついており、壁の上半分は白、下半分はグレーに塗られている。すべての出入口の前に、白いバケツが置かれている。

テロップ: ガーナ大学付属基礎教育学校

ナレーション: ガーナ大学付属基礎教育学校。幼稚園から高校までの、一貫教育を行なっている。

映像説明: 天井にシーリングファンがある部屋。生徒たちが長机(ながづくえ)の前に座り、モニターに向かっている。 ストライプのシャツの上に青や黄色(きいろ)、ピンクなどのTシャツを着た子供たちが、モニターを見ながら指先でキーボードを叩く。 モニターに、HTMLのコードが書かれた黒い画面が表示されている。その上を、ワンピースのような服を着た猫のイラストがサッと横切る。

テロップ: 中学校のプログラミング授業

ナレーション: 教室で行われているのは、プログラミングの授業だ。その教材を開発したのは、ライフイズテック。

映像説明: 室内。木目調の壁に、青で「L」、黄色(きいろ)で「i」、赤で「T」、緑で「!」を配置したデザインのマークと、黒い文字で「Life is Tech!」と書かれたロゴマークがライトアップされている。白い縦型のブラインドが下ろされた窓と、大きな部屋を半分ほどに仕切る木製の棚がある。棚は正方形に細かく仕切られ、ところどころ赤や青、緑の板で覆われている。板がないところには、インテリアのように本やアヒルのおもちゃが飾られている。 木製の棚の前に、緑色(みどりいろ)や黄色(きいろ)などのカラフルな丸テーブルが4つ置かれ、ノートパソコンの画面に目を向ける女性や、飲み物を前に話をする男女が座っている。棚の奥は、グレーのソファーや青い椅子が置かれたスペースになっている。 白い縦型のブラインドの前の緑色の丸テーブルで、マスクをつけた女性と白いセーターを着た女性がノートパソコンの画面をのぞき込んでいる。

テロップ: ライフイズテック 中高生向けIT(アイティー)・プログラミング教育企業

ナレーション: ガーナに進出した理由について社長は…。

映像説明: ライトアップされたライフイズテックのロゴがある木目調の壁と、正方形で仕切られた木製の棚の前で、紺のシャツを着た男性がインタビューに答える。

テロップ: ライフイズテック 水野 雄介 社長

水野社長: 今、プログラミング教育は、あのー、世界的にもすごく必要となっていて、で、やっぱりそのー、ま、AI(エーアイ)の人材だったり、デジタル人材っていうところがどの国でも必要と。 ただ、やっぱり教える先生がいないとか、教える教材がないっていう問題がありますので。

映像説明: モニターに映し出された映像。青空の下の街並みを描いたイラストを背景に、左側にブロンドヘアの男の子と黒髪のロングヘアの女の子のキャラクターが、右側に洋服を着た犬、猫、牛のキャラクターが立っている。上部には英語で「”MOZER Web Design Learning Course” can be enjoyed by anyone! (マザー ウェブ デザイン ラーニング コース キャン ビー エンジョイド バイ エニワン)」の文字と、ライフテックのロゴマーク、黄色い文字で「Daisy and The Secret Messages」「Trial ver. (トライアル バージョン)」と書かれている。画面の下部には、「https://en.mozer.io (エイチティーティーピー コロン スラッシュ スラッシュ エーエヌ ドット エムオーゼットエーアール ドット アイオー)」とURLが記載されている。 キャラクターのアニメーションが動く映像。オレンジのワンピースを着た白い猫のキャラクターが、指し棒を持って現れ、グレーの縁取り(ふちどり)がある白い文字で「DAISY」と表示される。紫のジャンパーを着たこげ茶色(こげちゃいろ)の犬の横には、グレーの縁取り(ふちどり)がある白い文字で大きく「UNO(ウーノ)」の文字が、ベレー帽をかぶり、手に絵画パレットを持った羊の横には、グレーの縁取り(ふちどり)がある白い文字で「CAMILLE」の文字が現れる。 画面上部に「You’re going to Help Solve the Concerns of the People in Town while (ユア ゴーイング トゥー ヘルプ ザ コンサーンズ オブ ザ ピープル イン タウン ホワイル)」の文字があるシチュエーション映像。ベーカリーのイラストをバックに、左側に金髪の男の子とワンピースを着た猫が、右側には茶色のエプロンを着けた女性の「Marsa(マーサ)」キャラクターがいて、マーサが話す内容が英語で表示される。 モニターの画面の映像。ウィンドウのタイトル部分に「MOZER(マザー)」と書かれている。画面が3つに区切られていて、画面の左側半分には、スライスされたパンの写真の上に白抜きの文字で「Mom’s Bakery (マムズ ベーカリー)」と書かれた画像が映し出されている。右側半分の上部には、「Let’s put background image into the heading! (レッツ プット バックグラウンド イメージ イントゥー ザ ヘディング!)」という指示と、ヒントとなるHTMLのコードが書かれている。右側の下半分には黒い背景にHTMLのコードが表示されており、ワンピースを着た白い猫が顔をのぞかせている。ウィンドウの下部に「Learning about Web Design」と書かれたメッセージが画面の左から右にスライドインして表示される。左側半分のパンの写真の上の「Mom’s Bakery (マムズ ベーカリー)」の周りに王冠のようなマークや「SINCE 1725」などの文字などが加わり、ロゴマークのように変化する。

ナレーション: この企業のプログラミング教材は、各キャラクターが出すミッションをクリアしながら、ベーカリーのウェブサイトを作っていくというものだ。

映像説明: モニターが並ぶ部屋。紫のTシャツを着た生徒が、男の子と女の子のキャラクターが映し出された画面を見ながらマウスを操作している。 モニター画面。6つの枠の中に、さまざまな服装や髪形をした男の子と女の子のキャラクターが同じポーズで立っている。左から3番目の黒髪のショートカットの女の子のキャラクターが選択され、枠が黄色(きいろ)で囲まれ、枠の中の背景が水色になる。「Nickname」と書かれたテキストボックスにカーソルが置かれ、「Nana」と入力される。その下には、「Age」、「Gender」、「Nationality」を入れる項目と「Submit」のボタンがある。 画面に見入る生徒たち。隣の席の画面を見ている生徒もいる。 生徒たちが真剣な表情で画面を見つめている。長机(ながづくえ)にひじをついて、考え込むような表情をしている男子生徒もいる。

ナレーション: 生徒たちは、自分が操作するキャラクターを選ぶ。ストーリーに沿って、ロールプレイングゲームをしている感覚でプログラミングを進め、ウェブサイトを作成する。

映像説明: モニターの画面。HTMLのコードが書かれている黒いウィンドウに、「Nice to meet you(ナイストゥーミートゥユー)」と入力されると、黄色い星が2つ現れて消える。 ウィンドウの上にある「https://en.mozer.io (エイチティーティーピー コロン スラッシュ スラッシュ エーエヌ ドット エムオーゼットエーアール ドット アイオー)」とURLが書かれたウィンドウ画面に、「Nice to meet you(ナイストゥーミートゥユー)」の文字が現れる。猫のキャラクターが画面の中のあちこちに移動してナビゲーションし、吹き出しの中にメッセージが表示される。 モニターが並ぶ部屋。窓側の長机(ながづくえ)には、黄色(きいろ)や緑のTシャツを着た男性たちが、子どもたちと一緒に座っている。全員が来ているTシャツには、「LIFE IS TECH!」[と書かれている。 もう一方の長机(ながづくえ)では、Tシャツを着た男性2人が生徒たちの後ろに立って、モニター画面を見ている。

ナレーション: プログラミングは英語をベースとしており、ストーリーもすべて英語であるため、結果としてプログラミングと英語が同時に学べるのだ。実は、ガーナは英語が公用語にも関わらず、国内で読み書きできる割合は6割程度だという。

映像説明: モニターとキーボードが置かれた長机(ながづくえ)の前に座る、「LIFE IS TECH」!とプリントされた青いTシャツを着た男子生徒がインタビューに答える。

青いTシャツを着た男子生徒・英語: (英語の)スペルは上達するし、ウェブサイトも良くなる。

映像説明: 木製の丸テーブルがある部屋。後ろのグレーの壁には、3本の木と唐草模様の入った大きな校章が掲げられている。校章のしたには、紺色で「UNIVERSITY OF GHANA」の立体ロゴがある。2人の男性が、緑、黄色(きいろ)、青のライフイズテックのTシャツを並べた木製の丸テーブルの後ろで白い椅子に座っている。柄(がら)が入った茶色いシャツを着た男性が、にこやかに話をし、隣に座る眼鏡を掛け、青い柄物のシャツを着た男性が笑顔で耳を傾けている。

ナレーション: このプログラミング教材を選んだ理由について、学長は…。

映像説明: 眼鏡を掛け、青い柄物のシャツを着た男性がインタビューに答える。

テロップ: ガーナ大学 エベネザ・オドゥロ・オウス 学長

エベネザ・オドゥロ・オウス学長・英語: こうしたトレーニングを行うことによって、子どもたちは将来、世界のどこでも働けるようになる。

映像説明: ライトアップされたライフイズテックのロゴがある木目調の壁と、正方形で仕切られた木製の棚の前で、紺のシャツを着た男性がインタビューに答える。

テロップ ライフイズテック 水野 雄介 社長

水野社長: アフリカ、あー、ガーナを中心に、まず事例を作り、えー、ほかの国にも広げていけたらなと思っています。

映像説明: 短い芝のある広い場所。眼鏡を掛け、紺のジャケットを着た西澤が左手にマイクを持って話をする。道路を挟んだ向こう側には、白いテントのような大きな平屋の建物があり、はるか向こうには所々に高いビルのある街並みが広がる。西澤の背後にも、高いビルが数棟(すうとう)建っている。

西澤: ガーナは、英語が公用語なので、日本人(にほんじん)にとっても、コミュニケーションの取りやすい国のひとつです。最後のフロンティアと言われるアフリカ市場。その中でもガーナは、ビジネスのしやすさや、安定した治安に定評があり、今後、西アフリカの市場開拓の拠点として、日本企業(にほんきぎょう)の関心も高まっていくものと思われます。以上、ガーナ、アクラからお伝えしました。

スタジオ: 地球儀と世界地図の画像をバックに、八木(キャスター)が話をする。

八木(やぎ)キャスター: 次にお届けするのは、ミュンヘンからのリポートです。デュッセルドルフ、ベルリンに次ぐ、ドイツにおけるジェトロの3つ目の拠点です。

映像説明: ゴシック調の建物がある広場。ライトで華やかに飾りつけられた露店が並び、コートを着た人々が行き交う。植え込みには小さなもみの木が何本も植えられている。黒縁眼鏡を掛け、グレーのコートを着た男性が左手にマイクを持って話をする。画面右下の四角い枠内にドイツの地図。ミュンヘンはドイツ北東部の首都ベルリンから南下した位置にあり、赤い星印で示されている。

テロップ: ドイツ ミュンヘン

テロップ: ジェトロ デュッセルドルフ事務所 次長 高塚 一(たか つか はじめ)

高塚(ジェトロ デュッセルドルフ事務所 次長): グーテンターク。こちらは、ドイツ南部、バイエルン州の州都、ミュンヘンです。

映像説明: ゴシック調の壮麗な建物。外壁にたくさんの彫像が並ぶ。1階には店舗が入っている。 ドイツ語で「Glühwein(グリューヴァイン)」と赤い文字で書かれたオレンジ色(いろ)の看板をたくさん掲げる露店。屋根には緑の葉の中に、赤やシルバーのボールが飾り付けられている。露店の前の通りをたくさんの人々が行き交い、数人は立ち止まってスマートフォンをかざしている。

テロップ: マリエン広場

映像説明: 大勢の人でにぎわう歩道。華やかにライトアップされた切妻屋根の露店がずらりと並び、厚手の上着を着た人々が行き交っている。

高塚: 私が今立っていますのは、ミュンヘン市の真ん中に位置するマリエン広場、クリスマスマーケットです。

映像説明: ゴシック調の建物の中央に立つ高い塔。上部は5階構造になっていて、上に行くにしたがって細くなり、下から2つめの階には円い時計がついている。一番上は先がとがった尖塔となっている。建物の前の広場を、多くの人が行き交っている。

テロップ: ミュンヘン新市庁舎

高塚: あちらに見えますのは、新市庁舎です。1867年から1909年にかけて建造された、現役の市庁舎です。

映像説明: ゴシック調の建物がある広場で、黒縁眼鏡を掛けた高塚が、左手にマイクを持って話をしている。 街の中に流れる大きな川。左右には、赤茶色の屋根で外壁が白い住宅や建物が広がっている。幅の広い川にはいくつもの橋がかけられ、途中にある大きな中州によって、流れが2つに枝分かれしている。 高速再生されている上空から見た夜の市街地。道路に設置されたオレンジ色(いろ)で、大きな通りが一本の帯のように見え、ライトをつけた車が行き交っている。道路の脇に、筒型の4つのビルを組み合わせたような近代的なビルが建っている。敷地内には、背の低い巨大な円形の建物があり、屋上には外側の黒い円に白抜きの文字で「BMW」と書かれ、内側の円が4等分されて、青と白に交互に塗り分けられた大きなマークが描かれている。

高塚: さて、人口、約8千3百万人を抱える、ドイツの経済状況は、見通しが不透明な状況にあります。

映像説明: ゴシック調の建物がある広場で、高塚が左手にマイクを持ち、話をする。 ゴシック調の建物の屋上に、古代ギリシャ風のキトンをまとった女性の像と、ブドウの房(ふさ)を手にした女性の像が置かれている。2体の像の後ろに、上から黒、赤、黄色(きいろ)の3色で構成されたドイツの国旗がはためいている。 街なかの移動遊園地。幅の広い歩道を大勢の人が埋め尽くしている。右手の遊具では、円形の屋根からワイヤーで吊るされた椅子が、角度を変えながら回転している。遠くのほうに、さらに高い位置で回転する遊具がある。歩道の左側には、煙突のような四角い塔の上に、ビールのジョッキの立体看板が掲げられた建物があ。

テロップ: 実質GDP 成長率(予測) 2019年 0.5% 2020年 0.9% 出所:ドイツ政府経済諮問委員会

映像説明: ダウンジャケットにマフラーを巻いた姿でショッピング街を歩く人たち。道沿いの建物には、「LUSH」と書かれた看板があり、奥には赤い文字で「H&M」と書かれた看板が歩道に向かって突き出している。 建物の中。吹き抜けの通路が、金色の電飾(でんしょく)や白い星型のオーナメントで飾りつけられている。1階の通路の壁には、さまざまな店の突き出し看板が設置されている。 ゴシック調の建物がある広場で、高塚が左手にマイクを持ち、話を続ける。

高塚: ドイツの政府経済諮問委員会は、ドイツの実質GDP成長率が、2019年に0.5%、2020年に0.9%との予測を発表しました。同委員会によりますと、景気拡大期は終わったものの、景気後退期には入っているわけではないとし、まさに不透明な状況にあることを示唆しています。

映像説明: 並んで建つ2棟(にとう)の高層ビル、「ハイライトタワーズ」。市内を一望できるほどの高い建物で、周囲にこれほど高い建物は見当たらない。足元には、曲がりくねった道路が走っている。 雨に濡れた街なかの道路。5階ほどの高さの建物の脇を、ヘッドライトをつけたバスや乗用車が走る。

テロップ: バイエルン州はドイツのGDPの約2割を占める

映像説明: BMWのエンブレムが入ったグレーの車が一時停止したあとで、ゆっくりと走り出す。すぐ横に止まった車には、4つのリングを少し重ねて横一列に並べた「Audi(アウディー)」のエンブレムがついている。 街を見下ろすように高くそびえる「ハイライトタワーズ」。屋上にはタワークレーンのようなものが設置されている。 中央にレールが敷かれた道幅の広い直線道路。車がまばらに走っている。歩道も広く、左右には大きな木が緑の葉をつけており、背の高い街灯が等間隔に並んでいる。十字路に巨大な彫像が置かれ、迂回するように左右の道が外側にふくらんでいる。

高塚: 私がいるミュンヘンのあるバイエルン州は、ドイツの全体のGDPの約2割を占めます。BMWやアウディーをはじめとする自動車、機械、電気、医療機器などの製造業の集積があり、また、フラウンホーファー研究所などの研究機関、ミュンヘン工科大学をはじめとする、大学との産学連携が盛んな地でもあります。

映像説明: 露店が並ぶにぎやかな通りで、高塚が左手にマイクを持ち、話をする。

テロップ: 隠れたチャンピオン (経済学者ハーマン・サイモン氏が提唱)

高塚: バイエルン州には、日本(にほん)でも注目されている隠れたチャンピオンと呼ばれる中堅企業が集積しています。

映像悦明: 赤茶色の屋根で外壁が白い建物が建ち並ぶ市街地。中央には、中州のある幅の広い川が流れている。手前には2つの塔が付いた教会のような建物があり、はるか遠くには高層ビルがそびえている。

テロップ: 特定の分野で世界TOP3(トップスリー) 売上高が50億ユーロ未満など

高塚: 隠れたチャンピオンとは、特定の分野で世界トップ3(トップスリー)、売上高が50億ユーロ未満などの企業カテゴリーです。

映像説明: 露店が並ぶにぎやかな通りで、高塚が話を続ける。

高塚: この条件で企業を抽出したところ、ドイツに中核中小企業ながら、国際展開に積極的な企業が多く集積していることが分かりました。

映像説明: グレーの壁の部屋。ガラスのドアの上に木の看板が掲げられ、後ろからライトで照らされた赤いレンチのようなマークと、「markersace(メイカースペース)」と書かれた立体文字がある。ドアの横の壁には、5センチほどの厚さのラックが天井近くまで取り付けられ、さまざまな企業のロゴが入ったカードが並べられている。高塚が、ラックの上のほうにあるカードを見上げている。 ガラスのドアの横にラックが2つ並んでいる。それぞれ8段あり、一列に5枚のカードが並べられている。ラックの下にはテーブルを挟んで木製の椅子が2脚置かれ、それぞれに薄いグレーの布張りの背もたれとクッションが置かれている。 ラックに並べられた80もの企業ロゴが入ったカード。黒と白のストライプで書かれた「IBM」と書かれたロゴ、青でだ円の中に「intel」と書かれたロゴ、青、赤、黄色(きいろ)などの異なる色で「Google」と書かれたものなどがある。 露店が並ぶにぎやかな通りで、高塚がマイクを持って話を続ける。

高塚: バイエルン州には、こうした隠れたチャンピオンが多く、この州の経済を支えています。これら企業は、日本企業(にほんきぎょう)とのビジネス、日本(にほん)への進出にも大変積極的です。

映像説明: 葉がすっかり落ちた枝の多い木の前に、ドイツ語で書かれた白い案内看板が立っている。一番上には赤で、アルファベットの「HAWE(エイチエーダブリューイー)」をデザインしたマークが描かれている。

テロップ: 世界でビジネスを展開する“隠れたチャンピオン”

映像説明: 歩道の脇に立つ案内看板の奥に、2階ほどの高さの全面ガラス張の建物が立っている。1階部分は通常のガラスで、室内のライトが見える(みえる)が、2階部分は鏡面ガラスが貼られ、外の景色が映っている。

テロップ: HAWE(ハーベイ) 油圧ポンプメーカー

高塚: 今回、バイエルン州の隠れたチャンピオンである、ハーヴェイ社を訪問しました。

映像説明: 天井の高い工場の中。工具や青いコンテナが置かれたテーブルに囲まれて、エンジ色の長袖シャツにグレーのベストを着た男性がモニターの画面を見つめて作業をしている。頭上の高い位置には棚が作られていて、たくさんの青いケースが収納されている。室内の奥の方には大型の扇風機が置かれている。 円い透明な窓から、向こう側をのぞく。中央の台には四角い出っ張りや円いへこみ、ネジの突起があちこちについた金属の塊が置かれ、脇の壁や上部から液体が噴射されている。

ナレーション: この企業は、油圧ポンプの専門メーカーだ。

映像説明: 金網の奥に置かれた、銀色の装置。上部には円いフタのようなものがかぶせられ、青いチューブが接続されている。左手には丸いアナログメーターと小さなディスプレイが接続され、ディスプレイにはデジタル数字で、赤で「137」と表示されている。アナログメーターの後ろには黒いボンベが置かれている。 モニターが置かれたテーブルに、取っ手がついた、さまざまな太さや長さのドリルが9種類ほど並んで置かれている。 大きなモニターが置かれた作業台の前に、黒のTシャツを着た男性が座っている。男性はグレーの手袋をはめた手で取っ手のついたドリルを持ち、前に並べて置いた、穴が5つ開けられた金属製の四角い部品穴の1つ1つに差し込んで確認していく。

ナレーション: ここで製造した油圧ポンプは、医療機器や工作機械などに幅広く採用されている。

映像説明: 窓際に観葉植物が置かれた会議室。大きな窓を背に、紺のトレーナーを着た男性と、黒と白のチェックのシャツを着た男性が、並んで座り、机上に置いたノートパソコンの画面を見ながら話をしている。 あいだを開けて置かれた長机(ながづくえ)に、7人ほどの男女が向かい合わせに座り、前方のスクリーンに投影されたスライドを見つめている。 窓側の左端に座る男性が、ノートパソコンとスクリーンを交互に見たり、スクリーンのほうを指で示しながら話をしている。

テロップ: 2007年 日本進出

ナレーション: 欧米やアジアなど、世界中にビジネスを展開しており、日本には2007年に進出済みだ。

映像説明: 観葉植物が置かれた会議室で、グレーのジャケットを羽織った男性が、マイクを右手に持ってインタビューに答える。傍らで黒縁眼鏡を掛けた高塚がうなずきながら話を聞いている。

テロップ: HAWE(ハーベイ) ステファン・シュミット アジア太平洋地域 最高執行責任者

シュミットアジア太平洋地域 最高執行責任者・ドイツ語吹き替え: 日本とのビジネスを、さらに進められるようなパートナーを探しているところです。 ドイツと日本の企業がお互いに補完し合えば、世界市場で活躍できると考えています。

映像説明: 工場の中。透明のパネルで区切られたベルトコンベアの上を青いコンテナがゆっくりと流れていく。手前のモニターやプリンタ、計量用のスケールが置かれたスペースで、グレーのトレーナーを着た男性がモニターを見つめている。モニターなどが置かれたスペースの左手には、黄色い工具が天井から吊るされている。ベルトコンベアの奥のスペースには棚がずらりと並んでおり、たくさんの青いコンテナが格納されている。 さまざまな企業のロゴマークが入った白い案内看板。

テロップ: バイエルン州は技術系のスタートアップが集積

ナレーション: バイエルン州は大企業に加え、技術系のスタートアップが集積し、今、注目を浴びている。

映像説明: 黒い外壁の建物の手前にある、さまざまな企業のロゴマークが入った白い案内看板を背に、黒縁眼鏡を掛けた高塚が左手にマイクを持って話をする。

テロップ: インダストリー4.0

テロップ: B to B

高塚: ドイツ国内のスタートアップ企業を見ますと、企業数では、ベルリンなど、バイエルン州を超える地域もあります。ただ、製造業やインダストリー4.0と親和性の高い技術、サービスを提供するB to Bが主体のスタートアップは、このバイエルン州に多く集まっています。

映像説明: 屋外。階段へ向かう道を、ダウンジャケットにジーンズなどのズボンをはき、リュックを背負った10人ほどの男女が歩いていく。階段の先には、グレーや白の建物が何棟(なんとう)かあり、積み木を崩して窓が斜めになったような変わった形の建物もある。

テロップ: ミュンヘン工科大学

映像説明: 4階建ての白い箱型の建物。1階と建物の中央部分が、一部ガラス張りになっている。 緑から黄色(きいろ)に色づいたいちょう並木のある歩道を7人の学生が落ち葉を踏みながら歩いてくる。右手には青い旗を掲げたポールが6本ほど並び、大勢が歩く奥の敷地には4階ほどの高さの白い円形の建物が建っている。 室内の白い壁に、紫色のロケットのイラストと、「START UP YOUR FUTURE」と黒の英語で書かれた白い看板が掲げられている。「YOUR」の「OUR」の部分だけ、黒い縁取り(ふちどり)のある白抜き文字になっている。 黒い外壁の建物の手前にある、さまざまな企業のロゴマークが入った白い案内看板を背に、高塚が話をする。

高塚: こうしたスタートアップは、ミュンヘン工科大学などからスピンアウトした企業も多く、大学、州政府、地方自治体などが主体となった、アクセラレーターと呼ばれる組織がスタートアップ企業の成長を支援しています。

映像説明: 曇り空の下、4本ののぼりが掲げられている。柄(がら)は2種類あり、1つは白地にグレーのドイツ語で「UNTERNEHMERTUM(ウンターネーマートゥム)」の文字。もう1つは濃いグレーに白抜きでロケットや地球、目、馬などのイラストが描かれている。 歩道脇に立てられたのぼりの奥に、3階ほどの高さでで、縦長の窓が並ぶ黒い建物が建っている。

テロップ: エコシステム

テロップ: UnternehmerTUM(ウンターネーマートゥム) ミュンヘン工科大学付属のアクセラレーター

ナレーション: ミュンヘン工科大学付属のアクセラレーターに、スタートアップを支える、この地のエコシステムの特徴について聞いた。

映像説明: 黒い棚が置かれた部屋。6段ほどの高さで、4列に区切られた棚に、青い缶やミニチュアの風車(ふうしゃ)などのほか、紙製のプレートが置かれている。部屋の奥には黒地に白抜きで「UNTERNEHMERTUM(ウンターネーマートゥム)」と3回書かれたデザインのロールアップバナーが置かれている。「NEU(エヌイーユー)」の部分だけ、白い縁取り(ふちどり)のある黒文字になっている。 黒い棚の前に薄い紫のブラウスを着たロングヘアの女性が立ち、右手にマイクを持ってインタビューに答える。傍らに立つ高塚がうなずきながら話を聞いている。

テロップ: UnternehmerTUM(ウンターネーマートゥム) 国際協力コーディネーター マリサ・シュナイダー さん

シュナイダーさん・ドイツ語吹き替え: バイエルン州には、強力なエコシステムがあります。 ミュンヘンには、30のDAX(ダックス)(ドイツ株価指数)銘柄企業のうち、実に8社の本社があります。 例えば、BMWやシーメンス、保険会社(ほけんがいしゃ)のアリアンツなどが集まっています。 そのほか、グーグルや富士通など、外国の大企業も、ミュンヘンに拠点があります。

映像説明: 丸みをおびた建物の前の道。1階部分は吹き放ちになっていて、2階部分のガラス張りの通路をたくさんの柱で支えている。柱のあいだのスペースには自転車やスクーターなどが置かれている。道路脇にある、スチール製のポールに取り付けられた縦長の黒いプレート。プレートには、企業のロゴが入ったすりガラスのプレートが4枚貼られていて、一番下のプレートには、ドイツ語の「Blickfeld(ブリックフェルト)」の文字をアレンジした白いロゴが入っている。その看板の横に立ち、高塚が左手にマイクを持って話をしている。

テロップ: ミュンヘン工科大学(TUM)発のスタートアップ

高塚: ミュンヘン工科大学発のスタートアップ企業で、日本(にほん)との連携にも積極的な企業があります。

映像説明: 縦長の黒いプレートに貼られたドイツ語の「Blickfeld(ブリックフェルト)」の文字をアレンジした白いロゴが入ったすりガラスのプレート。

テロップ: グリックフェルト 自動車の自動運転技術の開発企業

高塚: ブリックフェルト社です。

映像説明: 道路を走るトランクにBMWのエンブレムが入った黒い車。すれ違いで走ってくるフロントグリルに円の中に3本の光を放つ星のようなエンブレムが入ったベンツの白い車。 さまざまな車やバスが走るなか、アルファベットのVとWを縦に並べたエンブレムをつけたフォルクスワーゲンの黒い車が走って来る。

テロップ: LiDAR(ライダー) レーザー光を使ったセンサーで 対象物の形状や位置を正確に検知する技術

高塚: 同社は、自動車の自動運転に必要となるライダー技術を、安価に提供できる技術を有しています。同社は、日本企業(にほんきぎょう)との提携も進めており、

映像説明: 白い車のヘッドライト部分。ライトはついていない。 青い車のヘッドライト。オレンジがかった白のライトが点灯している。

テロップ: 小糸製作所とヘットランプ搭載LiDAR(ライダー)技術の検討を開始

高塚: 2019年小糸製作所とヘッドランプ搭載ライダー技術の検討を開始しました。

映像説明: 筒型の建物を4つ組み合わせた近代的な高層ビルがそびえている。生い茂る木々(きぎ)の帯の向こうに赤茶色の屋根で外壁が白い建物が広がっている。はるか遠くには、船のような形をした、巨大な平たい建物が建っている。

高塚: こうしたドイツのスタートアップ企業と、日本企業(にほんきぎょう)の連携も、今後、増えてくるものと思われます。

映像説明: ゴシック調の建物がある広場。電飾(でんしょく)がともるきらびやかな露店の前で、高塚が左手にマイクを持って話をする。

高塚: 以上、バイエルン州、ミュンヘンからお伝えしました。

スタジオの八木(やぎ)キャスター: 今回ご紹介した2ヵ国は、日本にとって単に市場というだけではなく、ノウハウの共有や、さまざまな連携により、新たなチャンスをつかむことができるパートナーになりうるのではないでしょうか。日本と現地、双方の企業の今後の動きに注目していきたいと思います。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターがお辞儀をする。

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